横田大輔の個展『MATTER / 』がG/P galleryで開催
恵比寿と東雲にあるG/P galleryで写真家・横田大輔の個展『MATTER / 』が同時開催される。横田は2012年に発行した写真集『Back Yard』で写真がもつ記録性を否定するような、固有の場所や個人が特定できないハイコントラストでモノクロの作品を発表し、国内外で高く評価された。
つづく『site/cloud』(artbeat publishes、2013)では、撮影後のデジタルとアナログによる複写や、フィルムの高温現像などの操作を繰り返すことによって得られたノイズ、テクスチャーで写真の物質性を強調させる作風を確立。
以来、未撮影のフィルムを高温現像した 「Color Photographs」、東北のロードトリップと一人の女性を被写体を組み合わせた私写真「垂乳根」といった写真作品の発表にくわえ、ワックスや砂利で加工されたアーティストブックの制作や、さらにはその様 子をパフォーマンスとして発表するなど、これらの多岐にわたる活動が高く評価され、2016年には、Foam ポール・ハフ・アワードを受賞する。
横田は2014年より『漂流展II』(G/P+g3/galery、東京)、Unseen photo fair 特別展『anima on photo』(ア ムステルダム、 2014)、PHOTO LONDON(ロンドン、 2015)、JIMEI X ARLES 国際写真フェスティバル (アモイ、中国、2015)にて『Matter』と名づけた、通常の発表や作品集からもれたイメージを大量のロール紙に出力し、ワックスで固め、触覚性や物質的側面を強調した作品を発表してきた。
現在開催中の『あいちトリエンナーレ2016』にて展示している、10万枚のワックス加工された写真出力を積み上げた、巨大な インスタレイション『Matter / Vomit』も、中国の国際写真フェスティバルでの『Matter』発表後、廈門市の 空き地にを再設置し焼失させ、そのプロセスを4,000カットにおよぶ写真に記録したものから再制作されたものとなる。
G/P gallery 恵比寿では、《Matter / Vomit》とともに、廈門市で行われた焼却パフォーマンスの様子をビデオインスタレーションとして発表。
またG/P gallery 東雲では、同作品をさらに発展させた新作を展示する予定だ。肉体/物質性を獲得後、消失へと達した連作『Matter』は、写真史と美術史を交差する言説 が飛び交う現在において、今後写真というメディアが向かっていく方向性を思考する機会になるだろう。あわせて、9月下旬より廈門市での焼却のパフォーマンスをまとめた300ページにも及ぶ写真集「MATTER / BURN OUT」が、artbeat publishersより発行される。
<Event Info>
横田大輔「MATTER / 」
会期:2016年9月2日(金)-10月23日(日)月休 12:00-20:00
場所:G/P gallery 恵比寿 (〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿 1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F TEL: 03-6426-0624)
会期:2016年9月14日(水)-10月22日(土) 日月休 11:00-19:00
(10月2日(日)- 11日(火)は都合により休廊)
場所:G/P gallery 東雲 (〒135-0062 東京都江東区東雲 2-9-13 TOLOT 2F TEL: 03-6426-0624)
オープニングレセプション: 日時:2016年9月3日(土)18:00-20:00 場所:G/P gallery 恵比寿
<Book Info>
『MATTER / BURN OUT』
ISBN:978-4-902080-58-2
304頁、モノクロ/カラー、21×28.4 cm、ソフトカバー 発行:artbeat publishers 編集:後藤繁雄、デザイン:宇平剛史 初版1,000部、価格:6,000 + 税(発行は9月中旬を定