渋谷のクラブ3会場、アーティスト約40組で迎える7年目のハロウィンパーティ。オーガナイザー/装飾チーム 「YA3i」インタビュー
ハロウィンがこれだけ流行ってるからライバルのイベントとか無い?
cos. - 出演者が似ているイベントがたくさん前後にあって、心配になってたこともあるけど…それはもう仕方ないんだって割り切るようになったよね。
Ami - そこで、違いを見付けていかなくちゃいけないって話になって。「YA3i」らしさとは?という話になったのよね。
おお~。
Ami - ラインナップだけじゃない、と。日常的にクラブ行く人ってさ、やっぱりいつも同じ人が出てるイベントばっかりになってくるじゃん。仲もいいし、一定のファンもついてるし。じゃあYA3iはどうするのって考えた時に、YA3iって3人いるからごちゃまぜ感が大事というか、YA3iの3人だからこそ、このラインナップでお届けできる!みたいなことをもっと意識するようになったよね。
今年は会場も3つに増えたから、バンドとかも取り入れてジャンルの違う人たちをクロスさせてみるフェスみたいな感じで、目当て以外の他のアーティストを見てもらうっていう発見をしてもらえればいいなって。最近はこういうことを意識してるかな。
cos. - あみぱいと私が仲良くなったきっかけはイギリスのインディー・ロック話だったし、YA3iってバンド系の音楽もファッションも装飾も好きって、女の子特有じゃないけど、欲張り。あれもしたい、これもしたい、っていうのでいっぱい。だから、ここ数年は会場を渋谷に移したのもあって音楽がクラブやベースミュージックにちょっと偏っていた部分もあったんだけど、もっともともとのYA3iに戻って、ダンスミュージックと合わせながら色んな人に出てもらいたいねっていうのを考えるようになったね。
Ami - 今年のラインナップの中に、他のクラブのラインナップとかぶるアーティストがたくさんいるのは分かってるんだけど、タイムテーブルとか会場の分け方とか並びとかをすごく入念に考えてたよね。同じイベントには出てるけど、前後でプレイすることあまりないだろうなってアーティスト同士をYA3iなら繋げられることもできるって感じで。
Ichika - あと今回のパーティーはコサインが重要な役割を担ってて、現場にも一番足を運んで積極的に色んなアーティストを見たり直接話したり、アーティストとの連絡やプレス関係とか主となってやってくれてる。だから今年のラインナップは今までのYA3iとはまた少し違った楽しさがあるはず。
cos. - 今までは人見知り炸裂して「あんまり仲良くないから、あの人とは話できない…」みたいな感じで、あみぱいといちかに任せてたの、だから他のことをがんばるねって。でもそれに対して後ろめたい気持ちもずっとあって。だから今、一生懸命楽しみながらつぐないしてるよ(笑)
その毎年ハロウィンパーティーを、しかもどんどん大きな規模でやるっていう「謎のやる気」はどこから来るんですか?
Ami - どのパーティーも面白いし楽しいんだけど、私たちが欲してる理想のパーティーは少ないよね。
cos. - 常に、これがあったらいいな、もっとあれが見たいなとか思っちゃうからね。
Ichika - こうなったらいいな、とかね。
Ami - それを私たちがやって、体現したい!って考えてるかな。私は、イギリスのBestivalっていう夏に開催されるフェスが大好きなんだけど。毎年テーマが違って、それが発表されるのをみんな楽しみにして待ってるの。テーマに合わせてみんな仮装して、フェス全体がそのテーマの雰囲気になっていくの。
フェスって世界中にたくさんあるけど、そういうフェスって日本にはあまりないと思うんだよね。フェスって音楽に特化してるものだし。
cos. - Bestivalって、大きいフェスなんだけど、仮装に加えてサイトから装飾までDIY感があって、他の音楽フェスとは違う感じでいいよね。
他に参考にしたイベントは?
Ami - PortaLさんたち主催の、LOUNGE NEOとGladでやってたSoundgramかな。同じビルの中でやってて空間の使い方に衝撃を受けて。空間が繋がってて、同じイベントができるんだ!PortaLさんに相談をしたり、Soundgramに出演していた人に声かけたり。
cos. - イベントに行って、「あれいいね!」っていうのがあればすぐアイディアを共有したりっていうのをYA3iで日頃からやってるね。
モチベーションは?
cos. - 一人ひとりがそれぞれのアイディアを持ってて、3人で集ってアップデートし合って、いいのがあったら、テンションがガーッて上がってイベントでこれしゃーーー!みたいな。気分になる。
今のところ文字起こし難しいなぁ。
Ichika - 私も思った。聞き取れない。
Ami - 何のこと話してんだろうと思った(笑)
cos. - 3人集まると、謎の高まりがあるんだよ。それがイベントやってる上ですごく楽しくてね。3人のアイディアが合致すると高まりがピークになる。
けんかとかは?
Ami - 言い合いとかはないね。
Ichika - お互い気になることを言わなくて険悪になることはあるけどね(笑)
cos. - 3人それぞれの欠点を補い合う感じに落ち着いたよね今は。そういうの、なるべく向き合って行きたいなってなって。最近相談する場面が増えたね。
Ichika - 今年結構と殺伐としたからね…。
cos. - 忙しくてね…。
Ichika - 規模が大きくなった上に、3人ともフルタイムで働いてるから。余裕無いときが基本だよね。相手の事を尊重してきたけど、今年は「こっち今忙しいから!」みたいになっちゃった。だから欠点が出ちゃうのを、見逃せないというか、言うようにして、このタイミングで直そう、みたいな。そういう会話が初めて生まれた。今まではそういう事があってもノータッチで次行ってたりしたこともあった、そこに触れて火傷したくないし。今年はそれを無視しちゃダメだってなった。
cos. - 繰り返えされちゃうからね。同じことが。
Ichika - 言ったほうが早い。文化系が体育会系になりつつある感じ。
人間成長の場なんだね…。
Ichika - これ以上言うと良くないっていうことも学んだ。
Ami - 恋愛関係みたいな感じだよね。
Ichika - ラブラブで3人で盛り上がる瞬間もあるし、LINEしても既読スルー、みたいな。
Ami - うちら嫌い合うことは絶対にない。絶対味方だからみたいな。
cos. - そんな真剣に話し合いしてる中で、「ごめんなさい」って送ろうとして「ごめん歳」ってタイポしちゃった時は本当に泣きたかった。
今年のハロウィンパーティーのテーマ、「タイムマシン」はどうやって決めたの?
Ichika - 私たちのハロウィンが今年で7周年だから、縁起もいい7っていう数字にフォーカスして。だからなんとなく7を「777」にしたところからスタートした。
cos. - 3会場使うってことと、エレベーターを使わないと移動できないってところから、エレベーター=時空を超えるマシンっていう設定になって…。だから、3会場のテーマは自然と現在、過去、未来に分けるのがいいねってなったね。
Ichika - そのアイディアをいい感じで表現するのに「タイムマシン」ってタイトルに決まったんだけど、それだけだとなんか味気ないと思って。だから最初の打ち合わせで出てきた「777」を付けて略してみたら、車の型番みたいになって。TM777っていう車っぽく。
いつから次のイベントを考え出すの?
cos. - 翌朝。
Ami - 次の日、っていうかハロウィンのイベントが終わってからその日の反省会から。
Ichika - パーティー終わった数時間後からだね。やりたくないって言いながら、来年どうしようかって考えてる。
Ichika - 今まで殺伐とした感じなかったけど、ここ数年は規模が大きくなりすぎて、それぞれ意見があるから意見の違いとかでストレスたまったり、睡眠不足とか、仕事に支障にきたしたり、とか。 なんでこんなこと真剣にやってんだろ!?みたいな。絶対もう来年はやめよう!って毎年何回も思ったりするときもある。けど、当日クソ楽しいからね。
cos. - 出演アーティストやお客さんから感想とか聞いて、YA3iへの愛を感じると、本当にYA3iやっててよかったー!!!って思う。アーティスト・プロフィールをYA3iのイベント用に合わせて作ってくれたり、出演者が「楽しみにしてます!」ってメールやコメントくれるだけで、もう…。
Ichika - 泣けてきちゃう。
Ami - それがあるからやれるね。
cos. - 原動力だね。
YA3iのパーティはいわゆる「音楽産業」やシーンとは距離があるからいいのかなって思ったりもするんだけど。
Ichika - うちらは呼ぶアーティストの一ファンでしかなくて。ファン目線で「大好きだから出てください!」っていうことでしかない。お客さんが来るからこのアーティストを呼ぼうっていうのは考えたことないかな。愛あるパーティーだよね。自分で言うのも何だけど。
Ami - 愛を意識するようにしてるね、パーティーの中で。出演してくれるアーティストへの誠意をなるべくきちんと表現して接していたいなということを常に考えていて。
Ichika - どれだけ仲が良いアーティストでも、オファーのメールを送るときは敬語を使ったりとかを忘れないように気をつけたり。
cos. - 出演者に限らず人とやりとりする時は、時間をきちんと割いて丁寧にと心がけているね。少しでもマイナスな感情を生みませんようにって慎重に。円満ないい関係を築きたい。
Ichika - 実際にちゃんと会って話したりとかもね。
Ami - アーティスト自身にも全力に楽しんでもらいたいってみんな願ってやってるね。
cos. - ほぼYA3iみたいなYA3i常連クルーもいるし今年に限らずではあるんだけど、特に今年はアーティストやVJの方から「イベントに向けてこういう演出してみたいんだけどどう?」って提案や相談を受けることが多くて、すごく嬉しかったな。
Ami - あと、一年に一回ハロウィンパーティーを成功させるために動いている機械、みたいになってるとこあるよね(笑)
Ichika - 時期が来たらやる年間行事だよ。
cos. - そして、やるからにはちゃんとやらなきゃいけないって思ってる。
YA3iとしての野望は?
Ami - 野望としては、Bestivalが日本に来たら、一番にオファーを受けたいな! デコレーションとコンセプトに凝ったパーティーといえばYA3iってね。
cos. - 自分たちがいいなと思って信じてることを実現させて、それが誰かに共感してもらえたら嬉しいって、結構単純な欲求なのかも。
Ichika - 承認欲求なのかな。楽しみにしてくれる人がいるからね。
ほんとシンプルだよね。
Ichika - 登山家が山に登る理由を「そこに山があるから」って答えるのと同じで、なんでパーティーやるんですか?って聞かれたら「10月にハロウィンがあるから」って(笑)
Ami - そもそもハロウィンの日にイベントをすれば、みんなコンセプトに沿って仮装して来てくれるかなって思ったんだよね。ドレスアップしたパーティーがみんなでしたかったの。そういうの、普段なかなかみんな乗ってくれないじゃん? だからハロウィンを理由にして、っていうのが魂胆。
どうしてそうしてもらおうって思うの?
Ichika - 私たちが好きだから。
Ami - 空間がそうなったら、すごいじゃん。
cos. - ドレスコードがあったり、イベントに何かテーマやストーリーが設定されているとテンションが上がっちゃう。ただ単に、YA3iのみんなと「明日パーティー行くけど、どんな格好していく?」って考えるだけでも楽しいし。パーティーにいる間だけがパーティーじゃないみたいな、すべての工程を楽しめるのがいいなって思う。
今までに一番印象的な仮装はありますか?
Ami - 4年目に大きな洗濯機の格好をした女の子が来て。洗濯機のフタから首が出てて、パンツとかがひっかかってたの。ファンタジーなのに。今まで一番パンチ効いてたな。ちなみにその子が「YASSI」の一人だったんだけど(笑)
最後に、ハロウィンパーティーベテランのYA3iから仮装のアドバイスはありますか?
Ichika - とにかくデカいと強いので、デカいと目立ちます。悩んでる人はぜひデカい仮装で。
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YA3i presents
TIME MACHINE 777
7th Anniversary Halloween Party
[Date] 2016.10.29 (Sat)
[Time] 19:00 - 5:00
[Ticket Info]
e+
[Charge] DOOR: 3900 (+1Drink) FLYER/ADV: 3500 (+1Drink)
[Links]
VUENOS http://vuenos.com/venue/flyer/273726
Glad http://shibuya-glad.com/venue/flyer/273675
LOUNGE NEO http://loungeneo.com/venue/flyer/273725
[Access]東京都渋谷区道玄坂2-21-7 第八矢澤ビル
※会場ごとにOPEN時間が変わります。
※23:00以降は未成年者のご入場はできません。
※e+にて前売りチケット発売中
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主催:YA3i