Gold Panda来日ツアー直前!都市と触れ合い自らの音楽を作り上げてきたGold Pandaと日本のディープな関係とは

Gold Pandaが日本に帰ってくる。10/15のCircus Osakaからはじまり、10/16には京都METRO、そして10/18には渋谷WWWで来日公演を行う。Gold Pandaの場合帰ってくるという表現は、他の来日アーティストに比べてより感慨深い響きをもつ。なぜなら彼は15歳のときに観た大友克洋の『アキラ』に魅せられて以来、日本の文化にのめりこみ、19歳のときに初めて来日を果たして以来、プライベートでも何度も日本を訪れているからだ。

初来日時にGold Pandaが日本でお世話になったのが、Subheadとしても活動していた、テクノアーティストの故Phil Wellsだ。そのときに日本のDJであるMayuriとも交流をしていたGold Pandaはアルバム『Companion』に”Mayuri”という曲を収録しているくらいだ。

彼はその後も『Half Of Where You Live』には”Enoshima”という曲も収録。”Enoshima”は江ノ島に行って友達と楽しい時間を過ごせた事がテーマになっており、テープを用い岩に打ち付けられる波みたいな音が再現されている。また以前筆者がインタビューを行ったときは、市川と本八幡に友達が住んでるから、来日には毎回行くと述べ、本八幡の居酒屋がフェイバリットだと教えてくれた。また渋谷にある24時間営業の居酒屋山家についても、あそこは滅茶苦茶だから好きだと答えている。

それくらいディープに日本と触れ合ってきたGold Pandaは、自身の楽曲にも日本からの影響が反映されている。例えば『Half Of Where You Live』に収録されている、”Junk City Ⅱ”は空想の都市をイメージして作った曲ということだが、モチーフにはディストピアとしての東京がモチーフとして敷かれている。

 

これは特に日本に限ってということではなく、Gold Pandaの音楽には常に都市の匂いが漂っている。『Half Of Where You Live』に収録されている”Brazil”は実際彼がブラジルに行ったときに抱いた印象と、テリー・ギリアムの名作『未来世紀ブラジル』のイメージが交錯し、この曲の中にしか存在しないブラジルを作り上げている。ツアーばかりで様々な都市を移動する生活を送るのは人気アーティストにとっては仕方のないことだが、そうしたツアーで訪れる場所のパーソナルな感触とGold Pandaの空想が融合して彼の音は紡がれていっていると言っていいかもしれない。

最新アルバム『Good Luck And Do Your Best』に収録された”Pink & Green”のミュージックビデオがその感覚を証明してくれる。2014年に日本で撮影されたというこのビデオは、カラオケや居酒屋など私たちにとっては自然な風景が、Gold Pandaの楽曲によって優しくズラされていき、新しいイメージとして画面に定着している。

彼は2010年にele-kingに掲載されたインタビューでこのような発言をしている。

なんてことはない風景が好きなんだよ。たとえばこの窓の向こうのマンション、あのミニマルな感じとか。イギリスにもマンションはあるけど、日本の建物はもっと規則正しくきっちりしているように見える。何故かわからないけど、それが気持ちいいんだ。僕は金がないから、新幹線に乗って名所を見て回っているわけじゃないんだけど、日本人の普通の生活のなかで「それがいいな」と思えるところがたくさんあるんだ。

 

なんてことはない場所から、イメージを掴み取り自分の音楽を作り上げていく、Gold Pandaの音楽に通底する部分だろう。そしてそのイメージは新作のジャケットにも反映されているといえるのではないだろうか。

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また新しいイメージの領域にGold Pandaは挑戦している。それはファッションだ。今年日本の名門ブランドIssey Miyakeの16AWコレクションのイメージビデオに『Good Luck And Do Your Best』から冒頭曲”Metal Bird”を提供した。Issey Miyakeの3Dファブリックの動きを優雅にスローモーションを使って表現された映像をカットアップが巧みに用いられた楽曲が包み込むような効果を生んでいる。ファッションという抽象度の高い世界と、Gold Pandaのイマジナリーなサウンドは相性がとてもいいことをこの映像は示してくれた。今後は既存曲ではなく、オリジナルの楽曲をどこかのブランドに提供する日も近いかもしれない。

 

ツアーで訪れた都市とともに音を更新してきた、Gold Pandaは特に思い入れの深い日本でどのような音を鳴らしてくれるのだろうか。来日公演はもう来週からスタートする。(和田哲郎)

<Info>

Gold Panda

Tugboat Records presents Gold Panda Live in JAPAN 2016

2016/10/15(土) CIRCUS OSAKA
OPEN 19:00 / START 19:30

ADV ¥4,000(ドリンク代別)

レーベル割価格(限定50枚)¥3,500(ドリンク代別)

[Buy] : Pコード:294-444/Lコード:55101/e+(4/11~)

peatix http://peatix.com/event/156835

2016/10/16(日) 京都METRO

OPEN 19:00 / START 19:30

ADV ¥4,000 (ドリンク代別)

レーベル割価格(限定50枚)¥3,500(ドリンク代別)

[Buy] : Pコード:294-836/Lコード:55977/e+(4/11~)

2016/10/18(火) 渋谷WWW

OPEN 19:00 / START 19:30

ADV ¥4,500 (ドリンク代別)

レーベル割価格(限定100枚)¥4,000(ドリンク代別)

[Buy] : Pコード:294-783/Lコード72961/e+(4/11~)

イベント詳細:http://www.tugboatrecords.jp/5975

主催・企画制作 Tugboat Records Inc.

参考サイト :

http://www.dommune.com/ele-king/features/interview/001016/

http://uncannyzine.com/posts/36129

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