speedy lee genesisによるパーティー『Neoplasia』がHirakish、Minchanbaby、1-DRINKなどが出演し開催

speedy lee genesisが主催するパーティー『Neoplasia』の第二弾が、5/18(土)に東京・渋谷のWWWβで開催される。エモーショナルのその先にあるブルースのレクイエムをテーマに開催される今回は、Yves Tumorとのジョイント・ツアーでも話題のLAのミステリアス・ロックンローラーHirakishを迎える。

Hirakishはロンドンのエクスペリメンタル・レーベルNyx Unchainedから、昨年シングルをリリース、先頃のYves Tumorとのジョイント・ツアーの評判を皮切りに、俄かにセンセーショナルな存在としてクローズ・アップされた。最新型のクラブ・サウンドが有機結合された2020年代モデルのブルース・マンだ。

日本からはラッパーのMinchanbabyに加え、Pink QueendomのメンバーALMAがライブパフォーマンスを披露。さらにDJ HONEYPANTSと1-DRINKがDJプレイを行う。そしてspeedy lee genesisは、オルタナティブ・クラブ・ブルースの特別なDJをセット、存在のブルース性を起点にユニークなラインナップが揃った。

- speedy lee genesisからのメッセージ

私は音楽にまつわるあらゆる状況の変化の中で、今ブルースというムードが切望されていることを感じている。

一部のアーティストの動向はエモーショナルなメロディの叙情性を超えて、根源的な「魂」や「逃れられない何か」を想起させる表現に移行し始めた。クラウドラッパーのトラックには #blues などとタグ付けされたものを見かけることも。しかしこれはヒップホップだけでなくあらゆる物事において起こっていることなのでは?

コレクトが無数に誕生して息苦しい。エモの消費がバブリーな状況でなお、全く渇望感が拭えない。トランプ大統領や安倍晋三首相に関心が集まる背景に横たわる疎外感、アメリカーナ的なるもの、上がれない貧困の中にいて、日本でも!ニュージーランドや相模原の憎悪殺人犯は自分の分身なのかもしれないと恐怖する。そして健全なコミュニケーションへの反動が溢れる。

私はそういった逃れられない重苦しさ、ブルースのような何かを頭の片隅に日々を過ごしているが、音楽がエモーション(エモ)のステートメントより上位の次元で、より切実な表現として存在して欲しいと強く願うようになってきている。そしてこの感情は私の個人的な体感を超え、多くの人の意識の中に存在するのではないか。私はそれをクラブシーンで表面化させてみたいという狙いを持ち、Neoplasia2を開くことにした。
開催にあたり、HirakishというアーティストをLAから招聘する。今回のNeoplasiaは、昨年の8月にドロップされた彼のシングルに入っていたLiquid Geezusという曲に触れ、受けた刺激からイベント自体の構想を練り始めた。

Liquid Geezusは、メタリックにクラッシュしたマシンリズムにレイジーなブルースギターをブレンドさせたバックトラックに加え、彼の声質に依存したその音像のドライさ、そして後半の、明確なビジョンを見据えた予言めいた展開に、言いようのない蠱惑を感じる’18年屈指の名曲だった。

ブルース性。わかりやすいモチーフになるが、彼がこういった哀感を秘めたブルース性なるもの(ブルース進行ではないが)を受け継ぎ、今だからこそ有効な方法によってファッショナブルにパフォームしたということに共感を感じている。

コンタクトを取っていく中で分かったことだが、これは決して偶然ではなく、Hirakish自身もブルースやロックンロール、ロックのフォームを使った音楽表現の効果に自覚的であり、センスオブワンダーな存在だ。

Neoplasia2で披露するライブではエディ・ヘイゼル(ファンカデリックの初代ギタリスト)の読み替え以上の、特別な現象が起こる気配がある。

Hirakishは実際にブルース的な音楽を制作し表現しているアーティストだが、今回のイベントはそういった音楽自体のジャンルというというよりも、切迫された雰囲気を極端に内包したアーティストを集めることで、あくまで現行のものとして投げてみたいという意図がある。国内のアーティストのキュレートはそれに基づいて行った。

Minchanbaby、ALMA、DJ HONEYPANTS。私は気質としてのブルース性を彼らから一方向的に読み取っているが、それぞれが複雑で現代的な感覚を持った出演者だ。ぜひ彼らの音楽にアクセスして欲しい。そしてマスター1-DRINKは私とともに、彼らを繋ぎ止め、クラブ仕様のオルタナティブ・ブルースを機能させるナビゲーターとなる。

5月18日は予想を超える鎖状の何かが現出すると思う。楽しみにしていて。

Info

Neoplasia2
2019/05/18 sat at WWWβ
OPEN / START 24:00
ADV ¥1,800@RA | DOOR ¥2,500 | U23 ¥1,500

Hirakish [Nyx Unchained / LA]
Minchanbaby
ALMA
DJ HONEYPANTS
1-DRINK
speedy lee genesis [Neoplasia]

※You must be 20 or over with Photo ID to enter.

【詳細リンク】https://www-shibuya.jp/schedule/011102.php
【前売リンク】https://www.residentadvisor.net/events/1257610

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