【メールインタビュー】Coop MC | 奇跡の来日を果たすテキサスのベテランラッパー

テキサス・フォートワースを拠点にするラッパーのCoop MCが9/29(金)と9/30(土)に郡山と横浜で奇跡の来日公演を果たす。1995年にリリースしたアルバム『HOME OF THE KILLERS』で世の中のG-RAPフリークを熱狂させたCoop MC。その後もG-RAPマナーに則ったメロウなトラックでタイトな作品を残しつつ約30年にわたり活動を続けてきたベテランの来日公演を前に、日本語での初のメールインタビューをお届けする。

質問作成 : アボかど

- 恐らく日本のメディアでは初のインタビューだと思います。どこかのメディアで既にお答えしている内容と被ることもあるかもしれませんが、まずは基本的なことから聞かせてください。あなたのヒップホップ原体験は何でしたか?

Coop MC - Def Jamのコンサートに行った時、衝撃を受けたのを今でも覚えてるよ。

- ラップやプロデュースを始める前に、何らかの音楽活動の経験や、音楽教育を受けていた経験はありますか?

Coop MC - ハイスクールの頃バンドをやってて、音楽はそこで習得したね。父親からもハーモニーやハートの感じ方の影響を受けたね。

- ラップとプロデュースはどちらを先に始めましたか?

Coop MC - 最初はフッドの仲間7人くらいでDJを始めたんだ。仲間内で機材シェアしてパーティ開いたりしたのが始まりだね。

- あなたのサウンドはかなりメロウでソウルフルですよね。研究した音楽は何かありますか?

Coop MC - 俺自身いつでもレイドバックしていたいっていうのと、Ernie Gの音楽が完璧にフィットした感じだね。

- 曲によってはピアノソロが入っていたり、キーボードなど楽器の音もふんだんに使っている印象です。あれはサンプリングかスタジオミュージシャンによるものですか? Instagramでも部屋にキーボードがあるのを見ましたが、作品の中であなたが弾いている楽器はありますか?

Coop MC - あれはErnie Gが使ってる機材だね。

- あなたのラップはクールで適度にリラックスしたスタイルで、サウンドとの相乗効果が素晴らしいと思います。ラップ面でインスパイアされたラッパーはいますか?

Coop MC - 90年代、80年代のすべてのラッパーから刺激を受けたね。スムースなジャズやParliamentからも影響を受けたよ。

- Coop MCの音楽性を形作ったアルバムを何枚か教えてください。

Coop MC - R. Kellyの『Double Up』だね。

- あなたが音楽制作において大切にしていることはなんですか?

Coop MC - ビートをじっくり聞いて、ディープに感じる事かな。

- あなたがキャリアをスタートしたばかりの頃、地元のヒップホップシーンはどんな状況でしたか?

 Coop MC - 最初はただただ楽しみたかった。ICE-TやRakim、LL Cool Jみたいになりたいってね(笑)

- あなたの曲はDJ Screwのミックスにも収録されていますよね。何か印象に残っているDJ Screwのエピソードを教えてください。

Coop MC - DJ Screwの冥福を祈るよ。彼はクールな男だった。彼とはたまたま同じショウの日があって、SCREWのDJ中に彼が俺をブースに入れてマイクを持たせたんだ。それからScrewが俺の音楽を使うようになったんだ。

- 『Home of the Killers』は日本で熱烈なファンがいる作品です。あの作品はあなたにとっての初のアルバムかと思うのですが(違ったら申し訳ないです)、どんな心境で制作に臨みましたか?

Coop MC - フッドでは色々な事があって、それをラップしてたりして、、それが集まってあのアルバムになったんだ。コンセプトというか曲を作っていった先にあのアルバムがあったんだ。俺の町は色々な意味で面白いからそれを世界に広げたいね。

- あなたの作品はどれも素晴らしいですが、これまでにリリースした作品で特に気に入っている作品はどれですか?

Coop MC - 『Phetamine the Shining』が一番きにいってるよ。

- 最近リリースしたシングル"Delilah"も素晴らしかったです。あれは何らかのプロジェクトに入る予定なのでしょうか?

Coop MC - 今のところ予定はないね。

- あなたが初期作品をリリースした時代と現代ではずいぶんヒップホップの主流のサウンドも変わりましたが、"Delilah"は初期の作品との繋がりが感じられるとてもあなたらしいサウンドだったと思います。あの曲を作るにあたって意識したことや、参考にした曲などは何かありますか?

Coop MC - 曲を書く時は女について良くも悪くも書くことが多いね。一番得意分野なんだよな(笑)そういうトピックにフィットするプロダクションの好みが変わらないんだと思う。

- ここ何年かで作品をリイシューしたり、ニューシングルを出したりと活発ですよね。何かきっかけがあったのでしょうか?

Coop MC - 音楽は永遠ってことかな。いつ機会が訪れるかわからないし、過去の作品でまだ未発表曲も沢山あるよ。今度のショウでも販売するけど『HILL TOP HUSTLERS』というアルバムをリリースできる状態にしてある。

- 以前あなたと一緒に曲を作っていた1 Gud CideのTwisted Blackが出所しましたが、出所してからお会いしましたか? 個人的にはまた一緒に曲を作ってくれたらとても嬉しいです。

Coop MC - 勿論連絡取ってるけど、タイミングがなくていつ会うか予定を合わせてるところだね。

- 一緒に曲を作ってみたいラッパーやプロデューサーはいますか?

Coop MC - 特にいないんだけど、、Ari Lennoxとかかな。

- 最近のラッパーでお気に入りのラッパーはいますか?

Coop MC - 結構沢山いるんだけど、NBA YoungBoy、King Von、YAY YOとか好きだね。

- あなたにとってのベストラッパーは誰ですか? 5人挙げていただきたいです。

Coop MC - 5人以上になってしまうけど、Juvenile、Biggie、2Pac、J. Cole、Nas、Jay-Z、50 Centかな。

- リリースなど、今後の活動予定を教えてください。

Coop MC - 暫くはシングルを継続的にリリースする予定だよ。

- 今回の来日で楽しみなことはありますか?

Coop MC - 色んな場所を見に行ってもっと日本の事を知りたいね。

Info

COOP MC 「HILLTOP HUSTLAS」(II TIGHT LLC

  / PMR-257)

3000円+税

01 Cadillac Pimpin

02 In My Life

03 In the Park n Lot

04 Sweat the Perm

05 Money on Minds

06 U need a friend

07 The Way she Dance

08 Dangerous Remix

- COOP MC JAPAN TOUR -

1995年にリリースされたアルバム「HOME OF THE KILLERS」で世の中のG-RAPフリーク(a.k.a. OYA-Gz) を熱狂させた、テキサスはフォートワースのラッパー「COOP MC」が、2TIGHT MUSIC招聘により奇跡の来日。

来日に合わせて、未発表音源集「Hilltop Hustlas」も販売予定。ジャケットアートワーク / デザインはDa Mask Baby for Marveric Design(Piranha Soldierz)による描き下ろし。

その他にも限定アイテムも販売予定。

9月29日郡山、30日横浜の2公演のみの貴重なライブは見逃し厳禁!テキサスのソウルに裏打ちされた名曲の数々に、全国のG好きはソファでむせび泣け!

RELATED

【インタビュー】maya ongaku 『Electronic Phantoms』| 亡霊 / AI / シンクロニシティ

GURUGURU BRAIN/BAYON PRODUCTIONから共同リリースされたデビュー・アルバム『Approach to Anima』が幅広いリスナーの評価を受け、ヨーロッパ・ツアーを含む積極的なライブ活動で数多くの観客を魅了してきたバンド、maya ongaku

【インタビュー】Minchanbaby | 活動終了について

Minchanbabyがラッパー活動を終了した。突如SNSで発表されたその情報は驚きをもって迎えられたが、それもそのはず、近年も彼は精力的にリリースを続けていたからだ。詳細も分からないまま活動終了となってから数か月が経ったある日、突然「誰か最後に活動を振り返ってインタビューしてくれるライターさんや...

【インタビュー】Tete 『茈』| 紫の道の上で

長崎出身で現在は家族と共に沖縄で生活するTeteは、今年3枚の作品を連続でリリースした。

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。