9th Wonderがグラミー賞の追悼コーナーにXXXTentacionが登場しなかったことについて「全員に追悼される権利がある」と語る
昨日開催されたグラミー賞の授賞式。グラミー賞ではその年に亡くなったアーティストの追悼が行われることが恒例となっている。Aretha FranklinやMac Miller、Aviciiなどのアーティストが追悼されたが、そこに昨年銃殺されたXXXTentacionが登場しなかったことが問題視されている。
XXXTentacionは生前元恋人にDVを働いていた疑惑が浮上しており、今回彼が登場しなかったのはそれらの事情に配慮した結果だと見込まれている。しかし、プロデューサーの9th Wonderはその判断について異論を唱えている。TMZの取材に対し、9th Wonderは「誰しも記憶される権利を持っている。そのアーティストがゲームに大きな功績をもたらしカルチャーを変えたのならば、彼は覚えられているべきだ。キッズにも影響を与えているしね。俺の息子もXXXTentacionのファンだ。グラミーはそれに最適な場だったと思う」と、他のアーティストと平等にXXXTentacionにも追悼の場が設けられるべきだったとコメントしている。
今回のグラミー賞は例年女性の受賞者が少ないという批判を受けて、多様性やポリティカリーコレクトネスを考慮して行われることが事前にアナウンスされていた。生前女性に対する暴力を振るったXXXTentacionを追悼することは今回のグラミーの理念に反するという判断だろうが、それでも彼の音楽がシーンにもたらした影響力の大きさを鑑みると「一切の追悼を行わない」という措置を不自然と受け止めるファンがいることも仕方がないと言える。
XXXTentacionを始め、トランプ支持を打ち出し「奴隷制は選択だった」との発言を行ったKanye Westや性的暴行を告発されているR. Kellyなど、昨年はアーティストの作品と人間性について考えなければならないケースが頻発した。今回のXXXTentacionの追悼に関する一件をきっかけに、さらなる議論が音楽シーンの内外に波及していきそうな気配だ。