LL Cool Jがヒップホップアーティストとして初めてケネディ・センター名誉賞を受賞する

毎年アメリカで優れた芸術家に贈られるケネディ・センター名誉賞が、LL Cool Jに贈られた。ヒップホップ・アーティストとしては史上初の受賞である。授賞式では、Queen LatifahやQuestloveがLL Cool Jの功績について語り、DJ Z-Trip、Busta Rhymes、MC Lyte、Black Thought、DMCなどがパフォーマンスを行った。

 プレゼンターとして登場したQueen Latifahが紹介しているように、LL Cool Jはヒップホップのパイオニアとして輝かしいキャリアを歩んできた。例えば、LL Cool Jは、伝説的なレーベルDef Jamと1984年にラッパーとして初めて契約を結び、そこからリリースしたファーストアルバム『Radio』は100万枚のセールスを記録した。また、彼はMTVのヘビーローテーションに初めて選ばれたラッパーでもあり、さらにLL Cool Jがセカンドアルバム『Bigger and Deffer』で書いた“I Need Love”は最初のラップバラードのヒットであると言われている。彼は90年代前半に入っても輝かしいラップのキャリアを築き、キャリアを通しては13枚のアルバムをリリースしている。そして、そのうち7つはプラチナディスク、さらに2つのグラミー賞を獲得している。また、俳優としても大きな成功を収めており、Hollywood Walk of Fameには彼の名前の星が刻まれているのだ。

式では、The RootsのドラマーであるQuestloveも登壇し、LL Cool Jのヒップホップへの貢献について語った。

「彼は一人のMC としてあることの芸術的な価値を切り開いたパイオニアです。彼は、"3分間のラップソング"を発明しました。彼以前は、ラップというものは8分から12分ほどの長さだったのです。また、彼は自らの作品をリミックスした最初のラッパーでした。彼はトップに上り詰めたスーパースターで、ボクサーのチャンピオンがベルトを守るようにたくさんの防衛戦を行わなくてはなりませんでした。」

パフォーマンスでは、DJ Z-Trip、Busta Rhymes、MC Lyte、Black Thought、DMCが、“Mama Said Knock You Out”、“I’m Bad”、“Rock The Bells”などををフィーチャーしたトリビュートメドレーを披露している。

動画はこちら。

 

 

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