Ben UFOがB2Bの音楽的意義を語る「DJにとってB2Bとは集客の手段以上の意味がある」
イギリスのDJで、来日公演も度々行っているBen UFOが自身のFacebookのページに、B2Bをすることについて、という長めのポストを投稿した。
B2Bとは、2人のDJが交代で曲を掛け合う、DJのプレイスタイルのことである。DJたちはB2Bで、相手が掛ける曲に合わせ、ムードを作り上げるために似たような曲を掛けたり、逆に肩すかしするような曲を掛けたりする。それはまるでDJ同士が行うジャズの即興演奏のようなものだ。
そんなエキサイティングなDJ同士のB2Bは、ときに単純に集客のための手段にも使われたりする。1人のDJに1時間DJをさせるより、1時間2人のDJにB2Bさせる方が、費用対効果が大きいと見るイベントプロモーターが多い。B2Bの音楽的な側面より、とにかく多くのDJの名前を出演者リストに載せたいと考えるからだろう。
Ben UFOも「最近B2Bをしてくれないかとよく聞かれるんだ。僕自身よく他のDJとB2Bをよくしてるからね。 多くの人は、人を引きつけるためだけに、もしくはフェスのチケットを売るための安っぽい手段としてお願いしてくるよ。(大体がそうなんだけどね!)」と語る。
しかしBen UFOにとってB2Bとは特別なものなのだ。
Ben UFOは「多くの人がB2Bとは同じようなスタイルのDJ同士しかうまくいかないと行ったり、スタイルの違うDJはB2Bをするべきじゃないと言うけど、全く反対のことを考えているよ」と疑問を提起する。
「もちろん、2人のDJには何らかの共通項がないといけないのは明らかだ。けど、ほとんどなんの共通点もないDJがB2Bをして、その2人が1人では創り得ることができないものを創り上げるというのは素晴らしいことなんだ」とB2Bの可能性を語る。
続けてBen UFOは「もちろんうまくいかないこともる。けどうまく行くかどうかが全てじゃない。B2Bは自分の居心地のよいゾーンから抜け出なきゃならなくする。そして自分がコントロールできないことに対応しなくてはならなくなる。もちろん自分で気付いていない手癖みたいなものを見直すことにもなる」と、B2Bを多角的に評価する。
だからBen UFOは「B2Bのようなコラボレーションは、利己心から自分を解き放って、周りの人のために音楽をすることに対してポジティブな気持ちにさせてくれる」とB2Bをする機会に感謝すらしている。「ぼくは友達やたくさんの人の中で、どう音楽を聴くか、であったりどう音楽の輪に参加するかというのを学んで育った」と自身が辿ってきた環境を明らかにする。
ぼくは今まで一緒にDJをしてきた、JackmasterやMorphosis、Joy O、Helena Hauff、Call Super、Lena Willens、Zip、Four Tet、もちろん10年間やってきたHessel Audioのみんなからたくさんのことを学んだよ。
Ben UFOはアムステルダムのADEフェスでHuneeとB2Bを行う予定だ。HuneeとBeu UFOはまったく違うDJであるものの「アティテュードは同じだし、おもしろい道を2人で見つけることがきっとできるよ!」と前向きな様子を明らかにしている。
これは大昔に撮影したJoy Orbisonとの写真だそうだ。
昨年、大阪のCircus Osakaで開催された「Factory」にBen UFOが出演した時のDJセットの録音はこちら。