音楽はドラッグやセックスと脳の同じ部位を刺激する

セックスをしたり、MDMAなどのレクリエーショナル・ドラッグを摂取したり、美味しい食べ物を食べた時に感じる喜びのシステムは、音楽を聴くことによって同じように刺激されることが、カナダのMcGill大学で行われた実験で明らかになった。

17人の被験者が大学で実験に参加。被験者は、モルヒネに似た化合物の薬物依存症を治療するためのナルトレキソンと呼ばれる薬を摂取し、脳内で喜びを生成するオピオイドシステムをブロックする。そのうえで音楽を聴いて脳内がどのように変化するかを検証した。

ある被験者は「お気に入りの曲だけど、いつも聴いているようには聞こえない」と答えた。他の者は「サウンドはよく聞こえるけど、何も感じない」とも解答。

実験を行った神経科学者は、オピオイドシステムが音楽を聴くという楽しみにダイレクトに関係していることを初めて結論づけた。

アルコール、セックス、ギャンブルなどの行為は薬物と同じように中毒的な行為になりうるが、この音楽と脳内のプロセスの関係を理解することで中毒を治療する手助けになると考えられる。

何年も音楽と神経学的な関係が研究されてきたが、その関係について分かっていることは少ない。McGill大学の研究者たちは、音楽が感情に強力に作用する力は人間が音楽を好むように進化してきた理由を暗示しているのではないかと考えている。

研究はScientific Reports Journalにて発表された。

RELATED

イギリスにおける音楽フェスの参加者のうち50%以上が何らかの薬物を服用していることが明らかに

先日のJuice WRLDの死によって、再び浮き彫りとなった音楽シーンにおける薬物の問題。もはや、アーティスト側のみならずリスナー側にとっても他人事ではなくなってきているが、今回衝撃の調査結果が発表された。なんとイギリスにて開催された音楽フェスの参加者のうち50%以上の人々が何らかの薬物を摂取しており、さらにその半数以上が通常よりも多くの量と種類を服用しているというのだ。

「ポケモンをやっている子供だけに脳の特殊な部位が発達する」との研究が発表される

これを読んでいる人の中にも子供の頃にポケモンで遊んでいた人、もしくは今も遊んでいる人は多いだろう。今回、スタンフォード大学から「ポケモンで遊んでいた人は脳の特殊な部位が発達する」という研究結果が発表された。

【コラム】なぜ日本では「容疑者」の作品は自主回収されてしまうのか

ことヒップホップやクラブミュージックはドラッグの描写と切っても切り離せないカルチャーであり、薬物の所持、使用で逮捕されるアーティストは数え切れないほど存在する。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。