全米シングルチャートにて自身の楽曲“Old Town Road”が前人未踏の19週連続1位という大記録を達成し、一躍スターの仲間入りを果たしたLil Nas X。そんな彼が今年の7月、LGBT月間に合わせて自身がゲイであることをカミングアウトし大きな話題となったのは記憶に新しい。そして今回、彼はHBOの人気企画『The Shop』に登場。その予告映像が公開されている。
『The Shop』はスポーツ界や音楽業界、ビジネスシーンなど様々な業界の著名人が集まり、様々なテーマについて議論していくという企画で、今回はLil Nas Xの他に俳優/コメディアンのKevin Hart、NBA選手のKevin Loveなどが出演しているようだ。
.@lilnasx speaks the truth about his choice to come out while at the top. More of The Shop on @HBO now! pic.twitter.com/wETNaPUU5t
— UNINTERRUPTED (@uninterrupted) 2019年9月4日
公開された予告映像の中でLil Nas Xは、先述したカミングアウトについて、なぜカミングアウトすることが重要で必要なことなのかをKevin Hartから問われている。それに対し、「あれ(カミングアウト)は別に強制されたわけじゃないというか」と語り始めたLil Nas Xは続けて「俺は成長するにつれて、ただ知っていったんだ。それは憎むべきものだということを知りながら成長していたんだよ」と回答。
その答えを聞いたKevin Hartはさらにたたみかけ、子供の頃何を憎むように教えられたのかをLil Nas Xに問いかけた。「ホモセクシュアリティ、ゲイの人達だよ」と答えた彼はさらに「おいおい、君たちがフッドから出てきたならわかるだろ。俺にとって、トップに立つイケてるアーティストっていうのは、いつでもこういうこと(カミングアウト)を言える奴なんだ。トップにいるならそれがリアルだってことは分かるだろ」と全てをさらけ出せるようなアーティストが本物であると主張している。
Twitter上では、Lil Nas Xを質問攻めにしたKevin Hartへの批判や、この議論全体を批判するツイートが噴出。
Lil Nas X is a gift. He continues to be courageous and wise. But putting him in a situation to be gaslit by known homophobes about his choice to come out is terrible. pic.twitter.com/AAsGSlzmb0
— Frederick Joseph (@FredTJoseph) 2019年9月4日
「Lil Nas Xはギフトだ。彼は勇気と賢明さを持ち続けている。でも、同性愛嫌悪者達の中に彼を置いて、彼の選択について話させるというのはひどい」
Kevin attempting to come off as the “enlightened” one here when he literally lost the biggest job of his life due to homophobia is big jokes. https://t.co/pukH60SrHr
— April (@ReignOfApril) 2019年9月4日
「同性愛嫌悪により文字通り人生最大の仕事を失った彼が、このような場で啓発しているように見せようとしているのはたいしたジョークだ」
2個目のツイートは、昨年アカデミー賞授賞式のホストを務める予定だったKevinが過去の同性愛嫌悪発言に対する批判を受け、最終的に辞退するという一幕があり、それになぞらえたものだとみられる。
まだ全編が公開されていないため、予告映像とは全く違う流れでLil Nas Xのカミングアウトについて議論している可能性はある。Young ThugもLil Nas Xがゲイであることを明かした直後に言及していたが、いずれにせよ勇気を出してカミングアウトした人物に対してなぜそれをしたのか、その必要はあったのかと問うのは今の時代ではナンセンスだろう。このような議論が必要ない世界が早く到来するのを願うばかりだ。