Young Thugとエルトン・ジョンの曲“High”はどのようにして生まれたのか

先日、Young Thugの最新EP『On The Rvn』がドロップされたが、やはりEPの最後に収録されているElton Johnとの楽曲“High”は大きな話題となっている。

2015年に、NoiseyでのインタビューでElton JohnがYoung Thugがお気に入りだと公言し、2016年に出会って以来コラボの噂が囁かれていた2人。

そして今回、実際に2人のコラボが実現したわけだが、どのようにして“High”という曲は生まれたのだろうか?
まず、この曲を聴いたときに印象に残るのは、Thugのラップよりもエルトン・ジョンの声だろう。
ニューヨークのプロデューサーStelios Philiによって作られたこのトラックはエルトン・ジョンの1972年にリリースされたシングル“Rocket Man”をサンプリングしている。

そんなStelios PhiliがFADERに曲の制作秘話を語った

彼の話によると、実は2016年にThugとジョンが会っていた時点で“High”は完成していたとのこと。Thugサイドが2年間リリースするタイミングを見計らっていたらしい。

PhiliはNoiseyでのジョンのインタビューを読んで、どうにかして両者を繋げたいと思ったという。

「インタビューを読んで、俺は『これはヤバい!俺がこの2人を繋げる為に出来ることをやらないと』っていう気持ちになったんだ」と彼は明かしている。
その後、Philiが早速ThugのA&RであるGeoff Ogunlesiに連絡をとったところGeoffはそのアイデアを歓迎してくれたそうだ。
そして“High”は誕生したわけなのだが、そこから2年半もの間リリースされずに隠されることとなる。
Philiは“High”がいつリリースされるのかは知らなかったらしく、ビートを作った段階では、その当時Thugが制作中と噂されていたプロジェクト『Hy!£UN35』に収録されると思っていたそう。だが実際は収録されずに、今になってリリースされたというわけだ。

結果的に、大きな話題になっていることは間違いないので、タイミングとしては正しかったのではないだろうか。

Paul McCartneyがKanyeとコラボもそうだが、ロックのレジェンドともいえるアーティストがラッパーとコラボするのは非常に面白いことだ。

今後もこのようなコラボレーションは続いていってほしい。

Stelios Philiのインタビュー全文はこちらから。

RELATED

アドビがYoung Thugの新作『Punk』をテーマにしたクリエイティブチャレンジを開催 | グランプリの作品を用いたジャケットをYoung Thugが着用へ

アドビが10月にニューアルバム『Punk』をリリースするYoung Thugとクリエイティブチャレンジを開催する。

Lil DurkがミームとなったYoung Thugとの画像について詳細を明かす

2年ほど前、コラボ曲を制作していたYoung ThugとLil Durkがパソコンを見つめる画像がインターネットミームとして流行したことを覚えているだろうか?Young Thugの神妙な面持ちとLil Durkのポカンとした表情がなんとも可笑しいこの画像は現在でもしばしばTwitter等で用いられているが、今回、Lil Durkが画像についてのSNS上の声に反応した。

Young Thugの愛犬Ms Tootieが亡くなる|タトゥーを腕に彫ることで追悼

先日はPop Smokeの遺作『Shoot For The Stars Aim For The Moon』収録曲への参加で話題を呼び、またTravis Scottとのコラボも噂されているYoung Thug。そんな彼のSNSにしばしば登場していた愛犬Ms Tootieが先日この世を去ってしまったことが報じられている。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。