【対談】Awich × Chaki Zulu 『Queendom』|そこにみんなの居場所があるよ

Awichがニューアルバム『Queendom』を先週リリースした。3/14には初の日本武道館公演も控えるAwichだが、今作は完成までに多くのストーリーを持った作品だと言えるだろう。先行シングルの"GILA GILA"でも歌われているようにBAD HOPのYZERRの発言をきっかけにほぼ完成していたという内容を全面的に見直し、Awichのこれまでの作品の中でも一番純度の高いヒップホップアルバムといった内容に仕上がっている。

今回はAwichのプロデューサーであり深い信頼で結ばれているChaki Zuluとの対談で、制作の道のりや『Queendom』と名付けられた作品への覚悟などを聞いた。

※このインタビューはスペースシャワーTVの特集番組でも放送されている内容です。動画はスペシャオンデマンドでもチェック!

取材・構成 : 和田哲郎

撮影 : 大城龍一

- こういう場所でChakiさんと話すっていうのは改めてどうですか?

Awich - 緊張しますね(笑)。いつもスタジオで話してる時の会話とか特殊なんじゃないかなって思っちゃったり、それを人に聞かせるのって、もちろんワクワクするんですけど、恥ずかしい(笑)。プラス、マジックの種明かしになっちゃうんじゃないかなって。

Chaki Zulu - 怖いっていうのはあるよね。

Awich - それでもまた新しいものを生み出せると思ってるから、いいんじゃないかなって思いますけど。

Chaki Zulu - そうだね。色んな話はするんですけど、人がいる場所だとあんまり無い(笑)。

Awich - でもChakiさんの話はみんな超気になってると思うんですよ。ってか、Chaki Zuluが本当に人間なのか(笑)。気になってると思いますよ。「Chaki Zulu AI説」あるから(笑)。

 - 改めて二人が出会って今作に到達するまでを振り返るといかがですか?最初の出会いからこう言う場所にいることは想像していましたか?

Awich - 想像出来てなかったかも。でも大きな夢みたいなものはあったんですけど。

Chaki Zulu - 俺はこうなると思ってたけどね。最初からずっと言ってたもんね?

Awich - Chakiさんは言ってくれてた。レッドカーペット歩くとか。そういう引き寄せのマインドをいつも念じてくれる。

Chaki Zulu - 到達するとは思ってたけど、こんなに道のりが険しいとは思わなかった(笑)。

Awich - 色んなこともあったし。でも、私は基本的に険しいと思ってないかも(笑)。私はめっちゃ能天気なんですよ。マイペースだし超能天気で。Chakiさんは完璧主義者だから、正反対(笑)。

Chaki Zulu - チームのグループLINEがあるんですけど、込み入った話になるとこの人出てこなくなるんですよ(笑)。「任せます」みたいな。

Awich - 沖縄生まれなんで。そういう理由が通るかどうか分からないけど、大体アイランドバイブスっていうか。「なんくるないさー」になっちゃう。Chakiさんは細かいところも見落とさないでちゃんとやってくれる。

 - 一回アルバムを全部入れ替えたというのもかなり大きな決断だったのかなと思うんですけど。

Awich - そうですね。その時はChakiさんともいっぱい相談しなきゃいけなくて。そんなのあり得ないじゃないですか。締め切り直前なのに「ちょっとやっぱ......」みたいな。そういうのも無理してもらったし、そこら辺を思い出すと確かに険しい(笑)。

Chaki Zulu - 忘れてたの?(笑)。めちゃくちゃ大変でした。でも、一番大変だったのはこの人のはずなんですけど。忘れられるのは羨ましい。

Awich - Chakiさんは私の能天気なところを羨ましいって言ってくれるんですよ。遅刻とかもめちゃくちゃするんですけど、「怒られる......」って思ったら「凄いね!どうなってるのその頭?」みたいな(笑)。「すみません!」って謝るしかないんですけど。Chakiさんは予定の一時間半前になるとソワソワしますよね。本当に正反対。そこら辺も良い意味で言うと補い合えてるのかなと思うんですけど。でもChakiさんには負担かけてます。

 - 改めて今作の制作について聞きたいんですが、一回作り直す前の作品はどういうビジョンで作っていたんですか?

Awich - やっぱり大きなマーケットやオーディエンスを意識したというか。もっと色んな人に聞いてもらう感じのことを意識してましたね。それは私たちの中で「思いやり」って言うんですけど、もっと優しく聴いている人が分かりやすい音だったり言葉だったりをめっちゃ意識して作ってましたよね。

Chaki Zulu - そうだね。凄く器用なので、ラップ以外のこともやってほしくなっちゃうんですよ。「こういうのもやってみない?」「歌ってみない?」みたいな。前のアルバムはそういう意味だと歌の要素が強くて、その時は良いなと思ってたんですけど、AwichがYZERRに「もっとラップやった方がいいですよ」って言ってもらったっていうのを聞いた時に、「確かにヒップホップ要素少ないね」っていうことで、やり直すって言われた時に「確かに」っていうのはありました。もうちょっとバラードぽいのもあったし。

Awich - 歌モノとかもいっぱいあったし、「踊れる、聴きやすい、歌える」みたいなのを意識してました。

Chaki Zulu - Awichを広めるっていう時に、ラップ一本でっていうのをその時あまり考えられてなかったのかもしれない。「もっと歌とかやれば広まるんじゃないか」みたいな、そっちの考え方だったのかもしれない。

 - Awichさん自身が何でもチャレンジしたいから全然受け入れられるというか。

Awich - 「なんでもいいっすよ」みたいな感じになっちゃう。やれば出来るって思ってるし、「気合いだ」みたいなところもあるし。Chakiさんが作るものはとにかく何でもカッコいいから、だから大丈夫だと思ってるし、お蔵入りになった曲も実際にカッコいいんですよ。だから「いいじゃん」って思ってたけど、それ以上にラップっていうものが好きだってことを忘れてたというか。あとYZERRが「ラップでいいんだ」みたいなことを思わせてくれましたね。しかも、ラップで私が男をガツガツぶった斬っていくのをみんな見たいんだなって。「男の人でもそれを見たいと思うんだな」みたいに思って。その方が楽しいし、「それでいいんだったらやるよ。いいんすか?」みたいな感じになりました。

 - そこのマインドを変えるのは簡単だった?

Awich - もちろん。私はね。Chakiさんはトラック作らなきゃいけないし(笑)、私が振り回してる感じになっちゃったから申し訳ないんですけど。でもこれが好きかもです。

Chaki Zulu - カッコいいラップの曲は作れるじゃないですか。でも売れるラップ曲ってまた別だと思うんですよ。そこでカッコよくてなおかつ数字取れるっていうのを保証するのが僕の仕事だと思うんで。Awichはカッコいいラップをするのが仕事で、それを回す回さないっていうのは僕らの方で請け負わなきゃいけないことだと思ってて。だから「ラップって言ってくれるけど......」みたいな。カッコいいのは絶対に出来る。Awichがいるからそれは自信がある。だけど「じゃあどんなことを言ってもらったらそれがバズとかヒットに繋がるのかな」っていうのはプレッシャーでした。

 - Chakiさんに別媒体でインタビューした時にも伺いましたが、歌詞を共作した部分もあったということで。

Chaki Zulu - そうですね。“Queendom”に関しては僕がインタビューみたいなことをやって「この時どういう気持ちだった?」みたいな。

 - それは初めてだった?

Awich - いや、何回もそういう作り方をしたことがあります。私がそれを受けて書いてみて、それを共有して。歌詞がちゃんと見えるように送りつつ、私も歌ってみたり。だから聴感上でも言葉上でも見てもらって、「いいこと言ってるんだけど聴きにくいね」とか「語呂が悪いね」みたいなやりとりとか、「ここはいらなくない?」みたいなこととか、「こういうのよりももっとああいう感じなんだよね」みたいなやりとりですね。

Chaki Zulu - 細かい「てにをは」とか、一人称で語ってることを三人称にしてみようとか、リード曲になると口出す部分がどうしても多くなっちゃう。それで言い合いになっちゃうこともあったんですけど、それはあくまでも僕の言葉を入れたい訳じゃなくて、Awichが書いた言葉を、第三者が聴いた時に汲み取りにくいようなところを僕が第三者になったつもりで「こうして言ってもらった方が汲み取りやすいんじゃない?」って。

Awich - 今考えると凄い作業をしてるなって思うんですよね。私も頑張って心の中を曝け出そうとしてるし、そんなのに口出しするのって失礼じゃないですか(笑)。私もダメ出しされるのもきついし、ずっともがきながら作っていくような作業ですね。

 - “Queendom”でそういう作業があったということはお訊きしましたが、一番曝け出してる感じがするというか、第三者が入ってるとは全然感じられないものになっていますよね。

Awich - お互いが本気でやってるからじゃないですか?私が「じゃあChakiさんがやりたいようにやれば?」って言っちゃったらそうはならなかっただろうし、「嫌です、私のものだから口出ししないでください」って言ったら伝わらなかったかもしれないし。

Chaki Zulu - 俺もAwichになりきってるんで、色々訊くんだよね。「この時どうだった?」っていう前後関係とか。だから俺が言ってる言葉もAwichのつもりなんだけど、俺が「こういう風に書いてみたらどう?」って言った時に「うーん」ってしっくり来てないっていう(笑)。

Awich - そうそう(笑)。二人のAwichがいるって現実では起こらない状況を作ってる。だから自然に反発するんだけど、それをちゃんと受け入れるしChakiさんも私を受け入れてくれるっていう。

Chaki Zulu - 面白かったし、出来上がりも凄く良かった。

Awich - 出来上がるとやっぱり「良かった......」ってなって。

 - そういう作業を経てAwichさん自身の歌詞の書き方も変わりましたか?

Awich - ちょっとずつだけど変わってきてる気がします。まだまだ成長の余地はあるんですけど、なんとなく感覚的に言葉の選び方が、前よりも聴く人の感覚が分かるようになってきた。『8』の時とかは聴く人の感覚を考えてなかったと思います。自分の中にあるカッコいいものでいいや、みたいな。その時はChakiさんもそれを許してくれてるっていうか、「それが一番カッコいいんじゃない?」って言ってたんですけど、段々成長してきて目指すものが見えてきて。私もライブとかみんなの反応を見て「こういうところが刺さるんだ」とか、「こういう英語だったら分かるんだ」とか、「ここは日本語に変えたら伝わるんだ」とか、そういうのが分かってきたと思います。

Chaki Zulu - あと、作ってる最中に「冗談みたいに言ったことをそのままリリックにしたらカッコいい」って。普段替え歌みたいに冗談言って笑っちゃうようなこと、「そんなの歌詞にしたら......」みたいなことを敢えて当ててみると......。例えば“どれにしようかな”は本当に冗談みたいな話だし。

Awich - ジェラードンの動画を二人で観てたんですよ。なんで観てたんでしたっけ?

Chaki Zulu - 「面白いワード探そう」って。「面白いって言ったらお笑いでしょ」ってことで、「最近何観た?」って言ったら「ジェラードンのコントめっちゃ面白かったです」って言ってて、「じゃあジェラードンの動画観よう」って(笑)。

Awich - それで観てたら、角刈りの女子高生のエリナってキャラのネタがあって、恋愛アプリゲームみたいなのに出てくるその子がめっちゃギャルなんですよ。その子がケーキ屋さんに行って「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」とか言って。それがめっちゃ面白くて、しかもパワーワードっぽいな?って思って。「やば、選択肢は私たちにある、選べるって凄くないですか?」って。だって「お前は選べねえよ」みたいな感じで角刈り女子高生が言われちゃうんだけど、その子はそんなこと気にせず選んでるの強くないですか?ってなって。”どれにしようかな”は最初はそれをサンプリングしたりしてたんですよ(笑)。

 - ハハハ!

Awich - その音源もある。

Chaki Zulu - 最初はそのまま引っ張ってサンプリングして、自分でラップして言ったバージョンを作らせて、「これメロディにした方がキャッチーだよね」ってことで歌物にして、コード付けて、少しずつバージョンアップしていったんですけど。

 - 最高ですね。

Chaki Zulu - ジェラードンみたいなところから作り出すとキャッチーな言葉になるなと。”洗脳”の「バカばっかだ全く」の時も、ただのAwichのヴァースの一番最後のセリフだったんですよ。それで締まったんですけど、僕が冗談でそれをコピペしていったんですよ。そしたら「これめっちゃ耳に残るね」ってなって、じゃあそのままフックにしようってことになって。

Awich - “WHORU?”の「お前誰?」もそうですね。「お前誰?」っていうのが私のヴァースの中にポツンとあっただけなんですけど、「これめっちゃパワーワードじゃん」ってChakiさんが言ってくれて。それをリピートしようって。

Chaki Zulu - 長いところに含まれてるフレーズだったんですけど、そこを一回全部無くしてもらって、「お前誰?」から間を空けて「マジでお前誰?」にして。

Awich - 「ここフックだね」ってなって、こうやって構成していくんだなってのがわかりましたね。でもまだ、私が「絶対これ強い」って思ってるのは伝わらなかったりすることもあるし、「え、これでいいの?」って思ってるところが「いや強いよこれ」って言われたりもする。

 - 『Queendom』ってタイトルはどうやって出てきたんですか?

Awich - もちろんヒップホップとかラップの頂点になりたいって思ってたけど、そんなの烏滸がましくて言えないと思ってたんです。「なりたいのになりたくない」っていう矛盾があったんですよ。スポットライトに当てられたくないし、「自分が一番だ」って言って叩かれたくないし、怖い。そういうのがあって「Queen」とか自分から言うのを避けてたところがあるんですけど、作り直すタイミングとかYZERRに色々言われたタイミングとかみんなに相談したタイミングで、「私が覚悟決めなきゃみんな動けない」と思って。「私が女であるリミットとかも全部超えて頂点に行く、トップ取ります」って言って決めた方向性なんですよ。それから「Queen」って言葉が自然に出てきて、「Queen」というよりも私が作り出す理想郷っていうか、私が思ってる理想の国っていうのはみんなの居場所があるし色んな生き方の人がいていいってことで、それはずっと私が提唱してることだと思うんで、「そこにみんなの居場所があるよ」って言いたくて、「私が“Queendom"を作る」って意味を込めて『Queendom』にしました。

 - 強さと同時に優しさだったり多様性を肯定する姿勢も出ていますよね。“どれにしようかな”とかはまさにそう言う曲かなと。他のジャンルで活躍してる女性の名前がシャウトアウトされるのもそういう部分というか。

Awich - そうですね。あそこで歌ってるように、常識を覆すためにやってくれてる人たちで。女ってまだ日本のラップの業界では「敵対視してるんじゃないの?」みたいなこと言われたりして。それって幸せの有限性を言っちゃってるというか、「女ひとりしか勝てません」みたいな。「全員カッコいいことやってるしいいじゃん、全員手を取り合って上に上がって行ってもいい」ってことを主張したくて、いいことやってる人だったり、凄えって思う人の名前を。アンミカさんとかもChakiさんに教えてもらったんですけど、「凄いんだよ」って言うから、本も読んだんですけど、「本当に凄えわ」って思って。言ってることもめっちゃ共感出来るし、それをラップみたいに喋るっていうか、パンチラインがありすぎて。松本人志さんに「おしぼり褒められますか?」って言われて、「白ってな、200色あんねん」って返す動画があって。パンチラインすぎると思って(笑)。「超勉強になります」って感じだったんで入れたいと思ったし。だからそういう人をシャウトアウトするっていうのは、ヒップホップのカルチャーやラップで見せてあげたいと思って。「そういうことが曲中で出来るんだよ」っていうのが面白いかなと思って、実現しました。

 - エンパワメントの塊というか。

Awich - そうですね。他にも色んな人を紹介してもらうんですけど、「この人Chakiさんしか知らないんじゃない?」って人も紹介してくれる(笑)。めっちゃディガーで。

- Chakiさんはそういうアドバイスをする時に参考になると思って紹介しているんですか?

Chaki Zulu - はい。「これをAwichに勧めよう」とか「これをAwichに言おう」とか、「この言葉もしAwichが言ってくれたらパンチラインになるかも」っていうのは常にメモしてて。でもそれを一気に言うと混乱しちゃうから、話の流れで「今良いかも」みたいな時に言ってます(笑)。

Awich - 計算してる(笑)。ありがたいっす。

 - 後半に入ってる“Link Up”もかなり重要な曲だということですが、これはギリギリに出来たんですよね?

Awich - そうです(笑)。“Link Up”はかなりバタバタですね。色んなことがあって作られた曲なんですよ。最終的に¥ellow BucksとKEIJUをフィーチャリングすることになったんですけど、そうなって良かったと思ってて。ヒップホップってお互いの地元をレペゼンし合うっていうストーリーがあって、それを出来る人たちを探してたんですけど、最初に声かけたのがBucksで。Bucksは二つ返事で、「これ俺の為にあるような曲っす」って言ってくれて、すぐ書いてきてくれたんですけど。その次になる人がめっちゃ時間かかって、色んなことがあって。で、Bucksもなんかあったし(笑)。「これ大丈夫なのか」みたいになったんですけど、私たちはそんなことがあっても応援したくて。一緒に曲を作るって決めた上では仲間として出来ることがないかなと思ってたので、それが実現出来てめっちゃ嬉しいんです。最終的にKEIJUに声をかけて、歌の趣旨を伝えた時に、「私はKANDYTOWNのストーリーが凄く好きで、今まで何回も言ってきたことかもしれないけど、この曲でも言ってくれたら私はこの曲を責任持って広めるし、色んな人にみんなのストーリーを知ってもらえるようにめっちゃ頑張るから」って言って書いて貰いました。だからめっちゃ思い入れがあるっていうか、私はこの曲が日本のクラシックになると最初から信じてる。私のヴァースだけライブで既にやってるんですけどめちゃくちゃ手応えがあるから、この曲は重要な曲ですね。

 - 曲のでき方含めてストーリーがありますね。

Awich - 血と汗と涙で出来た曲でございます(笑)。

Chaki Zulu - リンクアップすること自体がそう簡単なことじゃないじゃないですか。だから曲にするのもそれぐらい難しくて。

Awich - だからこそ“Link Up”って曲を作る、みたいな。だから頑張らなきゃ、みたいなことで。“Link Up”って題名つけてるしリンクアップしないとな、って。「チキショー」って思いながら作って、完成してめっちゃ嬉しい。最後のスピード感もすごかった(笑)。

Chaki Zulu - KEIJUのデータが来る日はパソコン開いて、いつでも乗せられるようにしてずっと待ってて。来たら速攻で乗っけてミックスやって。

Awich - みんなが確認するためにまた待って(笑)。マジ凄い。これがボールだったら「パーン、パーン、パーン!」みたいな(笑)。

Chaki - 「この曲は次のアルバムにしよう」とか揺れてたんですけど、僕はどうしてもこのアルバムに入れないと締まらないと思ってて。

Awich - 武道館でやりたいっていうのがあったから、それが実現出来ましたね。危なかった(笑)。

 - 今話にも出てきましたが、武道館に向けてはいかがですか?

Awich - バタバタです(笑)。そんな毎日ですね、今は。色んな人に協力してもらって、バタバタの最中なので。今はアルバムの話みたいに「いやー、よかった」とはならないですね(笑)。今この瞬間も「どうしようかな」って。

Chaki Zulu - まだ緊張とかするの?

Awich - ......します。新しいことに挑戦する時に緊張するんですよね。

Chaki Zulu - じゃあ、例えば前の渋谷のワンマンの時とかはあまり緊張しない?

Awich - しないですね。会場もやったことあるし、ツアーだったから、ツアーのファイナルってめちゃくちゃ良いコンディションで。曲もやってるし大体の感触も掴めてるから。あるイベントで武道館でやったことはあるんですけど、自分が作った長時間のステージで、しかも初めてやる曲があったり。

 - リリース直後ですもんね。

Awich - そういうのは緊張します。あと演出とかも。やっぱり何かちょっと違うことやりたいってこともあるから、「そういうのは上手く行くのかな」って。ツアーみたいに何回もやっててうまくいくって知ってたら緊張しないんですけど、初めてのことがこれから起こるって時は緊張しますね。

 - どういう一日にしたいですか?

Awich - うーん、最終的には楽しみたい。それが一番ですね。楽しくやりたい。だし、みんなが観たいのもそれだと思うし。緊張してる私とか、もちろんちょっとは可愛いと思うかもしれないけど(笑)、最後はそれを全部振り切って集中して心を開いて、「楽しい!」って思ってるところが一番伝わると思ってるから、何も恐れずに楽しもうと思ってます。でもそれまでは出来る限りのことをやりたいですね。

Chaki Zulu - 今でこそ武道館でラッパーがライブやるって珍しいことではないのかもしれないけど、僕がAwichと出会った時は武道館の武の字も無いから。僕自身も一緒にプロデュースして、武道館アーティストをやらせて頂いたこともあるんですけど、スタートから一緒にやって武道館まで一緒に行くっていうのは初めてなので物凄く感慨深い。やっと一つの目標、武道館でやってもらうっていうのは僕の中で大きな目標だったので、どうにか成功してほしい。

Awich - 確かに。色んなことが起こってる今の情勢の中でやるのも一つ意味があると思ってるんで、その記録にはなるんじゃないかと思ってます。

 - 前Chakiさんに話を訊いた時も、この次のことはまだ考えられていないということで。Awichさん自身は武道館の先は何か考えていますか?

Awich - もちろん武道館はひとつのゴールでもある。色んなことを体験させて頂いている中で、RADWIMPSのステージに立ったりして「これ行けるんじゃね?」みたいに思っちゃったりするし(笑)。だからそういうのも含めその次に行きたいなって気持ちもあるし、アリーナとかもやってみたい気持ちもあるし。昨日お父さんから連絡があって、武道館行けなくなっちゃったらしいんですよね。手術になっちゃって。沖縄ってコロナも年明け酷かったから手術が延期になって武道館の当日になったんです。昨日言ったのは、「もっと大きいステージに立つから元気で長生きしてくれ」って。だから、もっと大きいステージを目指さないといけないなって思いますね。

Chaki Zulu - そんなことってあるんだ。お父さん観たがってた?

Awich - 来ることになってました。お母さんとお父さんも連れてこようかなと思って。うるさい曲もあるし見られたらまずい曲もあるけど(笑)。お父さんは元々めっちゃサポーティブなんですよ。だから、来てもらおうと思ってて。もう80歳になるんですけど。だから楽しみにはしてたし、意味とか分からなくてもビジュアルが凄いから、それを生きてるうちに見せてあげようと思ってたんですよ。だから、すぐに頑張らなきゃ。

Chaki Zulu - そうだね。

 - この先やらなきゃいけないことが増えたというか。

Awich - そうですね。何か意味があることだと思ってます。

 - ありがとうございました。

Info

▼「Queendom」配信リンク

https://lnk.to/Queendom

New Album「Queendom」

発売日:3/4(金)

形態:CD+DVD

価格:3,182円(税抜) / 3,500円(税込)

品番:UPCH-2240 

CD収録曲 

1. Queendom

2. GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR

3. やっちまいな feat. ANARCHY

4. WheU@

5. Yen Bloc

6. Heartbreak Erotica

7. 口に出して

8. どれにしようかな

9. Follow me

10. Revenge

11. Link Up feat. KEIJU, ¥ellow Bucks

12. Skit (Toyomi Voicemail)

13. 44 Bars

DVD 収録予定曲 

Shook Shook  MV

Bad Bad MV

GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR MV

口に出して MV

Yen Bloc MV ※未公開映像

WheU@ MV ※未公開映像

Bad Bad(2020 Summer Love Offshot Edition with Yomi Jah)※未公開映像

『Welcome to the Queendom at 日本武道館』

■日程: 2022年3月14日(月)

■会場: 日本武道館

■出演: Awich 

■ゲスト: ANARCHY/ CHICO CARLITO/ DOGMA/ JP THE WAVY/ KEIJU/ kZm/ MONYPETZJNKMN/ NENE/ OZworld/ RIEHATA/ ¥ellow Bucks/ Yomi Jah/ YZERR/ 鎮座 DOPENESS/ +SPECIAL GUESTS (A-Z 順) 

■時間: 18時開場/19時開演

■料金: 6,500円 / 全席指定 

■主催: and music 株式会社

■企画/制作: ALLOWS 

■協力: キョードー東京 / チッタワークス

■お問い合わせ先:キョードー東京  0570-550-799 オペレータ受付時間(平日11:00〜18:00/土日祝10:00〜18:00)

*本公演は新型コロナ感染拡大防止のため、独自に定めたガイドラインでの開催が予定されており、詳細は今後発表される予定

■チケットはこちら:https://eplus.jp/awich/

スペースシャワーTV
Awich「Queendom」SPECIAL
放送日時: 4/23(土) 24:30~25:00、4/27(水) 22:00~

番組情報はこちらから
https://www.spaceshowertv.com/sp/program/special/2203_awich_sp.html

スペシャオンデマンド
Awich「Queendom」SPECIAL
配信中
https://vod.spaceshower.jp/

番組ダイジェスト公開中https://youtu.be/i41KevtB06U

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