札幌のカメレオンコンポーザーMashew Hayaが鳴らすインディローファイなダークファンク、ヒップホップ
Mashew Hayaは北海道札幌市で活動するソロアーティストだ。プロフィールに引用できそうな情報はほとんど見当たらないが、彼のベッドルームから聴こえてくるのはスタイルを分かつ2つのサウンドプロジェクト、ソロバンドThe Sky Mataと、ヒップホップ/R&Bをベースとした活動名義Mashew Aceである。
その双方の活動において独創的なアプローチを見せ、札幌の自室を舞台にインディーからヒップホップを跨いでいくMashew Hayaの音源を紹介する。
The Sky Mataは、ローファイ/チル/ダークファンク/アシッドフォーク、あるいはボサノヴァなどの隙間を曖昧にフロウしながらインディに着地するソロバンドだ。今年6月に1st albumをBandcampとフィジカルで自主リリースしている。ぬるく、甘い歌唱とメロディを乗せて怪しくファンクするストーンドポップス”Frasco Song”をはじめ、リラックスしたムードに差し込まれる不気味なセクションが印象的な”Close Your Head”など、インディの面持ちながらコードワークやビートメイクにはボサノヴァなど南米の趣が滲んだ楽曲が並ぶ。Sam Prekopをもう少し俯かせて、ルードさを足したらこんな音になるだろうか。
The Sky Mataに香る、しなやかな黒さがより前景化しているのがヒップホップ/R&Bをベースに据えた彼のもうひとつのプロジェクト、Mashew Aceだ。サンプリングと打ち込み中心のトラックに、滑らかなベースラインとシンセサイザーが肉感的なフローをもたらし、各パートから立ち昇るジャズの湿り気はスモーキーなラップを覆って、身体の内側に染み込むようなソウルミュージックを聴かせてくれる。
いずれのプロジェクトにおいても洋の東西を問わず、多くのオーディエンスが舌を巻くようなクオリティの楽曲を携えている。じわじわとその才能の片鱗をインターネット上に落としていく彼の今後の活動を楽しみにしたい。(miyano mafuyu)
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