Fabricに潜入した警察の極秘レポートが公開
イギリスの名門クラブFabricの営業ライセンス剥奪のニュースは世界のクラブミュージックシーンに大きな衝撃を与えている。イズリントン区議会はFabricのセキュリティーが甘く、安全に遊べるクラブとはなってないと昨日の公聴会で報告をしている。
その根拠の一つになったのはもちろんFabricで起こった未成年の死亡事故だが、その後に警察がFabricに潜入捜査をし詳細なレポートを作成していたのが明らかになった。
Lenor作戦と名付けられたこのレポートはThe Independentが入手したもので、未成年の死亡事故が起こった後に複数の警察が私服でFabricに潜入し、その実態を調査・報告したものとなっている。このレポートの中には警察がFabricで違法薬物を発見したという報告も記載されているが、中にはFabricに遊びにきた人々が純粋に音楽やFabricというクラブを楽しんでいる様子の記述もある。
Room 2に戻ると1人の若い白人の男がとても興奮している様子だったが、クラブにいる誰も彼に気を留めていなかった。この夜クラブにいた多くの人々は汗をたくさんかき、興奮して遠くを見つめていた。彼らの目はどんよりと赤く充血しており、そして彼らは水をずっと飲んでいた。Fabricのスタッフは誰も彼らに声をかけたりはしなかった。
さらにはこんな記述もある。
Room 2に戻ると前方に18歳くらいの若い男がみえた。その男はクラブにいる間ずっと緊張性の病気のような状態で終始よろめいていた。彼の目はほとんど閉じかけでダンスフロアに向かうために、周りの人にぶつかりながら前進していった。ダンスフロアにはライトを持ったクラブスタッフが常にいたが、誰も彼に注意を払ってはいないようにみえた。15分後にその男を再び見たら大勢の客の中で踊り狂っていた。先ほどまでとは全く正反対に彼はとても活き活きして興奮しているようだった。この興奮状態は違法薬物の効果だと私は信じている。
また報告書では世界中からFabricに遊びにきている客の様子を記述している箇所もあり、まるでFabricについての良質なドキュメントを読んでいるかのようだ。
クラブの中は多くの客で混雑していて、密集状態になっていた。多くの客は若く、イタリア語やスペイン語、中国語そしてもちろん英語が話されていた。多くの集団がいたが、とりわけ若く見える男のグループが多かった。客は親切で平和的だったが、多くの客は酒を飲んでいないにもかかわらず興奮状態だった。彼らの目はとろんとしていて、足取りと動きは薬物使用者のそれを暗示していた。
レポートは確かにFabricが薬物に対してセキュリティーが甘かったことを示唆しているが、客にとってはすばらしいパーティーが行われていたことも明らかにしている。果たしてFabricはこのまま閉鎖に追い込まれてしまうのだろうか。レポート全文はこちらで読める。