Beastie Boysがデビューアルバム『Licensed To Ill』リリース後に解散の危機に陥っていた過去を明かす

白人ラップグループの先駆けとして、またその革新的な音楽性によって後世に強い影響を与えたBeastie Boys。三人の息の合ったマイクリレーが特徴なグループだけに仲の良いイメージが強いグループだが、かつてはそうではなかったようだ。

The Guardianのインタビューに登場したBeastie BoysのMike DとAd-Rockは、1stアルバム『Licesnsed To Ill』のリリース後にグループが一時的な解散の危機に陥っていた過去を明かしている。その時期の三人はお互いに口も利かない程関係が冷え込んでおり、更に経済的に厳しい状態に置かれていたためグループを解散することも考えていたという。

経済的危機の原因の一つにDef Jamの共同設立者Russel Simonsの存在があり、彼は三人に次回作を作らせるために報酬を払っていなかったのだそうだ。「Russelは“お前たちがスタジオに行かなければ、金は払わねえ”って感じだった。彼の駆け引きで俺たちは“あぁ、金は欲しいからな。やるよ。でも俺たち全員からお前にファックだ”って思ってた」とMike Dは語っており、Def Jamとの関係も良好なものではなかったことが分かる。Ad-Rockは「結果的には良かったけどな。でも、もし次のアルバムが失敗してたら俺たちは87年に解散してたと思う」と、『Paul's Boutique』が完成したことによってグループが救われたと述べている。

当時Ad-Rockは映画「Lost Angeles」に主演するなど俳優業をスタートしており、また残りの二人のメンバーもそれぞれ別のバンドを始めていたという。その後2012年にMCAが亡くなってしまうまで三人は順調に活動を続けてきたが、もしも1987年にBeastie Boysが解散していたら『Pauls Boutique』も『Ill Communication』もグランドロイヤルもこの世に無かったということになり、今の音楽はまた別の形になってしまっていただろう。音楽ファンにとってはBeastie Boysが長く続いて良かったといったところだろうか。

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