【インタビュー】Kvi Baba │ ただ心を歌ってる

現在19歳のラッパーKvi Babaは2017年頃よりSoundCloudでの活動をスタートさせた。ロックなどのバックボーンを持つ彼のエモーショナルでメロディックなフロウと痛みや悲しみ、そしてその中にある愛を感じさせるリリックは注目を集めてきた。

そして本日全曲KMがプロデュースを手掛けたEP『Natural Born Pain』をリリースし、収録曲"Feel The Moon"の新保拓人によるミュージックビデオも公開した。

FNMNLではこのタイミングではウェブメディアでは独占となる彼のインタビューを掲載、どのようなルーツを辿って音楽にたどりついたのかを聞いた。

取材・構成 : 和田哲郎

- 僕はKvi Babaさんの名前は、Minchanbabyから「今日本のエモっぽいラッパーたくさん出てきてるけどKvi Babaが一番良いと思いますよ」って勧められて聴いて。そしたらすぐにKMくんとも一緒にやったりしはじめて、おおって思ったんですよね。活動を始めたのはいつだったんですか?

Kvi Baba - ちょうど一年前ですね。もともと、自分の心であったり気持ちの状態を1人、詩に書いていて、それらを何かしらの形で誰かに共有したくなったのがはじまりで。そんな時にたまたま知り合いの知り合いって感じで、大阪の西成のスタジオに行くことがあって。そこで初めてレコーディングをしました。自分の声で自分の心を吐き出す事にすごい開放感と安心感をおぼえましたね。どうしようもない自分に少し光が見えた様に感じた。「自分にも出来ることが何かある」って。

- それまでに音楽活動はやっていなかったんですか?

Kvi Baba - 一切してなかったですね。

- 詩を書いてたっていうのは普通に文章としての詩ですか?それとも歌の歌詞?

Kvi Baba - 詩っていう表現が間違ってたかもしれないんですけど、とりあえず殴り書きで心を書いてました。変な話なんですけど。その時その時の気持ちを、感情のコントロールのために。

- ラップをし始めて「自分にも出来ることがあったって気づいた」って言ってましたけど、それまではあまり自分に出来ることは無いと思ってましたか?

Kvi Baba - 何もなかった。絶望しかなかったですね。 悲観的に物事を捉えてしまう自分の性格が自分を縛ってしまっていました。

- どういう子供時代でしたか?

Kvi Baba - 学校ではうまく周りと馴染めなかったし、友達も少なかった。けどそんな自分にも、家に帰れば微笑んでくれる暖かい家族がいてくれて、嬉しかったし楽しかった。なのにそれが壊れてしまった。一番近くに感じていた愛をなくしてしまった。だから幼少期に、愛の救いも破壊もわずかながら理解していた。色んな側面から愛を見ていたので。

- 両親から愛情を受けて育ったら、その時は愛について考える必要もないじゃないですか。でもそれをそのぐらいから考えなくちゃいけなくなったってことですか?

Kvi Baba - そうですね。けど、思った以上にこれらの事はヘビーに僕を悩ませたし、苦しめていた。だからこそ尚更よく考える必要がありました。

- 音楽はいつごろから聴いてますか?

Kvi Baba - 記憶がある時からですね。幼稚園の頃ぐらいには身近にありました。

- それはどういうものか覚えていますか?

Kvi Baba - 父親が好きな曲ばかり聴いてました。

- 自分で意識的に探したりするようにはなりましたか?

Kvi Baba - もちろん探しています。自分のクリエーションのためにも。

- 初めて自分で探したアーティストは覚えていますか?

Kvi Baba - Coldplayの『Parachutes』。

- ラップを初めて聴いたのはいつですか?

Kvi Baba - 最初にラップでハマったのはKanye Westの“Stronger”ですかね。

- 自分で曲をやろうと思ったときにラップを選んだというのはラップがシンプルに出来るっていうのがあったんですか?

Kvi Baba - 僕はジャンルを意識して音楽を作っていないです。ここまで多様的な時代にジャンルの枠組みはあまり必要ないと思うんで。

- 曲作りについて聞きたいんですけど、リリックは自分の心に溜まってるものを吐きだしてるんですか?

Kvi Baba - 始めたきっかけと同じスタイルでやってます。ただ心を歌ってる。特に人と被らないように努力してるわけでもないし、自分とだけ向き合ってる。歌い方であっても、選んでくるサウンドであっても、全部自分とだけ向き合ってる。これはトレンドじゃない。

- KMくんと曲をよくやってるじゃないですか。KMくんのトラックはどこがいいですか?

Kvi Baba - 色々良いところがあって、一言では言えないんですけど。KMくんのトラックで一番いい所はサウンドから人間味を感じさせてくれる所。そこに魅力を一番感じますね。暖かい。

- 他にどういう要素のトラックでやってみたいと思いますか?

Kvi Baba - 川の流れをサンプリングしたビートでやってみたい。

- 自然が好きなんですか?

Kvi Baba - 好きです。

- 音楽作ってるとき以外はどういうことをしてますか?

Kvi Baba - 遊んだり、バイトだったり。けど音楽を作っている時以外でも、常に頭の中では音楽のことを考えてますね。最近は常に音楽と一緒にいる。

- それはやっぱり自分的には良い状態というか、キツいことでもありますか?

Kvi Baba - 僕は音楽の上で悩みを解決したり、成長したりする。だから苦痛じゃない、良い状態です。

- 歌詞の表現を聞くと詩的な表現もあったりして、本を読むのが好きだったりはしますか?

Kvi Baba - 本は好きです。毎日読んでるわけではないですけど。岡本太郎の『自分の中に毒を持て』と三島由紀夫の『金閣寺』が特に好き。まだ完璧に理解は出来てないけど、影響を沢山受けてる。本と映画から影響をかなり受けてますね。

- 映画で印象に残ったのは何ですか?

Kvi Baba - 『ライフイズビューティフル』。愛の塊。何回観ても強く響く。あとはロバート・デ・ニーロの『ブロンクス物語』。父親が観せてくれた。

- さっきから話を聞いてると、色んな面において家族からの影響が大きいんだなって風に思います。

Kvi Baba - そうですね、色々な問題があったとしても、他を探しても、どこにもない、世界にたった一つしかない家族。受けた影響は大きいです。

- 今どんどん新曲も作ってるっていう話を聞いてるんですけど。

Kvi Baba - いっぱい作ってます。若い間、僕は曲を作り続ける。ミュージシャンでいる。

- 来年はどういう年にしたいですか?

Kvi Baba - 過去の自分を超える年。何においても。

- ありがとうございました。

INFO

ARTIST NAME: Kvi Baba (クヴィ・ババ)
EP TITLE: Natural Born Pain (ナチュラル・ボーン・ペイン)
Illustrator: Jun Inagawa
@JunInagawa1 @jun.inagawa
Music by KM
@KM_music_ @km1986music
RELEASE DATE: 2019.02.22 on Digital
Cat No#: KVB-001 | LABEL: Kvi Baba / For Tune Farm
TRACKLIST:
01. Feel the Moon
02. Mama
03. Bad End
04. Leave Me Alone

◇AppleMusic(https://goo.gl/zEFuQ2)
◇iTunesStore(https://goo.gl/QmbT61)

related

【インタビュー】FNCY 『FNCY BY FNCY』| 今だからこそできたこと

ZEN-LA-ROCK、G.RINA、鎮座DOPENESSによるユニットFNCYの2ndアルバム『FNCY BY FNCY』。

【インタビュー】LIBRO『なおらい』|素直に会える日が来るまで

LIBROが約3年ぶりのアルバム『なおらい』をリリースした。一本のミックステープのように聴くことができる本作は、前作『SOUND SPIRIT』発表後、ほどなくして制作が始まった。だがコロナウイルスの感染拡大から露わになった世界的な分断と断絶を目の当たりにして、制作と並行してその様子をゆっくり観察することにしたという。その上で自分が言えることは何か。本作にはそんな思いが散りばめられている。

【インタビュー】JUMADIBA|その眼光が見据えるもの

6月に1stミックステープ『Kusabi』をリリースしたJUMADIBA。サッカーのチャントをサンプリングした“Spike!”を筆頭に、リリカルかつユニークな楽曲の数々がコンパイルされた同作は、シーンや世代を問わず幅広いリスナーの間で話題となった。同時に彼自身もまた、ヒップホップやロック、ダンスミュージックが渾然一体となった同世代のアーティストやDJとリンクアップしながら、今や一つの台風の目とも言える役割を担いつつある。

most popular

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。