いよいよ現地時間の2月10日に迫るグラミー賞の授賞式だが、ヒップホップアーティストが相次いで授与式でのパフォーマンスのオファーを断っていると伝えられている。
New York Timesによると、現時点でKendrick Lamar、Drake、Childish Gambinoがパフォーマンスのオファーを断ったそう。授与式のプロデューサーの1人であるKen Ehrlichはこの件について、グラミー賞自体がヒップホップシーンとの繋がりを作るのに失敗したのが要因の1つだと語っている。
「事実として、我々はヒップホップシーンとの間に問題を抱え続けている」と語ったKenは続けて、「彼らが大きな賞を受け取らないとき、協会への敬意やグラミー賞の権威は、ヒップホップコミュニティにとってそれほど意味のあるものではなくなってきている。悲しいことだ」と後悔の念を口にした。
実際、上記の3人はいずれも今年のグラミー賞にノミネートされているが、以前よりグラミー賞では白人優遇が問題になっており、そのような要因も今回のオファーの拒否につながったのかもしれない。
また、VarietyではAriana Grandeもパフォーマンスのオファーを断ったと伝えられている。最近ではタトゥーも話題になった彼女は、最新シングル“7 Rings”をパフォーマンスしたかったそうなのだが、それをプロデューサー側が拒否。その後、一旦はプロデューサー側が演奏の許可を出したものの、結局Ariana側に楽曲を決める権利はなかったそうで、これを「侮辱された」と感じた彼女はパフォーマンスの拒否のみならず授与式自体を欠席することにしたそうだ。グラミー賞では前述した黒人差別と同様に、女性差別も以前から問題になっているが、解消への道のりはまだまだ遠いと言えるだろう。
だが今年はKendrick LamarやDrake、Cardi Bなどが主要賞にノミネートされており、去年よりもヒップホップアーティストが受賞する可能性は高いと見られている。今後のグラミー賞とヒップホップコミュニティのためにも今年の発表に期待したい。