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ラッパーがMVに本物の銃を登場させたことで出演者20人が逮捕される
ギャングスタラップの美学とはリアルであること。自身を取り巻く環境や体験した出来事、日々のハスリングについて歌うギャングスタラップには、リアルであることを何よりも重要視するような見方があることも確かである。しかし、時にはそれが行きすぎて残念な結果を招いてしまうこともあるようだ。
ヒューストンのラッパーNFL Cartel Boは“Hoova”と題された楽曲のMVを公開。
激しいトラップビートの上で正統派なギャングスタラップをスピットする優れた楽曲だが、なんとこのビデオの出演者、そしてNFL Cartel Bo自身までもが警察に逮捕されてしまったのだ。
Click 2 Houstonによると、MVの撮影はHillard Elementary Schoolという小学校の側の公園で行われていた。銃を持った人物が複数いる撮影現場を怪しむ者は当然多く居たようで、複数人が警察に通報。警察が到着した際にはすでに現場から多くの人間が逃亡していたようだが、取り調べによって現場にあった10個以上の実銃、そして薬物が押収された。
2ヶ月後に“Hoova”のMVが公開されると、警察はそのビデオを手掛かりに容疑者たちを追跡。結果的に、ビデオの出演者とNFL Cartel Bo自身も含めた計20人が重火器の違法所持で逮捕されてしまった。MVに出演していた銃を持ったエキストラは全員が指名手配されていたギャングのメンバーであり、警察にとっては願ってもいないチャンスだったようだ。
NFL Cartel Boは拘留された後に保護観察処分となったが、彼は保護観察処分を課された際足首につけられる監視カメラを破壊し、現在も逃亡を続けているという。
リアルすぎるのも考えものかもしれない、と思えるような一件であった。