SoundCloudからキャリアをスタートしたラッパーは俗に「SoundCloudラッパー」と呼ばれるが、近頃はそこにカテゴライズされることを嫌うラッパーも多い。以前はJuice WRLDが自身をSoundCloudラッパーと呼ぶファンに対して苦言を呈していたが、フロリダ出身のラッパーWifisfuneralも「SoundCloudラッパー」と呼ばれることに嫌悪感を抱いているようだ。
Wifisfuneralは先日、Twitterにて「Wifisfuneralは昔のSoundCloudのスタイルに戻った方がいい」と語るユーザーのツイートに反応。「何も分かってないな。俺のスタイルが好きじゃないならそれでいいだろ。お前らは自分たちが何もかも分かってると思ってて、俺はお前らに自分のことを説明するのに疲れたから、もうそれでいいよ。俺は自分の音楽を愛してることを証明するだけだ」と語り、続けて「それと、俺はSoundCloudラッパーじゃないからな。あれはYouTubeやその他よりも発展していたから、俺にとって音楽をリリースする適切な場所だったというだけだ」とツイートした。
This whole tweet ignorant lol if you just don’t like my style that’s one thing. Def evolved though. At the point where I’m tired of explaining myself cause y’all think y’all know everything so ima just let y’all win LOL I’ll go legit insane tryna prove myself I love my music tbh https://t.co/CNYy9IcILo
— wifisfuneral (@wifisfuneral) 2019年2月24日
Oh and I’m not a fucking SoundCloud rapper it was just the only relevant outlet to release music on because YouTube or all that other shit wasn’t half advanced as it
— wifisfuneral (@wifisfuneral) 2019年2月24日
彼はSoundCloudを出自に持つ上にXXXTentacionを代表とするフロリダシーンの一員であり、またフェイスタトゥーの入ったルックス、鬱なリリックやドラッグ中毒の過去も含めて「SoundCloudラッパー」らしさは十分なアーティストだ。しかし彼にとってSoundCloudはあくまで楽曲を上げるためだけの場であり、そこにアーティストとしてのアイデンティティは感じていないらしい。
「SoundCloudラッパー」というカテゴリーに対する距離感は人それぞれであり、「SoundCloudは俺はいるから存在している」と発言したLil Pumpや「俺がSoundCloudラップの生みの親だ」と主張したSmokepurrpのように強い帰属意識を抱いている者や、Wifisfuneralらとは真逆に「もっとSoundCloudラッパーと呼んでほしい」と、そこにコミットしていくことに意欲を見せる$uicideboy$のようなアーティストも存在する。
いずれにせよ、Wifisfuneralのように「SoundCloudラッパー」という枠から抜け出そうとするアーティストが増えていることからも、かつて盛り上がりを見せたSoundCloudラップシーンが過去のものになろうとしていることがよく分かる。各々の個性を模索するアーティストを簡単に一つのカテゴリーにまとめることはやめた方がいいのかもしれない。