SpotifyがApple Musicと独占契約しているアーティストに対抗措置?
Spotify対Apple Musicのストリーミングサービスの覇権をめぐるバトルは留まることを知らずどんどんエスカレートしていく一方だ。それはアーティストにも影響を及ぼしているという。
SpotifyがApple Musicと独占契約しているアーティストに対する措置とは、簡単に言うとApple Musicと契約しているアーティストの新曲などを、Spotify内でユーザーが探しにくくするというものである。Apple Musicで独占配信をするアーティストの楽曲がApple Music内のみでストリーミング可能となった時点から、独占配信終了後もSpotify内でのプロモーションはされにくく、プレイリストなどに追加することもなかなかしてくれないという。またApple Musicと契約しているアーティストで、自分たちがSpotify検索エンジン上に出てこないと非難するアーティストも何人かいるようだが、Spotifyは検索結果についてはなにも変更を与えてないとクレームを否定している。
このSpotifyのApple Musicに対する報復ともいえる方策はかれこれ1年ほど続けられているようだが、実はApple MusicだけではなくJay Zが所有するTidalと独占配信の契約をしているアーティストも対象としているようだ。各サービスと契約しているアーティストの中には、Apple MusicはDrakeやKaty Perry、Frank Ocean、TidalにはRihannaやKanye West、 Beyonceなどがいる。
Drakeなどの大物アーティストなら新曲がSpotifyでフィーチャーされなかった程度で知名度に影響が出るようなことはないものの、駆け出しのアーティストにとってはこのSpotifyの方策は少し痛手となりえる。実際にあるシンガーソングライターは、DJ Zane Loweがパーソナリティーを務めるApple MusicのラジオステーションBeats Oneにて新曲を披露する予定だったが、Spotifyによるプロモーションを失うことを恐れて予定をキャンセルした。
Apple MusicやTIdalがユーザーに有料で独占配信などのサービスを楽しんでもらう体制をとる一方、Spotifyはその手法は音楽業界にとって害があると主張し続けている。各レコードレーベルはSpotifyが有料会員だけにアーティストの楽曲を提供するように説得しようとしているが、Spotifyはそれを承諾せず、無料サービスから入ることによって有料会員を増やしていこうという方針のようだ。(Ibuki Kasai)