注目のラッパー、Rich Chiggaが語る「後悔」
インドネシアのコメディアン、ブライアン・イマニュエル(Brian Imanuel)がにわかに注目を浴びている。
2月、16歳のインドネシア人少年、ブライアン・イマニュエルが“Dat $tick”のミュージック・ビデオを公開した。Rich ChiggaというMCネームを名乗り、ピンクのポロシャツにリーボックというオヤジっぽさに溢れたファッションとは裏腹に、今のラップシーンのなかでも先鋭的なフロウを披露したことで話題を呼び、YouTubeでの再生回数は2000万回を超えるヒットとなった。
その後、DumbfoundeadやKeith Apeといった気鋭の韓国系アメリカ人ラッパーを擁するアジア系ラップレーベルのCXSHXNLYへ移籍。7月にはCXSHXNLY傘下のメディアプラットフォームである88Risingが人気ラッパーの21 SavageとGhostface Killahが傘下した動画を公開。Ghostface Killahは動画内で“Dat $tick”について「一味違う」とポジティブに評価し、「みんなが見てきたものとは違うね。みんなやたら着飾るけど、彼は彼自身そのものだよ」とコメントしている。
しかし、彼の勢いが増すにつれ、視聴者からの心無い発言も増えたという。“Living the Dream”から始まった彼の音楽動画投稿だが、いくらかの風刺要素を含んでいる作品が多かった。ただ、“Dat $tick”のヒット時には、楽曲内でブライアンが発する黒人差別用語に対するリアクションとして「無神経な差別発言」が増加したという。
このようなリアクションに対し、イマニュエルは「アメリカヒップホップ好きの中国系」を指すスラングである「Chigga」を用いたRich ChiggaというMCネームを選んだことや、楽曲内で黒人差別用語を発したことに関して「誰かを攻撃するつもりではない」とFaderでのインタビューで語り、後悔の色をにじませている。
アジア系ラップレーベルのCXSHXNLYに移籍したイマニュエルだが、彼の作品解釈に人種的要素を含ませるつもりはないという。(伊藤)
Via Fader