止まらないストリートファッションの90年代リバイバル。次はアイスホッケージャージが人気再燃か?
現在ストリートファッションは90年代をキーワードに動いている。FNMNLでも企画がスタートしたアーティストTシャツも、その一例だが、その動きは早くアーティストTシャツブームが収まる前に、新しい流れが起こり始めたとアメリカのメディアFaderが伝えている。
新しい流れとはアイスホッケーのジャージのリバイバルだ。90年代のラッパーたちがミュージックビデオなどでアイスホッケージャージを、自身のファッションに取り込んでいるのは、ヒップホップ好きなら見たことがあるだろう。例えばこの2 Pacの有名な写真で、彼はNHLのチームデトロイト・レッドウィングスのジャージに身を包んでいる。
また若き日のSnoop Doggがピッツバーグ・ペンギンズのジャージを着た写真もある。
このように90年代のラッパーは自身のファッションにホッケージャージを取り込むのに成功した。Faderの記事によれば、90年代以前はホッケージャージは白人のものであり、またカナダ人のものだったが、ヒップホップが白人のものだったクラウトロックやテクノを自身の様式に取り込んだのと、同じ原理でホッケージャージも自分たちのファッションに落とし込まれたという。
そう考えると最近のアーティストTシャツブームにも同じことがいえるのではないだろうか。ラッパーたちが着ているアーティストTシャツの多くはNirvanaや、Metallica、Iron Madenなど白人のキッズたちに人気があったバンドが多い。それを自分たちの様式に取り込んだラッパーたちは実はとてもヒップホップの原則に沿った行動をしていると言えるだろう。
話がそれたが、ホッケージャージブームは一旦は収まり、最近ではあまりラッパーでも見かけなかったが、最近のビッグサイズブームなどの影響もあるのだろうか。
上の写真は2013年のNYファッションウィークでのJeremy ScottでのショーでのA$AP Rockyと2NE1のCLだ。この写真でRockyはシカゴ・ブラックホークスのジャージを着用。ラッパーのなかでもファッションに最も敏感なRockyだ。他の誰もがホッケージャージに目を向けていない段階ですでに新しいスタイルで披露している。
その後Rockyに続くものはあまりいなかったが、Drakeはカナダ出身ということもあり、ホッケージャージをよく身につけている。そして今年アトランタのラッパーFutureがそのDrakeとのSummer Sixteenツアーでたびたびホッケージャージを着てライブを行っていたのだ。
一貫してタイトなパンツに様々なチームのジャージを着こなすFutureの姿はインパクトが大きい。なぜFutureがこのツアーでホッケージャージをよく着用したのかについてはわかっていないが、カナダ出身のDrakeとのツアーだったからなのか、はたまたNHLのスポンサーがFutureとのコレクションをリリースしているReebokだからなのか、様々な憶測を呼んでいるが、ホッケージャージを古着屋などでみかけたらチェックしておいたほうがよさそうだ。