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『あいちトリエンナーレ』への補助金の不交付の決定に対し文化庁へ撤回を求める署名がスタート
愛知県で開催中の国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』に対し、文化庁が既に採択されていた補助金7800万円全額を交付しないと決定したニュースが大きな話題となっている。
『あいちトリエンナーレ2019』を巡っては、展示の一部である『表現の不自由展・その後』が、韓国人慰安婦像などを展示したことによって、多くの抗議を受け開催から3日で中止に追い込まれるというトラブルもあったばかり。文化庁は会場の安全確保や円滑な運営をするために重要な内容があったのに、申告なく進めたことを補助金不交付の理由としているが、過去にこの理由で補助金の交付中止になった例はないということで異例の事態といえる。文化庁側は展示の内容は問題ないとしているが、『表現の不自由展・その後』が中止になった際には菅官房長官は補助金について「精査したい」ともコメントしており、今回の中止については様々な憶測を呼んでいる。
この突然の決定に対し、『あいちトリエンナーレ2019』に出品していたアーティストなどからも撤回を求める声が多くあがっていて、署名サイトChange.orgでは不交付の決定撤回を求める署名が昨日からスタート。すでに撤回を求める5万5000筆以上の署名が集まっている。
今回の決定は『あいちトリエンナーレ2019』だけの問題ではなく、今後文化庁や国の助成を受けるアーティストの表現の自主規制を招くことのみならず、文化の多様性を守ること自体や、大学の研究費の申請など様々な領域に影響が懸念される問題であり、今後の展開をぜひ注視してほしい。