【フォトレポート】VaVa 『One Man LIVE - Welcome to VVORLD -』

8/11(日)にVaVaがアルバム『VVORLD』をリリース後に全国各地で行ってきた『Welcome to VVORLD Tour』の締めくくりとして、東京・渋谷のWWW Xで自身初のワンマンライヴを行った。

VaVaは昨年リリースした3枚のEP『Virtual』、『Idiot』、『Universe』と、その中からの楽曲に加え新曲も収録したアルバム『VVORLD』と怒涛の勢いでリリースを行った。そしてそれらの作品を携えて、今年2月の代官山UNITでのリリースパーティーを皮切りに、約3ヶ月間ツアーで充実したライヴを続けてきたのがわかる充実のライヴをレポートしよう。

取材・構成 : 和田哲郎

写真 : 横山純

前売りだけで即ソールドアウトとなった初のワンマンライヴ。開演前からフロアにはライヴへの期待が熱気となって溢れていた。19時になると3ヶ月のツアーを共に回ったバックDJのshakkeがDJセットの前に立ち、恒例のイントロを流すと早くも観客たちは、前方に押し寄せ、すし詰め状態に。

shakke

そしてそのテンションをさらにあおるかのように1曲目はダンスチューンの"Make It"だ。マントのようなアウターに身を包んだVaVaも初っ端からテンション全開でステージを所狭しと動き回る。そしてそのままadidasとのコラボチューンの新曲"kNight and Day"をライヴで初披露。『VVORLD』とはまた違った世界をみせた、これまでにないアップリフティングな新曲を堂々とパフォーマンス、VaVaのライヴの代名詞となっている、「3,2,1」という煽りのあとには観客のジャンプで会場の床が揺れるほどの熱量となった。

物凄いテンションを少しなだめるかのようにMCを挟んだあとには"Sa-Ga"と"Honey"を立て続けに。会場を盛り上げつつもVaVa自身は、余裕も感じさせるスタンスで緩急のリズムをしっかりとつける。これも長丁場のツアーの経験で培ったものだろうか、この日のVaVaは自分の世界に没入するというよりは、会場全体の空気を感じて、自身のテンションをコントロールしているようにも見えた。

左から高橋一、山入端祥太、増田薫、

MCで思い出野郎Aチームからホーン隊の高橋一、増田薫、山入端祥太の3人を呼び入れ、ワンマンライヴの醍醐味ともいえるスペシャルな時間がスタート。"現実 Feelin’ on my mind"をホーン隊と共に披露、分厚くなったメロディーに負けず劣らずVaVaもダイナミックなパフォーマンスで応えた。

OMSB
JUBEE
in-d

その直後OMSBとの"New Page"を披露、OMSBが登場すると大きな歓声が巻き起こる。先輩・後輩という垣根を越えた息の合い方だ。OMSBが「VaVaちゃん、ありがとう」と語りかけると、VaVaも「"波の歌"最高でした」と4年ぶりの新曲を発表したOMSBに対してシャウトを送り返した。その後エモーショナルな"ロトのように"と、"Grand Line"で再び会場を一旦落ち着かせると、"Sea Breeze"でCreativeDrugStoreの盟友in-dとJUBEEを迎え入れて、さらに会場をチルなムードに引き寄せる。

KID FRESINO

kZm

一旦VaVa自身はステージを後にすると、ホーン隊と共になんとKID FRESINOが登場。アルバム『ai qing』に収録されているVaVaがプロデュースした"Retarted"を披露。思わぬゲストの登場に会場は騒然となりつつも、精確なパフォーマンスに酔いしれた。FRESINOは「最後まで楽しんで」と足早にステージを去ると、次はステージセンターにスタンドマイクが置かれ、登場したのはkZm。こちらもVaVaがプロデュースした"Yuki Nakajo"を歌い上げる。友人を想い書いた曲に静かに引き込まれていく。

Daichi Yamamoto

kZmがステージから下がるとVaVaが再び登場し、「あるアーティストと作った曲を一緒にやりたい」と話すと、Daichi Yamamotoが現れ、1stアルバム『Andless』に収録されるVaVaがプロデュースし参加もしている楽曲"Los Location"を初解禁。このゲストパートではそれぞれ個性の違うアーティストに対しても、マッチした楽曲を提供するVaVaのビートメイカーとしての幅と実力だった。

角舘健悟

その後はソロのステージに戻り"8 bit Cherry"、"93’ Syndrome"、"渚"の3曲を一気にパフォーマンスするとライヴは早くも終盤戦に。"渚"はin the blue shirtによるリミックスバージョンというおまけ付きだ。汗だくのままパフォーマンスを続けたVaVaも観客に終盤であることを告げ、「もう1人先輩を呼んでいる」というとYogee New Wavesの角舘健悟が登場し、シルキーな"星降る街角"を一緒にパフォーマンス。リラックスした2人の表情が印象的だ。その後再びホーン隊が参加して"Blend"、続けて本編最後の楽曲となったのはラッパーとしての1stアルバム『low mind boi』からの楽曲"Keep All"だ。この楽曲以外は全て2018年以降の楽曲でセットリストが構成されていたことを考えると、改めて1年間での凄まじい飛躍に気づかされる。

あっという間に本編が終了しVaVaも一旦ステージを去るが、慌てたようにタオルを頭にかけたままステージ下から登場する。この飾らないスタイルもVaVaらしさといえるだろう。アンコール1曲目は、現在のVaVaのきっかけとなった重要な楽曲"Call"だ。「もうかっこつけないよ」というラインが印象的な1曲と共に、VaVaは自身のパーソナリティーをしっかりと楽曲にも反映させるようになり、それがファンの共感を呼び支持を広げていった。その直後には、さらに自身に飛躍を促すような未発表の新曲"My Artist"。これまでのVaVaの楽曲とは一味違う楽曲は、今後どのような形で発表されていくのだろうか。

BIM

いよいよライヴも佳境に差し掛かり続いては"Hana-bi"をCDSのもう1人の盟友BIMが登場して披露した。共にインタビューでも語っているように一度は距離があった2人が、今は自然と同じ場所でパフォーマンスを共にしている姿を見ることができるのは、グッときてしまう。笑顔で肩を組む2人が目に焼き付いた。

ここでこの日、図らずしも最大のサプライズが訪れる。VaVaは"Virtual Luv"をパフォーマンスすると話すが、tofubeatsは残念ながら不在。ここでVaVaは観客に向けて「tofubeatsのバースを歌える人はいますか?」と呼びかけ、なんとtofubeats役をその場で募集。多くの観客の中から選ばれたのは17歳のレンくん。バンド活動もしているという彼は、大舞台に臆することなく、しっかりとtofubeatsの代役をやってのけた。このサプライズに観客からも大きなシャウトがレンくんに送られた。

アンコールのラストを飾るのは"Chapter"。観客にライトアップを促し、ラストを祝福するかのような光の中で、VaVaらしさが凝縮された楽曲で1つのチャプターを見事に締めくくった。しかしVaVaのチャプターはこれからも続いていく。強さや弱さにとらわれない自分らしさを音楽で見つけた彼は、次はどんな発見をするのだろうか。そしてどんな音としてそれを届けてくれるのだろうか。

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