Chaka Khanが自身の楽曲をサンプリングしたKanye Westの“Through The Wire”を「馬鹿みたいだと思っていた」と明かす
Kanye Westの歴史的な名作となった1stアルバム『The Collage Dropout』。その中でもかなりのヒットを記録したシングル“Through The Wire”にはChaka Khanの名曲“Through The Fire”がサンプリングされているが、Chaka Khanが同曲をあまり気に入っていなかったことを10数年越しに明かしている。
“Through The Wire”はKanyeが2002年に自動車事故によって顎全体の骨を粉砕骨折してしまった経験を元に制作された。タイトルは怪我によって顎にワイアーを通した状態でラップをしたことから“Through The Fire”をもじって名付けられたものであり、そのようなストーリーも相まってKanyeのキャリアの中でも名曲の一つとして数えられている。
XXLによると、先週水曜日にトーク番組『Watch What Happens Live with Andy Cohen』に出演したChaka Khanは “Through The Wire”について尋ねられ「Kanyeは病院を出たばかりの時に “治療の間あなたの曲にとても助けられました。歌詞を少し変えてしまったんですが、ワイアーを通してラップしなきゃいけなかったんです”って電話してきた。とても感動して、心を強く引っ張られた気がした。だから“ええ、使っていいよ”って答えた。それで実際に聴いてみて腹が立ったの」と語り、“Through The Wire”で自身のボーカルのピッチが変えられているモノマネをした後「ちょっと失礼だと思ったし、失礼というか、馬鹿みたいだと思った。そうすることを知ってたなら“絶対に嫌だ”って言ってたと思う」と、ピッチを変えられたことに対し腹が立ったことを明かしている。
サンプリングしたボーカルを早回しする手法は初期のKanyeを語る上で外すことが出来ない発明の一つで、ヒップホップにとどまらず幅広いジャンルの音楽に影響を与えることとなった。しかし、Chaka Khanが自身のボーカルをいじられたことに複雑な気持ちを抱いたことも理解出来る。
その後Chaka Khanは「サンプリングされたことでお金は入ったんですか?」という質問に対して「ええ」と笑って答えていることから以前ほどの怒りは抱えていないようだ。
サンプリングという文化の難しい一面が垣間見えるニュースであった。