「毎日の暮らしにアクアク感を」Trischwa(トリシュワ)が拡張するパフォーマンス・アートの世界
先週末行われた東京アートブックフェアの感想ツイートの中に、不思議な集団を見かけたり、その集団に勧誘された、という報告が多く寄せられていた。もし、アートフェアという神聖なイベントに「◯◯◯ビジネス」が入り込んでいたとするならば社会問題にも発展しかねない。その団体「Trischwa」に遠くから迫る。
まず最初に、アートフェアに参加した人がその団体のブースの様子をイラストにしているので見ていただきたい。
ツレちゃんと東京アートブックフェア #TABF2016 に行ってきました
Trischwa
ツレちゃんの知り合いKさんは「胡散臭ぇ〜」連呼&爆笑しながらパンフ購入&会員登録
「毎日の暮らしにアクアク感を」がコンセプトなんだとか pic.twitter.com/nul7f0C0qG
— しゃもー (@chameau_34) 18 September 2016
「水を喜ばせている」
「毎日の暮らしにアクアク感を」
これは怪しい…。
イラストをご覧頂くと分かるように、このTrischwa(トリシュワ)と呼ばれる団体はハンドミキサーのようなもので水を振動させ「水を喜ばせて」いるようだ。彼らは「会員」と呼ばれるシステムをすでに構築しているらしく、会員には毎月Trischwaに関する「情報」を届けているようだ。これはよくあるやり口だ。
イラストを書いた方の友人の友人は「胡散臭い」と頭でわかりながらも、「爆笑しながら」パンフレットを購入してしまったそうだ。なにもしていないのに爆笑?薬物の可能性も否定できないのか。
トリシュワ会員になってしもうた pic.twitter.com/cvHl3RGa80
— yukinoise (@yurufuwafucker) 17 September 2016
画像のカタログには水、浄水器、水タバコ、雨合羽などの商品画像が載せられている。これを購入するのだろうか…?
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彼らはInstagramのアカウントも持っているようなので調査した。
1枚目の写真にはロゴと謎のフレーズ「毎日の暮らしにアクアク感を。」と書かれている。完全にキャッチーだ。聞くだけで心が踊ってしまう。
アップロードされている画像一覧を見てみよう。
地蔵、除菌剤、謎の3人組、外国人…。謎は深まる…。
そして極めつけはコレだ。
「地蔵を見たら拝んでしまう」人間の弱みにつけ込む手法を使用している。この3人の中に宗教学や心理学に精通した人物がいるのかもしれない。
また受注会には太極整体の先生によるマッサージも行われたようだ。一説によると「太極拳」は身体を暖める効果がある。
A photo posted by Trischwa (@trischwa_official) on
TwitterでTrischwaと検索すると多くの参加者がTrischwaに親近感を覚えていることが分かる。さらに、この団体はメルマガも発行しており、ネットワークを広げているようだ。もうこれはサブカルチャーの危険水域だ。
Trischwaからほんとにメルマガきたわ。 pic.twitter.com/nCt72QzMNb
— JUN OSON (@junoson) 22 September 2016
完全に疑念の気持ちがマックスになっていたところ、感想の中に気になるツイートが。
かなりハイレベルなパロディアートと言うかパフォーマンスアート。ゆえにギャグとしての破壊力すごい。 #trischwa
— ←Drunk Tower (@magickobayashi) 21 September 2016
トリシュワ、めちゃくちゃ笑った!なんかみんな華があってかっこいいし。あんなアーティスト初めて見た?#trischwa
— もぐみそ (@mog_mogmidora) 18 September 2016
大いに笑わせてもらいました〜。#tabf2016 #trischwa #アクアク @ 京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス https://t.co/anEhilVFqV
— ON READING (@ON_READING) 18 September 2016
今日のTABFでビビビッときたものは、チーム未完成とドキドキクラブ、そしてそしてTrischwa?どれもシュールで魅力的でしたとさ??ぶっ飛びすぎてお友達になりたかった〜〜?
— Shiori Kajiyama (@0701Kaji) 19 September 2016
これらを見るとTrischwaは◯◯◯商法団体ではなく、むしろそれを模倣し、笑いに昇華するチームだったのだ。
アートブックフェア、roomBに入ってすぐの trischwa ブースは立ち寄りマストです。ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイスの作品かと思いました。アートに携わっててブックフェア行かないの勿体ないよ!!
— EKKO (@ekkoart) 18 September 2016
このツイートのように、有名なスイスのアーティスト、ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイスにたとえられたりもしている。
内部事情をよく知る人物に話を聞いた所、実際に販売しているのは水とTシャツ、ロンTだけであるそうだ。また、メルマガでは彼らが作る新商品の情報が届くだけで、◯◯◯商法のような裏はないとのこと。パンフレットはオマケだそうだ。
これを聞いて一安心した。筆者のように「この団体は怪しい、通報だ!」と、勘違いしてしまいそうになるが、それは逆に彼らのパフォーマンス・アートの彼らの目のつけどころの良さ、そしてコンセプトを実現化する技術とパフォーマンスの力の証明なのだ。
また、TrischwaはEDMのテーマソングMVをYoutubeにアップロードしている。若者が多く集うEDMフェスULTRA JAPANのテントブースにTrischwaが出展するのも時間の問題かもしれない。
歌詞
Trischwa
広い大地 地平線の向こう
湧き出す泉 あふれるエナジー
望みは高く さあ答えを
Trischwa Trischwa 奇跡の水
Trischwa
気になった方はこちらからチェック