XXLマガジンが選ぶUKの注目新人ラッパー10人

Drakeの新作に参加したUKのギャングスタ・ラッパーGiggs、Drakeがリミックスを制作したDAVE、アフロビーツシーンの雄J Husなど、国境を越えてクリエイティビティーを発揮するUKラッパー達を無視出来ない状況になりつつある。すでにSkepta、Giggs、Stormzyあたりは馴染み深いが、それだけでは多様なジャンルが交錯するUKシーンを理解したことにはならない。

XXL Magazineによるこれから注目すべき10人のUKヒップホップ、グライムアーティストをチェック。

by Tohji

Nadia Rose

ホームタウン:ロンドン・クロイドン

Aberdeen, Scotland tonight ? - last time I was in Scotland I won a MOBO haha, link me ?@yonkersaberdeen @unitfiftyone

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代表曲 “D.F.W.T”、“Skwod”、“Station”
Nadia Roseはキャリアの初期から成功が約束されたかのような存在だ。Stormzyのいとこである彼女は、AdeleやAmy Winehouseを輩出したロンドンの美大BRIT Schoolを卒業後、すでに昨年のMOBO Awards(UKブラックミュージックにおける式典。USにおけるBET Awardsにあたる)で、ワンカット長回しで撮られた“Skwod”が最優秀映像に選ばれている。今年、デビューEP『Highly Flammable』がリリースされることがアナウンスされている。


Mist

ホームタウン: バーミンガム


代表曲 “Ain’t the Same”、“Karlas Back”
近年のグライムシーンでは、バーミンガムとロンドンは互いに競い合ってきた。その立役者の一人がMistである。P110でのフリースタイルでも見られるタイトなラップを駆使したEP『M I S To the T』は彼を一躍有名にした。


Loyle Carner

ホームタウン:ロンドン・ランベス

Love to @adidasuk for having me on the #TLKS panel

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代表曲 “NO CD”、“The Isle of Arran”、“Florence”
Loyle Carnerの台頭は、UKに新しい風を送り込んだ。彼もまたBRIT Schoolの卒業生であり、オルタナティブヒップホップに影響を受けた内省的なサウンドで知られている。これまで、NasやJoey Bada$$のUKツアーでサポートアクトとして出演しきたLoyle Carnerは、“Florence”がAppleのCMに採用されたことで知名度を上げた。


Ms Banks

ホームタウン:ロンドン・キャンバーウェル

OMG OUT IN 2 DAYS ? Hair : @edmundbossmanhair ✨ Stylist : @mslaurielondon ❤

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代表曲 “The Get Back”、“Hallelujah”、“Get Loose”
Ms Banksはゆっくりと、しかし着実に今年へのブレイクに向けて前進している。BBC 1Xtraでの初登場回、SBTVでのフリースタイルを見れば、彼女のフロウ巧者ぶりは明らかだろう。


Avelino

ホームタウン:トッテナム、ロンドン

Notes with a 3 @not3sofficial #NoBadEnergy

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代表曲 “Energy”、“Long Time Coming”、“FYO”
長い間陽の目を浴びなかったAvelinoにとって、ようやくその名を知らしめる時が来たと言えるだろう。その独創的なサウンドとデリバリーは、彼をUK随一のラッパーたらしめている。彼はこれまで同郷のSkeptaやWretch 32らとコラボレートしてきたが 、“Energy”ではSkeptaだけでなくStormzyをも一曲に呼び込み、UKを代表する二人とラップをぶつけている。


J Hus

ホームタウン:ロンドン・ニューハム

It use to make me mad but now I laugh about it

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代表曲 “Lean and Bop”、“Dem Boy Paigon”、“Friendly”
StormzyのファーストアルバムにもフィーチャーされたJ Husの名は、クラブアンセムとなった“Friendly”のヒットにより全英へ轟いた。多彩な音楽を織り合わせて新しいサウンドを作り続けるJ Husは、『The 15th Day Mixtape』で垣間見えるシリアスな一面も持ち合わせている。


Kojey Radical

ホームタウン:ロンドン・ホクストン


代表曲 “Kwame Nkrumah”、“Footsteps”、“Gallons”
Kojey Radicalは、多様な音楽の影響を次々に弾けさせるようにサウンドを鳴らす。その詩的なラップは従来のラッパーとは一線を画し、アーティスティックなスタイルが特徴的である。PVのビジュアル面での創造性でも、リスナーを惹きつける。


Stefflon Don

ホームタウン:バーミンガム、ロンドン

?? * Envy Us *

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代表曲 “Real Ting”、“16 Shots”
昨年より、Stefflon Donへの期待値は膨れ上がっている。“Lock Arff (Remix)”<https://www.youtube.com/watch?v=3o8qtc-8Lvw>で強烈な印象を残した彼女は、ジャマイカのバイブスを感じさせる、攻撃的でカラフル、セクシーなスタイルを武器にする。キャリア初期からGiggsとの共演を果たし、JeremihにフィーチャーされたことでUSでの知名度も高まっている。

Abra Cadabra

ホームタウン:ロンドン・トッテナム


代表曲 “Blackbox Freestyle”、“Robbery (Remix)”
Krept、Konanとともに作り上げた、自身の楽曲“Robbery”のリミックスは、彼を注目株へ押し上げただけでなく、昨年のMOBO Awardsでの最優秀楽曲賞までもたらした。多くのアーティストとともに常に曲を制作し続け、シーンの注目を集め続ける。

Kojo Funds

ホームタウン:ロンドン・ニューハム

WARNING OUT NOW ON ALL PLATFORMS❗️⚠️

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代表曲 “Robbery”、“Dun Talkin”、“My 9ine”
Kojo Fundsは、アフロビートの影響のもとに、R&B、グライム、レゲエを行き来する自身のサウンドを「Afroswing」と呼ぶ。アップテンポなリズムを用いながらもその裏に過酷な環境から這い上がってきたことを感じさせる二面性を持っている。

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