【FEATURED】総選挙を控えるイギリスでUKグライムアーティストたちが英労働党首ジェレミー・コービンをバックアップ

イギリスでは6/8に総選挙が行われる予定だ。総選挙の理由は、現在の与党である保守党が議席数を増やし、政治的安定性を確固としようとしている。そこでSkeptaの実弟でグライムMCのJMEがイギリス労働党の党首であるジェレミー・コービンと面会。多くのグライムアーティストたちが新自由主義的な与党・保守党にストップをかけるためにバックアップの姿勢を打ち出している。

イギリスの総選挙はそもそも5年毎に行われており、前回はデビッド・キャメロン政権時の2015年に行われ保守党が圧勝。次回は2020年に行われる予定であったが、与党が解散総選挙を選択し、野党も6月の早期総選挙にに応じた。

2016年の国民投票によるEU離脱問題を受けてデビッド・キャメロン前首相が辞任し、前政権で内相を務めていたテリーザ・メイが首相に就任。テリーザ・メイは他の首相候補が自滅したりするなかで首相に押し上げられたという経緯がある。EU離脱のための調整や交渉が本格化し、政治的な安定性がさらに求められる今後、テリーザ・メイ首相と保守党は2020年を待たずして、与党への支持率が高い2017年に総選挙を行い、議会の安定性を確固としようと企んでいる。

6月に行われる総選挙を控えて、NHSなどの無償医療機関や教育関連に対する予算の削減を行う保守党政権にストップをかけるため、グライムアーティストたちは立ち上がり、野党労働党の党首、ジェレミー・コービンをバックアップするために立ち上がった。

先週末、Skeptaの実弟でグライムMCのJMEがイギリス労働党の党首であるジェレミー・コービンと面会し、総選挙に投票するための選挙人登録を促すキャンペーンをスタートさせた。今回の総選挙に投票するためには選挙人登録を5/22までに済ませないといけないことになっている。

JMEはジェレミー・コービンのSnapchatに登場し、教育問題や若者の投票率の低さについて語った。

そしてそのミーティングのニュースの後、 謎のグライムアーティストによるジェレミー・コービン支援サイト「Grime 4 Corbyn」の立ち上げられていることが判明した。サイトのメーリングリストに登録するとシークレットイベントへの参加権を手に入れることが出来る。そしてグライムアーティストたちによるジェレミー・コービンへの支援ツイートが表示されたり、ジェレミー・コービンの肉声をサンプリングしたグライム・トラックがアップロードされていたりと、グライムらしい取り組みが展開されている。

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来日公演を行ったAJ TraceyやNovelist、JMEなどもジェレミー・コービンへのサポートをツイートで表明している。

Novara Mediaが投票についての予測と提言についての記事を公開し、EU国民投票の結果から今回の総選挙において若者の投票率がキーになっているということを明らかにした。

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