Rick Rubinがプッシュするアトランタの新鋭ラッパーPollari
Pollariは2014年に音楽活動を開始しアトランタで最も注目を浴びているラッパーの1人だ。オートチューンを施したどこか気の抜けた歌のようなラップとアトランタの音を色濃く残すサウンドで彼にしか出せない世界観を作り出している。
SoundCloudでは4万人近いフォロワーを誇り、"Bitches On Bitches"は100万再生を達成した。XXL Freshman候補にも名を連ねている彼の人気の秘密はいったい何なのだろうか。
Elevatorのインタビューによると、幼少時代Kanye WestやR&Bを聞きいており年月が経つともに地元アトランタの音楽を好きになったようだ。好きなアーティストは幅広くマイケル・ジャクソンからYoung Thugまで多岐に渡っている。さまざまな音楽を聴き、このような不思議なサウンドが完成されたと思うと納得がいく。
2014年の時点でおそらくPollariの名前を知るものはほとんどいなかったと思う。ほぼ無名の状態からどのようにキャリアを積み上げていったのか。重要だと思う点をキャリアに沿ってピックアップしたので見ていきたい。
1つ目はMetro Boominとの出会いである。2014年の後半、BAPEやSaintLaurentなどのファッション関連の仕事をしていた時にお互い出会ったそうで、Pollariが音楽業界に参入するときに手を貸してくれたのがメトロだそうだ。当時今ほど知名度のなかったPlayboi Cartiとコラボして作た"FeFe"がこちらだ。
まだPollariの音楽性が確立されていない段階での作品なので今と比べてみても面白い、着地点のないような怪奇的なビートが特徴だ。
この曲以降コンスタントにEPを出し続け、Pollariは地元アトランタで人気を獲得していった。そんな中で、彼のキャリアに勢いをつける出来事が起こる。2つ目は、リック・ルービンと契約を交わしたことだ。この出来事は確実に彼のキャリアを押し上げたと言える。そんな中リリースされた曲は、Pollariのオートチューンが絶妙にマッチしていて不思議なサウンドに仕上がっているので聞いてみてほしい。特にこの曲は沖縄の音階を使用していてタイトルになっているScale(音階という意味もある)にかなり意識をおいている。電子音がさらに曲の広がりを助けているので一聴していただきたい。
最後の3つ目には2017年5月8日にドロップされた『Dorothy EP』を紹介したい。ジャケット写真には鉄腕アトムが使われているところから、日本のアニメにも興味があるのだろう。話題に上がっているマンブルラッパーとも、一線を画すようなオートチューン加工は聴いていて気持ちがいい。彼の影響されたアーティストの一人にYoung Thugがいることから、このようなビートと声の境目がないような作品ができたのだろう。『Dorothy EP』は下のSoundCloudで聴くことができる。22017年はPollariの動向から目が離せない。