【インタビュー】GAGLE 『Vanta Black』| やり始めてから可能性を失ったことがない

FEATURED  2018.01.30  FNMNL編集部

- 焦りとかは全然ない?

3人 - 全くない…。

DJ Mu-R - そういう話をしたことないですね。

HUNGER - なかなか一言ではうまくいえないかな。絶対的な自信みたいなのは僕は自分の感覚にはないんですよ。だから色んな音楽を聴こうと思うし、誰よりも多分聞いたほうがいいと思うし。でもそれは焦りじゃないか。

Mitsu The Beats - 焦りとはまた違うんじゃない。

DJ Mu-R - 俺ももちろんその気持ちはあるっすよ。

Mitsu The Beats - 制作に対する悩みはもちろん、常に自分への反省はあるけど。

HUNGER - そういう意味ではJazzy Sportはスケジュール感みたいなのはせっついてこないし、自主性に結構重きを置いているところもあるので、そういう意味ではリラックスして、しかもコンセプトも自分たちがこれだっていうのを信頼してくれてるので。そういう意味では、せっつかれて、プレッシャーかけられていってこうなりましたっていうのは別にないしね。

Mitsu The Beats - この曲どうだろうみたいな感じではないよね。やっぱり自分たちが3人でこれがいいって決めたやつを、そのままパッケージしてくれるっていうか。そう考えるとすごいな。

HUNGER - 今の音楽シーンでいうと、リリースペースは早いほうがいいって感じじゃないですか。どんどん盛ってったほうがいい。盛る盛るっていう。

Mitsu The Beats - みんなどんどんシングル出して、どんどん曲前にPV作ってる。日本でも結構増えてるけど。

DJ Mu-R - YoutubeであがったMVがすごいクオリティが高いとかってあるっすよね。日本語ラップで。

Mitsu The Beats - すごいよね。1ヶ月で1本ぐらい出してるんじゃないかってやつがすごいかっこよかったりするから。

HUNGER - 今の時代の空気っていうのはそっちの方が新鮮に感じるっていうのはすごいわかりますね。ただ、たまに出すベテランのアルバムがすごいよかったときに嬉しい気持ちっていうのも同時にわかるし。その辺りはやり方はそれぞれでいいんじゃないかなと思いますね。

- すでに、今回のアルバムからあえて外した曲もあるぐらい、もう次をみてる?

HUNGER - そうだと思うんだけど、いつになるかわからない。

Mitsu The Beats - 考えてみると、渡したけどまだ作ってないやつもあるし、EPサイズならすぐできちゃうなって。まあ、歌詞を書く人次第ですけど(笑)すでに3曲くらいあって。なので今度はパッと作ってそれこそコンセプチュアルになったやつをバッと出してもいいかもしれないし。

- でも今回の前半の曲とかはライブでどんなテンションでやるのかなっていうのはすごい興味がありますね。

DJ Mu-R - 俺も興味がありますね(笑)

HUNGER - 最初は絶対手探りになると思うんですよ。どういうテンションでこの曲でステージを作っていこうかなって思うのは、結局思ってるだけで、やっぱやらないとわからないことがあまりにも多いので、最初の方のライブはすごい面白いと思いますよ(笑)手探りだなみたいな。失敗したところとか、成功したところとかも結構はっきり出るので。リハスタとか入ってバッとセット作ってそれで周るってことじゃないんで。この曲の温度はこの現場でやったらどういう風にお客さんに伝わるだろうっていうのが積み重なっていくのが、GAGLEのライブの面白いところだと思うので。別に準備不足なわけじゃなくて、その曲をものにしていくためのプロセスっていうか、それは自分もまだわかんないですよ。でも、叩き込んだところでそれを吐き出す、相手がいないとやっぱりなかなか想像しづらくて。だから、意外な曲がしぶとくGAGLEのレギュラーセットの中に入ったりする曲ももちろんあったりするんだなって思いますね。

もっと楽にやってみたいですけどね。今の空気って割と、もっとノリじゃないですか。そういうのも全然いいんですけどね。僕はそれが物足りないって話なだけで、生の感情がぶつかり合ってすげーいいっていう表情に変わる瞬間がマイク握った時からずっとそのお客さんの本当の感情、興奮みたいなのが出てくる瞬間が好きなのでそうやってるまでで。なので、もっと軽やかにやってみたいと思う時もある(笑)

DJ Mu-R - まあ、そういうのをやっても楽しいかなくらいの。

Mitsu The Beats - 絶対やんないけどね(笑)絶対やれないっていうかどうしても、ね。物足りなくなっちゃうんだと思う自分たちが。

HUNGER - あと、そういうスタイルだと思うんですけどね。みんな大合唱してくれるんだったらそれはそれでいいかもしれないけど、まあそういう音作りは残念ながらできていないっていうところもあるし、初めてGAGLEを全く知らない人たちもいきなり見たらすげーって思うようなライブが癖になっちゃってるんだろうな。

Mitsu The Beats - そこで引っかかりを作ろうとして、一曲一曲で終わりなんて絶対やらないもんね。なにかしらギミックを入れないと気が済まないというか、そこはDJ気質は絶対入ってるよね。変なつなぎもできないっていうか。

HUNGER - そういう意味では結構ジャズ的な即興性もあると思うんですよね。即興っていうのはトップオブザヘッドだけじゃなくて、アドリブっていうところの面白さ、ふとした時に繰り出すなにかが反応を引き出すっていう面白さ、それがやりとりなのかなって思うんですよね。そういうやりとりをしていると人と人がつながっていく感触に近いっていうんですかね。

- 結成20年を超えて未だにハングリーさを失わずにいられる理由は?

Mitsu The Beats - 僕的には曲作りは本当ないとダメなんですよね。常に作ってるっていうか、本当にしょうもない曲もたくさん生み出してるんですけど、ただそれを続けてるだけ。その時その時の自分の流行りがあって、それをクリアしてって次に行くみたいなのを続けてるだけで。ハングリーというか、それが日常にないとイライラするっていうか。例えば出かけてても曲作りがしたくなったらイライラしてきて禁断症状みたいな(笑)もう早く帰って作りたいみたいな。今せっかくいいのができるのにみたいな。

HUNGER - 3人に共通してるのは、何やろうとしてても多分一番上に音楽があるっていう。僕が結構思うのは、音楽が君の中の一番にあるんだったら何やってもいいと思うんですね。人を不幸にするようなことはダメですけど。やっぱりあわよくばそうじゃない人たちも絶対いると思うんですよ。でもその人たちは一番上のやつを選んだほうがいいと思います。本当に。それが多分その人の体がやりたいことなんだからって思いますね。禁断症状っていうのは、もうそれ以上ないかなっていうか、どうしようもないなっていう(笑)

DJ Mu-R - それは初めて聞いたな(笑)

Mitsu The Beats - 病気だよねほんとに。ほんとにイライラしてるから。人に嘘ついてまで曲作りするんだと思って唖然とするときあるもん。

HUNGER - 曲作りだからよかったものの、クスリとかだったらそういう話になるわけでさ。

Mitsu The Beats - 同じレベルで本当にイライラして、性格もきつくなるくらいの感じなので困っちゃう部分があるんですけど。俺からすればMu-Rも、見ると常に頭の上にレコードが乗ってる感じがずっと続いてるよね。それはライフワークでしょ。

DJ Mu-R - それだけだったら表現者に回る必要はない。表現者としてDJ個人にしろグループにしろ、やっぱりやり始めてから可能性を失ったことがないっていう、シンプルな。頭の中で描いてること全部できるわけじゃないじゃないですか。

HUNGER - 今のは太文字だね。完全に。超シンプルだけどいいんじゃないですか。いいこと言うね。俺はさっきすげー考えてたんだけどぶち抜かれたな。

DJ Mu-R - グループとしても個人でも自分の中で目標みたいなのがあって、まだそこまで全然いけてない。頭の中で描いててある程度自信もあるんですけど、それをアウトプットできる実力はまだ足りてないんだなっていうところで、まあこの歳ですけど、まだ可能性があるんじゃないかなと。

HUNGER - なんか、年齢と音楽っていうのはすごい面白く感じてくるっすね。それはなんか他の人にはなかなか、そんな多くないじゃん。俺たちみたいな年齢でやってる人。

DJ Mu-R - このジャンルだと特にですよね。

HUNGER - 面白くなってきてるっていうか、こういう風な感覚になってくるんだっていうのはそれを全然楽しんでるっすね。まだ色々いけるんじゃないかなっていうのは。

Mitsu The Beats - 常に反省してるもんね。ライブ終わったあとまだ。100%これでオッケーだったみたいなのは確かにないのかもしれないね。雰囲気含めてオッケーだったっていうのはもちろんあるんだけど、100%これはいいライブだった、最高だったっていうのはあるけど。自分たちはもっとできるんじゃないかっていうのは確かにあるのかも。

HUNGER - 興奮のハードルは上がっていくからね。

DJ Mu-R - キャリアと同様に、もちろん自身もでっかくなってきてスキルも付いてくるし、そのぶんまた理想が一緒に…それがなくなった時に多分もういいかなってなるのかもしれないですね。

Mitsu The Beats - でもそれが来るのはなさそう。納得いくことができないのかもしれない。昔からそうだからしょうがない。

DJ Mu-R - 素晴らしいことですよ。

HUNGER - 今回のアルバムで劇的に変わったところが実はあって、録音がこの4年で、今まで兄貴の部屋とかで結構録ってたりしてたんですけど、今回から仙台のスタジオ、ノースアイってスタジオで録ってて。そこのエンジニアさんとの関係性がこの4年間ですごい信頼感がお互い生まれて。僕がレベルアップしたっていうよりは本当に一緒に研究してくれたので、それは大きかったですね。それに兄貴は常に作っている方が多分本人的にはいいと思うんですよ。だから録音でやっぱり僕につきっきりでやってることも増えてくると、やっぱり今の時間の感覚でいうと少し重いかなっていうところも感じてたので。それぞれが適したところもあるんじゃないかなって。僕も時間に縛られて作ってると遠慮してしまうところもどうしてもあるかもしれないし、そういう意味ではそこは劇的に変わったと。

Mitsu The Beats - 面白い人いるよね仙台にも。ノースアイのエンジニアの平塚さんとか。本当知らなかったもんな。あんなプロツールス使える人いるんだって。僕は全然できないなって思ったっすね。僕も結構プロツールスのコマンドとかも覚えててショートカットも早い方なんですけど、全然違うなって。

HUNGER - そういう確信が兄貴なりMu-Rにないと、多分一緒にはできないと思うんですよ。自分にはできないなにかを持ってる人じゃないと多分GAGLEの作品の中に入れづらいっていうのもあると思うので、それも大きいかもしれないですね。

Mitsu The Beats - 録りの速さと、音質もすごい好きだから。もちろんもっと上はあるんだろうだけど、合ってるし、あの近場でできるんだったら。一時期うちにボーカルブースを作ってチャレンジはしたんですけど、やっぱりどうしてもクオリティをそこで諦めないっていうか、クオリティが足りない感じだったのでそういうところが見つかって本当に良かったですね。

DJ Mu-R - 引き出してもらった感はあるっすよね。

Mitsu The Beats - 今回はHUNGERが1人で時間作って行って、作っちゃってっていうのがかなり多かったよね。録っちゃってあとで確認するみたいな。まあそれも慣れてるしどれがOKテイクかっていうのは自分が結局判断する部分が大きいので。音程のあるやつはたまに僕が行って確認して、ここはこうの方がいいんじゃないとかは多少は今回もあったか。1回くらい。でもほとんどもう6割~7割立ち会ってないんじゃない?でもすごいお金かけて作ってた時よりも自分たちでクオリティ高いものやってる気がするんだけど。予算もそんなかかるわけではないし。そういった意味ではお金を使ってる時に経験を貰ってたんだろうね。蓄えたものをお金がなくてもできるっていうね。お金はもちろんだしてもらってるんですけど、膨大な費用がなくてもアルバムが完成できるっていうか。

HUNGER - 例えばわざわざ東京でスタジオに入って、作ったアルバムもあるし、それはそれでその時の状況で作ったもの、その時を録音したもの。ただ、今この状況になって来て仙台で日常の中にレコーディングっていうのがすんなり入ってる状態っていうのは結構贅沢なんじゃないかな。その状況を、いいぞ、これは色々出来そうな気がするっていうていう、予感でやれてるっていうのは贅沢なんじゃないかなと思いますね。そうやりたくてもやれない地域っていうのは日本にもごまんとあるし、仙台もそういう地域だと僕はちょっと思ってたんですよ。でも今の状況はすごいありがたいね。

Mitsu The Beats - ちょっとしたことがめちゃくちゃ気になるでしょ。あれがダメだよなっていうのないよね。あそこに関しては。

HUNGER - 俺はない。徐々に一緒に構築してきたし。

Mitsu The Beats - ほとんど今普通に行って録れる感じでしょ?それがすごいいい環境できたって感じで。

- ありがとうございました。

Info

JSPCDK1038_JKT

Artist :GAGLE (ガグル)

Title : Vanta Black (ヴァンタ・ブラック)

File Under : Hip Hop CD Album

Label:Jazzy Sport

Cat#:JSPCDK-1038 (初回限定ジャケット仕様/ジュエルケース)

JAN:4582202051234

定価 : 2500yen(税抜)

発売日 : 2018/01/12 (金)

トラックリスト

01. Vanta Black

02. Grand Gainers (Album Version)

03. 適者生存

04. Bohemian Style

05. 和背負い feat. KGE THE SHADOWMEN & 鎮座DOPENESS

06. 小こい円盤 feat. 菅原信介

07. うつろぎ

08. Black Rose

09. ?!!Chaos!!?

10. 日日Living feat. Mitsuyoshi Nabekawa (ATATA)

11. Flow

12. Always

ll tracks produced by GAGLE

All tracks recorded by M.Hiratsuka at Studio Northeye

except track 05. recorded by Tadashi Nakamura at Potato studio

and track 10. recorded by Ryuji Aso at Shindaita FEVER

All cuts by DJ Mu-R

track 11. Piano : Takumi Kaneko (cro-magnon)  Trumpet : Takuya Kuroda

track 12. Piano : Takumi Kaneko (cro-magnon)

All tracks edited by DJ Mitsu the Beats at Jazz Phenomenon2

All tracks mixed by Taiji Okuda at MSR+

All tracks mastered by Kentaro Kimura at Kimken Studio

All artworks directed & designed by Charles Munka

Photo : WATABE4500

A&R : Taro Kesen (Jazzy Sport Productions)

OFFICIAL HP : gagle-official.com 

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