Mix for Weekenders Vol.4|Selected by okadada、Mars89、Andry Adolphe

インターネット上にアップロードされているDJミックスの中から、週末を楽しむのにぴったりな物を紹介する連載企画『Mix for Weekenders』。

今回はFUJI ROCK FESTIVAL2019にも出演を果たしたokadada、パーティ『南蛮渡来』を主催しLouis Vuittonへの楽曲提供も話題を呼んだMars89、ファッションブランドPhingerinに所属する傍らDJとしても活動を行うAndry Adolpheの三人に、それぞれお気に入りのミックスや自身のプレイに影響を与えたものを紹介してもらった。

シーンで熱い脚光を浴びる三人。それぞれのユニークな視点が垣間見えるコメントとともに、これらのミックスを楽しんでみて欲しい。

1. 『Jamie Tiller - 夕方の影「Evening Shadows」』 Selected by okadada

コメント

Music From Memoryの創設者Jamieが、設立前の2010年に自身が運営するmixアーカイブサイト「non collective」にアップしたミックス。ネット上に存在する影響を受けたミックス、というテーマで依頼されたものの、ほとんどはmixCDやmixtapeなのでネットを介して聞いた初期に印象に残っているミックスがこれだ。

聞けば分かるが清水靖明関連をはじめ、ほとんどが現在はレコード市場で再評価されている日本のニューエイジ、アンビエントで構成されている。タイトルが日本語なのもその反映だろう。

ミックスとしての提案や技というよりも、コンセプトと発表された時期が自分にとっては重要だ。これを聞くまでgontitiの初期作品など、あまり気づいてなかった日本の環境音楽の魅力に気づかされた。2010年はチルウェイブやクラウドラップ、ウィッチハウス等のネット上で生まれた幻のような音楽ジャンル、それとイタロディスコ等のレコード市場でのブームが落ち着いた後の次を求めている空気、そんな独立している複数の空気が自分の中で結びついていた感覚も思い出される。VA『環境音楽』のリリース等でこの辺りの評価も一段落した印象だが、あらためてこのミックスを聞けば素朴な魅力を再発見できるのでは。

このミックスから約十年、個人的には古い音楽のリバイバルがどういうスピードで起こるのか、それを初めてリアルタイムで目撃した体験としても記憶に残る。このミックスの3ヶ月前、ほぼ同時期に現在はvisible cloaksとして活動するspencer doranがroots blogにアップしたミックスもほぼ同じコンセプトである。そういった同時代性も含めて印象深いミックスだ。

2. 『Another Midnight in Tokyo by Kool4plus1』 Selected by Mars 89

コメント

まず、このmixを作ったkool4plus1氏とは何者なのかと言うと僕も全てを知っているわけではないんですが、80年代の東京のアンダーグラウンドシーンの蒐集家であり生き字引のような人です。

彼とは僕が出演しているBS0xtraというブリストルの音にフォーカスしたパーティーで初めて会いました。戸川純やThe StalinやJAGATARAの話で盛り上がったのを覚えています。因みに僕が初めてサインしたレコードを持っているのは彼です。

このMixは、青春時代を80年代の東京で過ごしたkool4plus1氏による当時のPunkやFunk、New Wave、Dubなどで構成された約80分のMixで、ミックスして繋いでいくというよりはセレクタースタイルで1曲1曲をじっくり聴かせるような内容になっています。

彼のmixcloudには当時の貴重な音源が他にも大量にアップされていて、僕みたいな当時まだ生まれていなかった世代にも当時の空気感が伝わってくる感じがします。ちょっと刺激的な生活のお供に是非。

3. 『Broadway 1991 (Gooch) Pt. 1、Pt. 2、Pt. 3』 Selected by Andry Adolphe

1990年、Manchester、Moss Sideでの録音。Loose Endsなどのヒットグループや今で言うストリートソウルなどのローカルなR&Bなどがダブプレートのように使われ、ラガMCのボーカル(Broadway Soundsのパフォーマンス)が混じりあっています。タイムスリップも楽しめるし、録音のクオリティが生活音とうまく馴染むので、なんとなく流しておくのにピッタリです。(編注 : 以下、Andry Adolpheの取材による、こちらのミックスをYouTubeにアップロードした人物「TheMrE1974」のコメントを掲載しています)

- こういった現場が、ストリートソウルがプレイされていたシーンだったんですか?びっくりしました。

TheMrE1974 - 正直、”ストリートソウルのシーン”みたいなのは存在しなかったよ。道でプレイするソウルって意味なら、そうだったかもね。仲間内では皆レゲエが一番好きだったけど、こういったR&Bは女性の方が早い段階で良さに気づいてて、たまにかけると楽しそうに踊ってくれるし、友達を連れてきてくれるからプレイできるものを色々探してたんだ。その後で皆グルーブを理解してきたって感じだった。ハウスパーティとか、Blues (野外でのブロックパーティ)とかで、もともと使ってたレゲエ用のヘビーなサウンドシステムでR&Bをプレイしてた。当時大流行してたポップなスイングぽいものより、ロウな感じでサウンドシステムにしっくりきたし、Frontline radio、Sunset、Luv NRGとかのパイレーツラジオでもプレイされてて渋かったから、レゲエヘッズの僕らも好んで聴いてたよ。盛り上がると聞いて後でGalleryとか大きいクラブもこういうパーティしようとしたみたいだったけど、長く続かなかったらしい。僕らはそういうとこ行かなかったけどね!

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