Kanye Westがどのように人の声を自分の作品に織り込んできたかを紹介する動画が登場
Kanye Westはこれまでに7枚のアルバムをリリースしてきた。そしてそのアルバムごとにKanyeが自らの声やサンプリングされた曲のボーカルを、まるで楽器のように、革新的な使い方をしてきたことを示す動画がYoutubeで公開された。
『Kanye deconstructed: The human voice as the ultimate instrument』というタイトルのこの動画を作成したのはメディアサイトVoxのEstelle Caswellとヒップホップ研究家のMartin Connor。
Martin Connorは動画の最初で、「Kanyeは常にベストで偉大な楽器は人間の声だと考えてきた」と語る。これまでのヒップホップがトラックとボーカルを分けて考えてきたのに大使、Kanyeはボーカルとトラックを一緒のものと考えてきたと説明する。
その例としてデビューアルバム『College Dropout』に収録されている"Jesus Walk"でサンプリングされたボーカルをベースラインやメロディーとして使用しているのがあげられる。
次作『Graduation』に収録の"Good Life"では逆にシンセサイザーのサウンドをオートチューン・ボーカルのように用いているのが指摘される。オートチューンが大胆に導入された『808s & Heartbreak』ではシンセのボーカルサウンドがドラムトラックの緩衝材という役割を果たしていると明かされる。
2010年にリリースされた『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』ではボーカルの使い方が複雑化している事と共に、Kanyeがボーカルをメロディーに対するノイズとして使っていることが示される。
そしてその後の『Yeezus』や『TLOP』では様々な人の声をまるでオーケストラのように、用いているのが指摘される。例えば"Ultralight Beam"での4歳の女の子とThe-Dreamの声の並置やその後のChance The Rapperの登場はまさに声で曲を構成してきたKanyeの集大成だ。
動画の最後ではKanyeが人間の声を武器として用いて、ヒップホップを新しい世界へ導いた唯一のアーティストだとナレーションは語る。『Kanye deconstructed: The human voice as the ultimate instrument』は下のプレイヤーで見ることができる。