SHERWOOD & PINCH新作『Man Vs. Sofa』に影響を与えた5枚のアルバム

UKベースミュージックシーンの新旧トップアーティストが組んだドリームタッグSHERWOOD & PINCHが2年ぶりにリリースされるニューアルバム『Man Vs. Sofa』で帰ってくる。今作にはレジェンドLee "Scratch" Perryや、Primal ScreamのMartin Duffyなど多彩なメンバーが参加。

空間芸術と称された前作のサウンドから、ダンスフロアからホームリスニング、サウンドシステムからヘッドフォンまで、あらゆる環境で、その極限まで高められたクオリティーにさらに進化をとげている。

そんなSHERWOOD & PINCHの新作『Man Vs. Sofa』に影響を与えた5枚のアルバムをチョイスしてもらった。

ADRIAN SHERWOODが選ぶ3枚

The Upsetters -『Blackboard Jungle Dub

lee Perry

このアルバム制作に、どのアルバムが影響したかというのを答えるのは難しいが、俺に影響を与えるのは、いつでも、音がスピーカーから飛び出してきているような音楽だ。だから、俺に影響を与えたアルバムから、今回のアルバムに技術を適応した。今回のアルバムは、とても活発で、リズム的にタイトな感じの箇所もあるが、それからかなり活発な印象になる。それを踏まえた上で、俺に影響を与えたアルバムとしてはLee Perryの『Blackboard Jungle Dub』。サウンドエフェクトがリズムより大きく聴こえる作品だ。

 

Mark Stewart and The Maffia - 『Learning To Cope With Cowardice』

Mark Stewart

また親愛なる友人のMark Stewartには常に多彩な影響を受けてきたので、彼と共同制作したアルバム『Learning To Cope With Cowardice』を挙げたい。1982年の作品だったと思う。このアルバムで目指していた方向性と、Lee Perryのスピリットや技術を応用して、今回のアルバム、『Man Vs. Sofa』に反映させた。

にせんねんもんだい - 『#N/A

にせんねんもんだい

残りはロブ(Pinch)に選んでもらいたいと思う。彼はリズムの構築方法に独特のスタイルがある。その影響は、どのトラックから来たのかは彼に聞いてみるべきだ。だが、俺から3枚目を挙げさせてもらう。最近、俺は新しい機材や技術を使っているが、ビンソンなどの古い機材も使っている。最近もランジュバンのような、ヴィンテージの機材を手に入れて、スタジオで改良を加えた。これらのエフェクトは、King Tubbyのアルバムによく使われていた。最近、俺は日本でにせんねんもんだいと一緒に音楽制作をした。彼女たちの新作に、このような古い技術やフルトーンのようなディレイなどを使ってみた。にせんねんもんだいのアルバムで使った技術は、今回のシャーウッド&ピンチのアルバムにも使われている。だからにせんねんもんだいのアルバムにも、アプローチの面で、俺は影響を受けているということだ。

PINCHが選ぶ2枚

Leftfield - 『Leftism

Leftfield

これは十代の時の自分にとってすごく大切なレコードだった。音楽が偉大な影響力を持っていた時代のね。Leftfieldは、この作品で深くて広がりのある彼が受けてきた影響、当時のダンス・ミュージック・シーンの様々な上手くまとめていているんだ。ハウス、テクノ、ブレイク、ジャングルはもちろん、ダブやヒップホップまで聞けて、それが無理なく1つに混ざり合っている。それは、俺たちが『Man Vs Sofa』でやりたかったことでもあるんだ。22年経った今でも、俺にとってはすごく今っぽく聴こえる。新作のLPに関して俺とエイドリアン(SHERWOOD)が話していたのも、時が経っても存在し続けるレコードをいかに作るかということだった。20年経っても新鮮に聴こえるレコード。大きな望みだとはわかっているけど、大志を抱くに超したことはないしね!

Rhythm & Sound - 『w/ The Artists

Rhythm & Sound

2枚目のチョイスは、アルバムというよりはコンピレーション。10インチとしてリリースされたシリーズのトラックが、厳選されてこの作品にまとまっているんだけど、"ベスト盤"みたいなものかな。本当に素晴らしいレコードで、ここ15年くらい、ずっと俺のお気に入りなんだ。Basic Channel系のものは全てファンだし、Mark ErnestusとMoritz Von Oswald(彼はRhythm & Soundsのプロジェクトも率いている)は、知識が豊富な魔法使い、もしくは他の次元や惑星からやってきた存在だと思うね。か、その両方かも!

彼らは、ダンス/レイヴ・カルチャーの中で最も素晴らしく、柔らかく、繊細、そして複雑でタイムレスな作品を作り上げた。俺がこの作品から受けた影響は本当に大きいんだ。このレコードには飾られていないヴォーカルがフィーチャーされていて、それが、巧妙に作られたリズムが作り出す開放的な瞑想感に見事にマッチしている。作品を飛ばし飛ばしで聴くと、全てが同じに聴こえると言う人もいるかもしれないけど、最初から最後まで通して聴くと、1つ1つのトラックが、ディープなサイケデリックの旅に誘ってくれる。『Man Vs Sofa』に、レジェンドのLee Perryをフィーチャーした"Life"というトラックが収録されているんだけど、あのトラックではボーカルでそれと同じ雰囲気出したかった。トラックになるだけスペースを残して、呼吸ができるようなムードを作りたかったんだ。

Info

Sherwood

SHERWOOD & PINCH - Man Vs. Sofa

[Tracklisting]
01. Roll Call
02. Itchy Face
03. Midnight Mindset
04. Lies
05. Unlearn
06. Man Vs. Sofa
07. Charger
08. Merry Christmas Mr Lawrence
09. Juggling Act
10. Retribution
11. Gun Law
12. Bullshit Detector *Bonus Track for Japan

予約
beatkart

amazon

Tower Records

HMV

iTunes Store

詳細はこちら

Live Info

Vice

 

VICE PLUS LAUNCH PARTY

日 時:
2017年2月8日(水)20時~27時(午前3時)予定

会 場:
SOUND MUSEUM VISION(渋谷)

料 金:
前売¥3,500
当日¥4,500
イープラス / iFLYER / clubberia

出 演:
SHERWOOD & PINCH [LIVE]
BIZ MARKIE [DJ & LIVE]
THE GRINDMOTHER [LIVE]
THE BLACKOUTS [DJ]
JOHN STANIER [DJ]
and more!

主 催:
VICE MEDIA JAPAN

イベントページ

RELATED

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。