ビヨンセがインタビュアーを務めたソランジュのインタビューが公開。「私以外に私自身のことをうまく伝えられる人っているの?」
昨年発表され全米1位を獲得したSolange(ソランジュ)の『A Seat At The Table』。このアルバムはルーツである地でのレコーディングが行われ、インタールードには両親が参加するなど非常にパーソナルで一人の黒人女性であることを意識した作品となっている。そしてそんなアルバムについてSolangeが姉であるBeyonce(ビヨンセ)をインタビュアーにしたインタビューがInterview Magazineに掲載。普段から仲の良い姉妹である2人がアルバム製作秘話や家族について語ったファン必見のインタビューとなっている。
Solangeは幼少期には最先端の音楽やファッションに夢中で、ドラムセットやレコードプレイヤーを持って部屋に閉じこもって曲を書いていたと言う。そこにはやはり母や姉といった家族からの影響が常にあった。
Beyonce:作詞からトラックプロデュース、PVの脚本、パフォーマンスのステージ、振付まで全てあなた自身で行ってるけどインスピレーションはどこから来るの?
Solange:色々よ。まずたくさん練習を重ねる必要があった。あなたみたいな大スターがいる家庭で育つのはちっとも苦ではなかった。覚えている限りだと母はいつも私たちに意見、身体、作品をコントロールするように教えてくれたし、彼女が手本となってそれを見せてくれたの。彼女はアイディアが浮かんだら他の人には絶対譲らなかった。
あとは人を動かすことにもずっと興味があったの。あなたが作品の中で同じことをしてるのを見てたしね。社会はそういうことを仕切りたがり屋、ヤバい女とかチームを信頼したり励ましたりする気がない人ってレッテルを貼る。全部嘘なのに。チームを活かすことなしでは成功なんてありえない。でも、これを言うのは全く怖くないんだけど本来の私や私の身体、私の声、私の視点を独特で明快なビジョンで表現していきたいって気持ちもある。それに私以外に私自身のことをうまく伝えられる人っているの?
『A Seat At The Table』は真実やそうでないことを解き明かしたいってところから始まった。製作途中で重くのしかかった事も色々あった。そしてその苦境に自ら立って闘ったからこそ私自身を成長させることができたし、ジュレスの母、妻、友人、あなたの妹としても成長できた。これが姉であるあなたにインタビューしてもらいたかった大きな理由。だってこのアルバムは私たち姉妹や家族、一族に語りかけるようなものだから。両親にアルバムに参加してもらったことは正しい選択だと思っていてこれが私たちのストーリーの章を閉じたの。私の友人のストーリーっていうのは、私たちが日々受けている些細な攻撃についていつもメールしていることでこの声もアルバムで聞くことができる。このアルバムのインスピレーションは私たちが共有している感情という「声」であって、その声と向き合って欲しい。私はじっくり向き合う時間ができてすごく嬉しいし、充実したものだった。
Beoynce:アルバムで両親がオープンに彼らの経験を語っているのを聞いた時には涙が流れた。あとMaster Pを起用したのはどうして?
Solange:パパに似てるところがあると思ったから。
Beyonce:私も(笑)
Solange:父と話していて、私にとても深く突き刺さったのはコミュニティーが人を選ぶという彼の実体験ね(父は南部の小学校と中学校が合併されたときの最初の生徒だった)差別や偏見と戦っていくだけでなく、そこから立ち向かって独立心を持って強く前進し、ルーツである土地からコミュニティー、近所や街角よりも大きなものをクリエイトできるという夢を持つのは本当にすごいプレッシャーだったと思う。Master Pについて呼んだり聞いたりして父の成長を思い出したのを覚えてる。あと父もMaster Pも愛情に溢れていて互いを尊敬できる人なのよ。それで黒人の地位向上や独立を目指す声、つまり築き上げたものを見失ってしまいそうになっても絶対に諦めなかった人とか黒人コミュニティーの地位向上や歴史のために力を注いできた人の声を作品に取り入れたかった。あなたも私も不可能なことがあっても、真っ先にそれを選ぶんじゃなくて、自分たちで築きあげるんだって教わって育ったよね。その一番のお手本っていうのが父なんだと思う。
女性アーティストとしての軌跡や楽曲解説など見逃せないインタビュー全文はこちらから。(Narumi)