昨年リリースのデビューアルバム『Room 25』も高い評価を受けたシカゴ出身のラッパーNoname。『Factory Baby』と題された2ndアルバムを来年リリースすることも予告している彼女が、音楽活動を引退することを示唆する発言を行い話題となっている。
Faderによると、Nonameは今週水曜日に自身のTwitterを更新。そこで「正直に言うと、もう心の全てを音楽に傾けることが出来ない。“アーティスト”と“ファン”の関係はマジで不健全だと思う。みんな自分が好きなものだけ好きだと言って、嫌いなものは全て嫌う。私はどちらの側にも立ちたくない。『Factory Baby』が出たら、もう終わりだよ」とツイートしており(現在は削除)、次回作のリリース後にシーンから身を引くことを仄めかした。
ファンとアーティストの関係がSNS等の発展によって変容してきている、との声が多く聞かれる昨今。以前T.I.が「キャンセルカルチャーはフェイクだ」として一度問題を起こしたアーティストが音楽以外の要素だけを切り取られて批判を受けることを批判していたように、ファンたちの声が大きくなってきたことがある程度アーティストにとって負担となっている部分も無いとは言えない。あるいはNonameの「好きなものだけ好きだと言って、嫌いなものは全て嫌う」と言う言葉は、Camp Flog Gnawにシークレットゲストとして登場したもののFrank Oceanの出演を望んでいた観客からブーイングを浴びてしまったDrakeの一件を踏まえたものだと捉えることも出来る。
いずれにせよ、Nonameのように才能溢れたアーティストがシーンの現状に疲れ引退してしまうのは非常に勿体無いことだ。現在は投稿を削除しているためその後の意思は分からないが、今後も彼女が順調に活動を続けることを願うばかりである。