注目ラッパーSieroがEP『Not In Streets』をリリース

2023年に活動をスタートしたラッパーのSieroがEP『Not In Streets』を本日2/5(水)にリリースした。

『Not In Streets』は、Sieroのルーツがストリートではなく、自室で自分自身と向き合った時間にあることを表している。Sieroが自室から抜け出し、正々堂々世界へと立ち向かう覚悟を感じられる節目と言える作品になっている。

プロデュースには前回のリリースに引き続きrxlや、tmjclubのlazydollが参加。唯一の客演にはwarm、ミックス/マスタリングには盟友のwxstepain (21gang)が参加した。

Info

・タイトル
Not In Streets

・クレジット
Track list
1.##IMMASPAZOUT (prod by rxl)
2.Kidori Aruki (prod by rxl)
3.Karagenki (prod by rxl,domo)
4.Not In Streets (Skit)
5.Hate Me (Broken) (prod by rxl)
6.Schizophrenia (prod by rxl,pulp k)
7.FUCK 27 CLUB (prod by warm)
8.Time Lapse feat. warm (prod by warm)
9.04:43 (prod by lazydoll)

Mixed by wxstepain
Mastered by wxstepain

リンクツリー: https://linkco.re/7ED6vuYr
リリース日: 2025年2月5日

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昨今のラップシーンで、「アングラ」という呼称をよく見るようになった(※)。ジャンルでいえば、rageにはじまり、pluggやpluggnb、new jazz、glo、jerkなどなど有象無象のビート様式の集合体としか言えないが、そこに共通すると思われるのは、デジタル世界のエッジを踏破せんとするオタク的態度、また地上に蔓延するハイファイな既製品を拒まんとする皮肉的態度である。 伝統的な意味での「アングラ」といえば、王道に対する邪道、有名に対する無名、ようするに、わかる人しかわからない玄人好みの芸術領域なのだといえよう。その意味で、現代のアングラシーンのギシギシ歪んで耳の痛い808のテクスチャは理解されうるし、弾きっぱなしのブラス音源のチープさも諧謔として楽しめる。 ところが、国内でもにわかに形成されてきたアングラシーンの一角といえようSieroに話を聞けば、とにかくメインストリームのステージで光を浴びたい、そんな成り上がりの夢を恥ずかしげもなく語りだす。彼にとって「アングラ」は邪道ではなく、単に王道へのステップだ。どうやら、フラットに引き伸ばされた世界においても、かつてインターネットの無い時代に叫ばれた〈comin’ straight from the underground〉というような垂直方向の物語は有効らしい。 事務所に飾られたPOP YOURS特製ジャケットを見ては「俺もここに名前縫われて〜」と衒いのないSieroであるが、ラッパーとしての彼の魅力といえば、華やかな未来を描く情熱と、その同じ夜に枕を濡らすセンチメンタルとが同居したところにあるだろう。あるいは、その嘘の吐けなさにあるだろう。きっとその言葉が、夜の闇や地下の闇を貫いていくと信じて、Sieroは多弁に語る。 ※この呼称については議論があろうが、限定的には、USを中心とした2020年代のSoundCloudラップの潮流として認められる。USのシーンについては、プレイリスト「UNDERGROUND RAP 2025」や、instagramのゴシップメディア「Hyperpop Daily」などが参考になるだろう。

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