スパイラルガーデンにて石塚元太良の展覧会『panorama』が開催
2017/4/11(火)~16(日)まで、東京・南青山にあるスパイラルガーデンにて、その独自の世界観が国内外で高く評価されている写真家、石塚元太良の展覧会「panorama(パノラマ)」が開催される。
石塚元太良は、1977年東京生まれの写真家。8×10などの大型フィルムカメラを用いながら、ドキュメンタリーとアートの間を横断するように、時事的なテーマに対して独自のイメージを提起している。
荒野をひた走る石油や天然ガスの輸送手段であるパイプラインの姿を収めた「PIPELINE」シリーズをはじめ、19世紀にアラスカで興ったゴールドラッシュの遺物を巡る「GOLD RUSH ALASKA」、東京を流れる川にカヤックを浮かべ、川から東京の眺望を撮影した「INNNER PASSAGE」など、独自の視点で切り取ったランドスケープを撮影している。
本展では、 石塚がアラスカで撮影した全長約6mの未発表のパノラマ作品「Shoup Glacier」「Surprise Glacier」を中心に展示。吹き抜けの空間であるアトリウムには、約15mのパノラマ写真を円筒状に仕立て、鑑賞者が中に入りその眺望を楽しむことができる作品も設置される。また、2Fへと続く回廊には「PIPELINE」シリーズを展示し、 移動しながらパイプラインを追うようなランドスケープを鑑賞することもできる。
展覧会タイトルの「panorama」は、写真が発明される以前の19世紀ヨーロッパで流行した、精緻な風景画を展示し人々に仮想現実を楽しませた「パノラマ館」から着想を得たもの。現代の最新技術による精彩な写真を通し、当時の人々が抱いたであろう「ここではないどこか」に対する憧憬と、我々が生きるこの世界への根源的で無垢な問いを再提示する。
「写真が発明される以前の19世紀初頭、欧州で人気を博していたパノラマ絵画のエンターテインメント。そこでは海辺や高原などの風光明媚なモチーフが精密な風景画として描かれ、人々をつかの間「ここではないどこか」へと誘った。
一般的には未開の地といえるアラスカの北極圏や、海に浮かぶ氷河の巨大な壁を、現在の細密なデジタル画像による「架空」のパノラマ写真に展開してみる。
そんな空間で、 我々は写真を未だ知らなかった人々の、 無垢な想像力を夢想することが可能だろうか──。」石塚元太良
INFO:
タイトル:Gentaro Ishizuka Exhibition 「panorama」(石塚元太良|パノラマ)
会期:2017年4月11日(火)―16日(日)
時間;11:00―20:00 *会期中無休
会場:スパイラルガーデン、 MINA-TO(スパイラル1F)
〒107-0062東京都港区南青山5-6-23
東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」駅
入場:無料
お問い合わせ先:TEL.03-3498-1171(スパイラル代表)