近年ヒップホップのアーティストは、これまでにないくらい様々なジャンルに進出しているのはFNMNLでも日々伝えている通りだ。
アパレルにおいては、これまでのストリートファッションという枠を飛び越え、モードにもラッパーたちは進出を図っている。
さらに自身でブランドを運営するアーティストも多く、新モデルが発売されるたびに世界中で争奪戦が勃発するKanyeのYEEZY BOOSTや、A$AP MOB創始者の1人であるA$AP BariによるVLONEなどは今最もホットなブランドの1つとして挙げられる。
音響機器業界において、低音に特化した音質とスタイリッシュな外観により世界中のセレブからも愛されるDr.Dre手掛けるBeatsなど、ラッパー達はその活動領域を確実に広げている。
Jay Zや50 Centのように実業家としても成功しているアーティストも多いことから、ラッパーにはビジネスの手腕も備わっているケースが珍しくないのかもしれない。
そんな中、今回取り上げるのはなんとフード業界。
フード×ヒップホップという斬新なミックスの例をいくつか紹介しよう。
まず紹介するのは、“ヒップホップ公式スナック菓子”こと「RAP SNACKS」。
Lil RomeoやMigos、Fetty Wap等の人気ラッパーを1組ずつプリントされた独特のパッケージ。
「なんだ、アーティストの絵をプリントしているだけか。」と思うのは大間違い。
商品裏面にQRコードが記載され、読み込むことでなんと各アーティストの未発表曲が聴けるのだ。また「#rapsnacksigotchips」のハッシュタグによるInstagramへの動画投稿数でも盛り上がりを見せている。同商品は主にアメリカのコンビニで販売されているが、Amazonでも取寄せ購入可能だ。
ぜひ各パッケージをコンプリートし、日本で誰よりも早くMigosらの未発表曲を視聴してみてはいかがだろうか。テーマソングを歌っているMigosのOffsetはスーパーにあった「RAP SNACKS」を買い占めるほど気に入っているとの情報も入ってきている。
また、日本でもお馴染みの炭酸飲料でもあるスプライトにも似たような例がある。
パッケージにDrake, Nas, Biggie, Rakimらのリリックがプリントされた特別モデルが過去に販売されたのだ。
Drakeの“0 to 100”の一節「Know yourself, know your worth」や、The Notorious B.I.Gの“One More Chance”の一節「Lyrically I’m supposed to represent」などの有名なリリックがプリントされているので、ファンにはたまらない商品だろう。
以上のように1つの商品に数組のアーティストがコラボした商品だけでなく、アーティスト自らが手塩にかけて製造販売している商品もある。
元Three 6 Mafiaのメンバーでメンフィスの重鎮的存在DJ PaulはBBQソースを販売。ホームページでは他の類似品と比べてはいけないと自信満々のコメントが掲載されている。パッケージに登場しているPaulの存在感も強烈だ。BBQの時はこれを持参すれば、間違いなく人気者に。
ベイエリアのベテランラッパーE-40は、自分の本名Earl Stevensの冠がついたワインを販売。マンゴーやラズベリーの香りがするワインに加え、なんと昨年は新たにた40ozビールブランドもスタート。こちらは蜂蜜のようなまろやかな風味が評判を呼び一時的に品薄状態に。長年インディペンデントで活躍してきたラッパーらしい着実なスタイルで販路を広げているようだ。
ネタのような話ではあるが、Snoop Doggはかつてドッグフード「Dog For Dog」を発売。1袋を購入すると動物養護施設に1袋分が無償で提供されるという、多くの事業を手掛けてきた、彼らしい気配りも施されていた。
また彼ら以外にもRick Rossはウィングチキンのショップを経営、Ludacrisもレストランを経営するなど、多くのラッパーがフードビジネスを展開している。中にはビジネスで失敗するパターンもあるが、
ラッパーが音楽活動だけに留まらず、様々なビジネス参入することはもはや当たり前に。探せばまだまだ隠れた名品が見つかるはずだ。