2017年より、複数の女性を家に集め「セックスカルト」を形成していたという疑惑や、昨年には自身を取材していた女性ジャーナリストに暴行を加えていたことが告発されるなど混乱の渦中にいるR. Kelly。
上記の件に関して、これまで起訴などの具体的な動きはなかったが、ついに検察が動き出したようだ。現在、ジョージア州のフルトン郡地区検察局により、上記の2件を含むR. Kellyの性的虐待について調査されているという。
関係者によると検察は彼の「セックスカルト」に巻き込まれていたと見られるJoycelyn Savageという女性にR. Kellyとの関係など事情聴取を行ったそうだ。
この女性は実際に数年の間、家に軟禁され彼とともに生活していたらしく、以前には彼女の家族がラジオ番組のインタビューに出演し、「セックスカルト」について語っていた。
彼女の両親は「彼女は洗脳されており、Kellyの家から出ることを許されず、外部と連絡を取ることも出来なかった」とこのインタビューにて語っており、「セックスカルト」の生々しい実状がうかがえる。当時、Joycelyn自身はR. Kellyに浮上した疑惑を否定し、家族に彼を悪く言うのはやめるよう呼びかける動画を撮影していた。
彼女が検察の事情聴取に対してどのような回答をしたのかは明らかになっていないが、The Blastによると、どうやら今回の事情聴取は現在波紋を呼んでいるR.Kellyの性的虐待の実態を暴くドキュメンタリー『Surviving R.Kelly』を受けて行われたものだそう。このドキュメントのスペシャルに登場した、以前Kellyのもとで働いていたという男性は、上記のJoycelynによる疑惑の否定は、Kelly自身の脚本によるものだということを示唆していた。
その男性によると「最初にJoycelynの家族が、Joycelynについて話すためにメディアに出てきたとき、R. Kellyはこの状況を立て直すための会議を設けた」そう。さらにこの男性は「まずはじめに彼が行ったのはJoycelynをTMZのカメラの前に立たせることでした。これは彼が普通ならしなかったことです。Joycelyn Savageが作ったビデオ(上の動画)に関しては、作られたものです。なぜならRobert(R. Kelly)は彼が秘密にしろと女性達に伝えたことを、その女性達が暴露するのを許さないからです」と全て仕組まれたものであることを語っている。
また、TMZによると検察はJoycelynと同じようにR. Kellyの家に軟禁されていたAsante McGeeにもポリグラフを用いた事情聴取を行ったとのこと。彼女は『Surviving R.Kelly』への抗議のためにKelly自身がアップしたFacebookの投稿にて標的にされた人物だ。この事情聴取に関しても詳しい情報は明らかになっていない。
別の関係者は「Kellyは虚偽の容疑を含む、複数の容疑で罰される可能性がある」と述べており、Kelly自身に検察の手が及ぶのも時間の問題かもしれない。
シカゴの検察は現地時間の火曜日午後、記者会見を開き、『Surviving R. Kelly』での疑惑に対して言及した。検察官のKim FoxxはKellyの手によって虐待を経験した人々からの協力なしでは正義を果たすことは出来ないと主張し、全ての被害者に前進するよう求めている。彼女は「私は、性的被害の話をすることでトラウマを追体験するには勇気が必要なことを強調しておきたい。だが、我々が性的暴行や家庭内暴力を含む事件を起訴するためには、その被害者の説明や証言に頼るしかない」と協力を呼びかけた。
いよいよ検察が動き出したR. Kellyの性的暴行事件。まだまだ先は長そうだが、どのような結末を迎えるのだろうか。