Tay-K - "The Race" | 警察からの逃走中にリリースされた生々しい17歳のヒット曲

17歳のラッパーTay-Kの"The Race"がヒットチャートを急上昇している。Tay-KことTaymor McIntyreはカリフォルニアに8年間在住し、ラスベガスで1年半生活、その後はテキサスのアーリントンに移りラップを覚えたようだ。6/30に動画がアップされると3100万回再生を記録し、Lil Yachtyのリミックス やSlim Jesusのリミックスなどもアップされ、ツイッター上ではTravis Scottや Lil Bibby など多くのアーティストが反応している。

同曲はBillboard Hot100に初登場70位を記録すると、次の週の2017/09/02付チャートでは52位にまでジャンプアップ。1年前までほぼ無名だった17歳の新人ラッパーの曲としては異例のチャートインとなっている。

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Via Billboard

 

音質の悪さなどの粗はあるものの、彼独特のフロウ、そして彼のリアルな実体験を反映したリリックが人気の出た理由だ。
ではリアルな実体験とは一体なんなのだろうか?彼の過去は以下の通りだ。

彼のルーツ

彼のラップとの出会いはほん2、3年前でありDaytona Boyzというグループでキャリアを本格的にスタートした。しかし彼らは15、16歳の時から罪を重ね続けメンバーも様々な罪に問われている。"The Race"の歌詞にも出てくるPimpyz(本名Jalen Bell)は殺人罪に問われていて、Santana Sage(本名Eric Johnson)に至っては大学生だったSara Mutschlechnerを殺害した罪に問われ懲役44年が執行された。

ツイッター上では3人のハッシュタグをつけている。

 

マンスフィールド強盗殺人事件

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(イーサン・ウォーカーが撃たれた現場)
2016年7月25日、テキサス州の都市ダラスの南西部に位置するマンスフィールドにてTay-Kを含む7人により計画されたドラッグと金品目当ての犯行だとStar Telegramに報告されている。犯行は次の通りだ。
まず、女性3人が表向きはマリファナを吸いに行くという理由で当時大学生だった21歳のイーサン・ウォーカーの家に入る。中の女性が内から鍵を開けグループメッセージで合図をした時に一斉に忍び込み強奪したようだ。その際に撃たれたイーサン・ウォーカーはPM10:40に搬送され、PM11:29に息を引き取った。Tay Kはこの件に該当すると思われる冷やかしのツイートもしているが関連性ははっきりしていない。

クレイブンスパーク暴行事件

公園を散歩していた65歳のスキップ・ぺぺさんは突然17歳の少年に財布を要求され、それを断ると拳銃で顔面を殴るなど暴行を受けた。病院に搬送され一命はとりとめたものの、ジョギングをしていた女性が見つけてくれなかったら亡くなっていたかもしれない、と奥さんのバーバラ・ぺぺさんは語っている。

Sara Mutchlechnerさん殺人事件

この事件はSUVの中で起きた事件なのだがTay-Kも乗車していたらしい。実際に引き金を引いた張本人は、44年の刑を受けているがTay-Kはどうなるのだろうか。

Tay-Kは自宅謹慎状態に置かれていたが、足首につけられていた監視装置を外し、自宅から脱走。これらの罪を犯し警察から逃げる様子を"The Race"と表現したことが全米で大ヒットしているのだ。リアルな逃亡犯が、その逃亡のことをリアルタイムに描く楽曲。これはどんな設定よりも生々しいものといえるだろう。

そしてTay-Kは再びニュージャージーで捕まる。警察がTay-Kの逮捕を発表した日は"The Race"のミュージックビデオがアップされた6/30だった。そして本人が捕まっても、"The Race"の勢いは止まっていない。ミュージックビデオの再生回数は3500万回を超えた。
Tay-Kは電話インタビューにて多くのラッパーがTay-Kを話題にしていることを取り上げられ、もし釈放されたら誰と組みたいか?という問いにSoulja  Boyと答えている。
またシカゴの話題になると声のトーンを上げ、Chief Keefからフロウを持ってきていることなどを語り、かなり影響を受けているようだった。
リリック上でもシカゴ出身のドリルラッパーYoung Pappyと自分をなぞっている部分も見受けられる。

やはり気になるのは彼の判決についてだ。彼はインタビューにて65%の確率で釈放されると答えている。弁護士は芸能専門でありKodak Blackの弁護の経験もあるMr. Mcmillan氏が務めるらしい。まずは、この事件が未成年犯罪なのかについての予備審査が8/30に迫っている。彼は身の潔白を晴らし再び表舞台に戻ってくることができるのだろうか。釈放されたら彼はもう強盗はしないと話している。

(Yoshito Takahashi)

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