HyperJuice & Habanero Posseインタビュー - 日本のベースミュージックシーンの臨界点と彼らに必要な「アティテュード」

Gunhead - J-REXXXも反骨精神が結構あるんですよね。で、ここにいる2組とインタビューアーもそういうところがあるじゃないですか。何かしらにムカついてるっていう。(笑)

そういう意味では純粋な気持ちで作品を作れてるのか?とは自分で思いますけどね。今に見てろよって思ってしまうから。

BINGO - ただ単純に良いものを作ろうとすると普通にアートとかになっちゃうと思うんだけど、それだとダンスミュージックである意味がないんじゃないのかな。

確かにそうですね。いろいろある中で、ダンスミュージックやベースミュージックをやってるっていうのは、やる個人にとって何かしらの意味があるからなんでしょうね。

Gunhead - まあ体験してしまったからね。

体験ってなんですか?

Gunhead - 決定打はEAST AUDIO SOUND SYSTEMを体験してしまったからですね。それまではHIPHOPとかいろいろ聴いてたんですけど、ある時、EAST AUDIOのサウンドシステムでプレイする機会があったんです。けどうまくDJできなくて、音をうまく出せなかったんですよね。それからというもののEAST AUDIOのサウンドシステムが出る度に、手伝ったり、メンテナンスも見学しに行って。木を切り出すところから行ってますから。(笑) とにかくサウンドシステムの研究をしましたね。そういう経験があるから思い入れがある。

そこには社会がどうとか、反骨精神っていうものがない、純粋な経験と感情じゃないですか?そういう意味ではアートですよね。

Gunhead - 社会に対する反骨精神はないですね。人に対する反骨精神はありますけど。社会とかよくわかんない。「シンナー違法だから仕方ない」って思うくらいで。

シンナーやるんですか?

Gunhead - いやシンナーが好きなわけじゃないですよ。(笑)

ハラくんはどうなの?

Hara - さっき言ったミクスチャーな部分じゃないですけど、ベースミュージックって人と歴史と場所とそこで起きたことがジャンルになったりしてるわけじゃないですか。ガラージも、ハウスとかドラムンベースとから成り立ってたり、MCが入ったりと、歴史や人間の文脈があるのがいいなと思いますね。

Fazerock - HyperJuiceは最初からそういうつもりでやったんで。

Hara - 初めて作った曲はテクノなんですけどUKっぽいベースも入ってたり、グライムっぽいものが入ってたりする、いろんなものが入ったオリジナルサウンドみたいなものを追い求めてますね。

日本に住んでるし、日本人だし、ロンドンとか行ったこと無いし、想像上の情報で、ここで作ってるっていうのが大きいと思います。

だから、いろんなことをチャレンジしてみたいですね。けどあくまでもダンスミュージックのフォーマットで、クラブシーンとライブシーンの間を行ったり来たりしながら。

Gunhead - 将来的にはもう少し色んな人と一緒に仕事をしてプロデューサー的に動きたいですね。ゆくゆくは後進を育てながら、大学の先生になりたいですね。納期に追われたくない。(笑)

Fazerock - ぼくはHyperJuiceが一番いい時に辞めたいですね。辞めてからは裏方でサポートとかできたらと思いますね。

Hara - 辞める時はHyperJuiceっぽい辞め方で終われればなと思いますね。

BINGO - ぼくはずっとDJしてたいですね。一歩先の音楽を聴いてたり、紹介してたいな。

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Gunhead - 田舎って本当にやる事ないじゃないですか。30後半になると離婚して独り身になるんですよ。けど遊び方も知らないし、遊びもないから、みんなクスリとかやっちゃうんですよね。

いきなりハードすぎませんか?

Gunhead - 20年ぶりに中学校の同級生に会ったんです。そしたらみんなそういう道を通ってて。親族の目が厳しい中、実家にいないといけなくて、そして気付いたらそういう道に…。

一番ひどいやつなんて、友達が「Aが毎月手紙送ってくれるんだよ」って言ってて。何が書いてあったかって言うと「最近Aは漢字を書けるようになったんだって」って。そういう状況はあるみたいだね。地方が抱えてる闇というか。

これ何の話ですか…?キツイ話ですね。

Gunhead - そういう現実からなかなか抜け出せないっていうのはあるんでしょうけど、そうなるならないは自分次第ですから。

自分が生き残る事すら難しい世の中ですからね。

Gunhead - だから「まずオレががんばんないと」ってならないとね。そういうやつがたくさん集まったら、それが後からシーンになると思うんで。自分優先でやってる人はけっこう信用できますね。シーンのため、と言うより。

とは言っても外に出ていくと心折れそうになるんですよ。その時に「自分は自分のためにがんばってるんだ」って思うと頑張れますよね。

Hara - それが今回の「アティテュード」っていうテーマにつながるんですよね。

一同 - おお〜。なるほど。

あれ?インタビュー相手にまとめてもらっちゃったって形になってしまってませんか? (笑)

一同 - (笑)

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<Event Information>

タイトル:HYPE ME vol.1

日時:2016年9月25日(日)17:00OPEN/18:00START

会場:CIRCUS TOKYO(http://circus­tokyo.jp/

チケット:8月19日(金)発売前売¥2.500 (1D別)枚数限定Tシャツ付きチケット¥4.500(1D別)当日¥3.000(1D別)

プレイガイド:LAWSON(L:70705)/Peatix

出演者:HyperJuice (Live Set)、Habanero Posse...andmore!

企画・運営:KSR Corp.

HyperJuice

http://hyperjuice.tokyo/fiyahhhh/

 

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