KOSUKE KAWAMURA、GUCCIMAZE、YOSHIROTTENによる初の共同作品展『CHAOS LAYER』がギャラリー月極にて開催
KOSUKE KAWAMURA、GUCCIMAZE、YOSHIROTTENによる合同作品『CHAOS LAYER』の展示がギャラリー月極にて7月30日から8月20日まで開催される。
7月に移転した同ギャラリーのこけら落としとなる今回の展示は、東京を中心に国内外のアート・カルチャーシーンなど、その他幅広く活躍するKOSUKE KAWAMURA、GUCCIMAZE、YOSHIROTTENによる新たな制作手法で制作されたデジタルコラージュ3枚をキャンバスに落とし込んだ平面作品の展示と、CHAOS DESKと名付けられた3人の制作現場を融合し展示期間中、変異的に立体コラージュされていくインスタレーションで構成される。
本企画は「それぞれがグラフィックデザイン、デジタルアートを活動のバックボーンにもつ3人で、グループ展ではなく3人で1つのものを作り上げたい」というYOSHIROTTENの提案のもと実現。 KAWAMURAはある作品の制作では2万というレイヤーを重ねた、と話す。レイヤーはグラフィックアーティストの製作にとって必要不可欠なものであり、今回そのレイヤーデータを3 人でdropboxを介して共有するという発想のもと、コラボレーションが進行した。
作品の制作は、1人目が制作した元データを2人目が編集・加工し、3人目へ送り編集・加工を重ね完成させていくという手法で行われている。通常では作家が制作途中のレイヤーデータを他人に渡したり、触れさせることはなかなか起きえないことであり、完成後のコメントでGUCCIMAZEが「どこまでデータを触って良いのかも分からない中で自分なりに試行錯誤し編集をしていくのは、ある種の背徳感も感じた。」とも語っていることに、このコラボーレションの危うさ、難しさが表れている。
今回最終的に完成した作品には特定のメッセージが開示されていないが、3人がそれぞれ提案したベースのモチーフにはそれぞれのメッセージや意味が込められている。完成後にKAWAMURAが語った「いい意味で誰の作品でもない感じ。」というコメントの通り、重ねあげられたレイヤーのもと完成した本作品は、観る者によっては静止画には観えず、一瞬目を離すと違ったグラフィックに変化しているのではないかという感覚、また、この先、時の経過とともに自然と編集加工が続いていくのではという錯覚すら引き起こす。実際に観えない幾重にも重ねられたレイヤーの奥には三者三様の過去が、完成した作品には三者三様が表現したかった今現在が、さらには作品を凝視し続けることにより、観えないレイヤーが浮かびあがり、未来さえも想像できるような作品となる。
混沌としたコロナ禍、人々が直接顔をあわせることに規制がかかった時代に、デジタルとフィジカルの両面に精通する3人が生み出した同作は、この先も活動を続けていく3人のエポックメイキング的な作品に仕上がっている。
Info
CHAOS LAYER
2021/7/30~2021/8/20
@gallery Tsukigime
ギャラリー月極
〒152-0001 東京都目黒区中央町1丁目3−2
Instagram: @gallery_tsukigime
開催日時:2021/7/30~2021/8/20 12:00-19:00 日・月休廊