山谷佑介による個展『Doors』がユカ・ツルノ・ギャラリーで開催

『Tsugi no yoru e』や『ground』など、様々な角度から写真にアプローチした作品を発表してきた写真家の山谷佑介による個展『Doors』が、東京・品川のユカ・ツルノ・ギャラリーで開催される。

今回の個展は山谷初のセルフポートレートとして、今年の4月 に京都で発表されたパフォーマンス作品『The doors』から展開したもの。

前作『Into the Light』で山谷は、東京郊外の深夜の住宅街を赤外線カメラで撮影し、日常の不可視な側面へと歩みることを試みた。同時に暗闇にたたずむ住宅の前でフラッシュを放つ撮影は、精神的かつ肉体的に、「見る」ことと「見られる」こと、そして自らの「撮る」という行為を山谷に強く意識させることになったという。

そのような体験から作られた初のポートレイト作品が『The doors』だ。会場では、暗闇のなか、自身が10代の頃から続けているドラムを使ったパフォーマンスが行われ、パフォーマンスの間に撮影・印刷された写真が空間を埋め尽くした。

パフォーマンスのために山谷は特殊なカメラ装置を考案、ドラムを叩くことによってドラムセットにつけられた振動センサーが反応してシャッターが切られ、写真が印刷される仕組みとなっていた。

不規則に切られるシャッターと暗闇に放たれるフラッシュは、山谷のパフォーマンスを残像として観客にやきつけ、出力された写真はそれとは違う山谷のイメージを生み出すなど、パフォーマンスから写真の生産にいたるまでの一連の流れは人間の意識や物事をみる眼差しなどの複雑さを浮かび上がらせた。

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「SD_0415」 gelatin silver print, 2018

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『The doors』ギャラリー山谷、2018

今回の展覧会では、新たなパフォーマンスとともに、『The doors』で撮影された映像や出力されたセルフポートレート、そして山谷のパフォーマンスの痕跡ともいえるドラムヘッドの傷から作られたフォトグラムが並ぶ。

Info

山谷佑介「Doors」
会期:2018年6月9日 - 7月14日
* パフォーマンス:6 月 9 日(土)19:00 ‒ & 7 月 7 日(土)15:00 ‒ 開廊時間: 火 - 木、土 11:00 - 18:00、金 11:00 - 20:00
休廊日: 月、日、祝

協力:TG 電子工房 映像素材:石田悠介 パフォーマンスエンジニア:山森文生

ユカ・ツルノ・ギャラリー 03-5781-2525 / info@yukatsuruno.com

 

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