Kendrick LamarがRihannaを迎えた"LOYALTY." | 制作の裏側をプロデューサーが明かす
Kendrick Lamarの最新作『DAMN.』が先日リリースされた。『DAMN.』は終始、内省的なトラックが続き、前作とは違った趣のアルバムになっていて、もしリード曲を挙げるとしたら、先行でリリースされたシングル"HUMBLE."とRihannaを迎えた"LOYALTY."で間違いないだろう。
その"LOYALTY."のプロデュースを務めたのが西海岸のプロデューサー/ジャズミュージシャンであるTerrace Martinだ。『good kid,m.A.A.d city』『To Pimp A Butterfly』にも参加しているMartinは、『DAMN.』でも例に漏れずプロデュース面でその腕をふるう。
そんなKendrickのコラボレーターでもあるMartinがThe Faderのインタビューに登場。異色のコラボ作となった"LOYALTY."いかにして生まれたのか、製作の裏側を語っている。
“LOYALTY."はBruno Marsの"24K Magic"をサンプリングしているが、元々9th WonderがMartinに送った製作途中のトラックを元にしている。Martinは送られたトラックのキーを変え、ハーモニーを加えたという。そのトラックについて「手は尽くした。サンプルとサウンドが似ているけど、違ったエッジが生まれた」と評する。
Kendrickは以前から新作アルバムにRihannaを起用したいと考えていたという。一通りトラックが出来上がった後、MartinはSounwaveとDJ Dahiとスタジオに入る。ドラムをくわえてる時、MartinはKendrickの言葉通りに「この曲にRihannaを入れたい」と閃いたという。"LOYALTY."は製作期間は短かったものの、Martinの頭の中の片隅には常に出来上がりの形が見えており、それにより今回のコラボが実現することになった。
Martinは仲間達との信頼関係の重要性をも説いている。Martinは"LOYALTY."が完成した時の様子を「仲間とスタートから完成まで迎えられてとても嬉しかった」と語っている。さらに、「音楽は独りでやるものでも、利己的なものでも無いと思ってる。だから、違った方向性や新しいアイデアを与えてくれるSounwaveとDahiは歓迎する」と語った。自身がヒットメーカーであり続けるには、こうしたライバルでもある仲間との相互作用が不可欠ということをMartinは”LOYALTY."で証明した。
最後にMartinは、"LOYALTY."の聞き方を指南する。「一番は友達と暇な時に、目を閉じて聞くことだ。すると、みんなゾーンに入れる」と語り「今までやってきたこととは違い、俺たちはルーツに戻ろうと挑戦した」と説明した。そして、「最初の地点に戻ろう。そして、新たな道を見つけよう」とインタビューを締めくくっている。(野口耕一)