ウェス・アンダーソン監督の手がける必見H&MホリデーCM『Come Togheter』
ホリデーシーズンに突入し、各ブランドからは限定アイテムやキャンペーンなどが開催している中、ファストファッションブランドH&Mは新たなCMを公開した。全体で3分52秒あるそれは、映画『グランド・ブタペスト・ホテル』を見た人には、すでにサムネイルからしてウェス・アンダーソン監督が手がけたものであることが何となく予想できる。
ウェス・アンダーソン監督は、非常に映像センスに長けている。それだけでなく、脚本や製作なども手がける彼は、2013年に自身の監督・脚本作品『ムーンライズ・キングダム』がインディペンデント・スピリット賞にノミネート。
翌年に公開した『グランド・ブタペスト・ホテル』はアカデミー作品賞、脚本賞、監督賞にノミネートされた程の実力の持ち主だ。
彼の作品に共通するのは、ユニークでハートウォーミングなストーリー。
そして登場人物の追い方が独特で、横にスライドしていくようなカメラワーク、なにより映像全体の色彩や美術がくまなく統一された世界観を持っている。
そんな彼が手がけたH&Mの新CMの舞台は特急電車。まるで彼自身が監督として手がけた『ダージリン急行』を彷彿させるようなものだ。日にちは12月25日。「H&M ウィンターエクスプレス号」の車掌のラルフは、夜間の悪天候と度重なる機械的トラブルによって、電車の到着が遅れる事を乗客に告げる。
乗客たちは各々、今から会いに行く人たちのためのクリスマスのプレゼントを持っているが、彼らがクリスマスに間に合うことは不可能となってしまった。そこで、ラルフはささやかながらお詫びとしてクリスマスブランチを提供する事にする。
そして乗客がブランチの時間となり食堂に向かうと、そこには部下のフリッツとともにラルフが飾り付けたツリーをはじめとした、美しいクリスマスの空間が広がっていたのだ。
見ているだけで思わず幸せになってしまうような映像は日本語字幕付きであり、ホリデーにぴったりの雰囲気。もちろん彼らが着ている服がH&Mのものである事は言うまでもないだろう。
雑誌「エルガール」のオフィシャルキュレーターを務めながら、フリーライター兼モデルとして活動中。映画を中心に、ファッション、カルチャー全般の執筆を行っている。
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