Flying Lotusが現代の若手ラッパーのキャリアについて語る
先日、約5年ぶりのニューアルバム『Flamagra』をリリースしたFlying Lotus。Tierra Whackなど若いアーティストもフィーチャーし、各所から高い評価を得ている同作だが、今回そんな彼がVultureのインタビューに登場。『Flamagra』についてはもちろん、現在の若手ラッパーについて語っている。
「今から20年後も話題にのぼるであろう若いラッパーは誰だと思う?」と聞かれた彼は「誰もいない」と答えた。一見すると、現在の若いラッパー達を批判しているように受け取れる回答である。しかし、彼は続けてこう述べている。
「20年っていうのはとても長い時間だ。なんなら10年間、このシーンに生き残ることが出来たら祝っていいくらいだし、その後も生き残って、家族の世話をすることが出来る。それは俺にとって大きな事だった。俺は祖母や姉妹を養うことが出来た。もし6年間で、それが成し遂げられるのなら素晴らしいことだ。Madlibはこう言ってたよ。‘お前は6年間プロデューサーをしてる。それだけだ’ってね」
つまり、彼が言いたいのは現在の音楽シーンにおいて、20年もの間生き残るのは非常に難しいということだ。確かに、今の音楽シーン、特にヒップホップシーンはネット上などから簡単に人気を獲得出来る反面、その人気を長期間維持するのは難しくなってきている。もうすぐ、キャリア20年を迎えるFlying Lotusだからこそ言える事かもしれない。
今から20年後となると、2039年になるわけだが、確かに今の若手ラッパーが生き残っている姿を想像するのは難しい。おそらく、20年後には音楽シーン自体も大きく変わっていることだろうが、長くシーンに居座り続けるには楽曲のクオリティが重要なのは間違いないだろう。果たして、現代のラッパーの中で20年後も話題に上がるラッパ-はいるだろうか。はたまた、Flying Lotusの言うように誰もいないだろうか。