Frank OceanがTumblrに投稿した新作についてのノート(全訳)
2つのバージョンの新作をリリースしたFrank Ocean。彼はTwitterやInstagramなどのSNSは現在使用していないが、自身のTumblrページに時々文章やイメージを投稿している。Princeが亡くなったときの追悼文やオーランドの銃撃事件が起きた際の投稿が記憶に新しい。そのTumblrページで新作についての投稿が新たにポストされているので、以下に訳出する。
2年前に少年が自分の顔を手で覆っているイメージが自分の中で生まれたんだ。シートベルトを締め、彼女の服は首の上までまくれあがり、ブロンドの髪の束が耳の後ろになでつけられていた。彼女の目はとても澄んでいて静かで、でも空洞ではなかった。彼女の背後に続く道も同じだった。僕は彼女の席に乗り、頭の中で最後まで行ったよ。シートベルトがきつくて閉所恐怖症になるのを防ぐために、自分の席に乗り出したよ。内臓が圧迫されている。僕は前後に動き続けたよ。そして最後に僕は自由を得たんだ。
それはロンドンに引っ越してから1年くらいたったときで、実際にロンドンで車を運転しなきゃいけない必要性はなかったんだ。僕は燃費が悪いポルシェGT3 RSを買って、まあでもなんかあったときのために持っておくのはいいと思ったんだ。Raf Simmonsが1度「そのイメージは君の車への妄想が全て表現されているサインだ」と話してくれたよ。多分それは深い無意識下の少年へのストレートな欲求とつながっている。自分の中ではストレートではなくてちょっと曲がっているくらいがいいんだけど。僕はそのロマンティックなイメージを見ては時々改変したよ。でもそのイメージを感じるときは、常にマクラーレンのF1の中にいて、手には使い捨てカメラを持っていた。
これらのページに映された僕の思い出は近所からお尻の痺れと戦って行った遠いところまでさまざまな場所で作られたよ。ポルシェのRWBで回った東京郊外や、イングランドでおこなったパーティー、友達と一緒に組み上げた4台のM3Sで高速で一緒にツーリングしたとき、そしてミシシッピの泥だらけのぬかるみで水陸両用車で遊んだときもだ。セネガルのカンフー道場でスカウトしたモデルたち、等身大のおもちゃ箱をぶっこわすために試しに作らせたこと。天才Tyrone Lebonと楽しくミュージックビデオを撮ったこと。休暇と偵察を兼ねて、メキシコのトゥルムに行って星座を見たこと、東京やNY、マイアミ、LA、ロンドン、パリでのレコーディング。そしてベルリンに立ち寄ってベルグハインの目撃者になったこと、Lil B The BasedGodとジュエリーを交換して多頭のもののたとえ話について二人でずっぷり浸かったことなどだ。
制作途中、僕は『GodSpeed』と名付けたストーリーを書いてたよ。ベースになってるのは僕の子供時代のことだ。少年は泣く、僕は子供のときずっと泣いていたわけじゃないと思うけど。でも驚くことに少年時代が僕の人生で最も好きな瞬間なんだ。驚くべきことに、現段階の僕にとって、最も調和されたときはいつだったんですかと尋ねられたら、それは僕が子供のときだったんだ。少年時代のことは粗く誇張されている部分もあると思うけど、でも僕のバックミラーには小さいけど僕のとてもよかった少年時代が写っていて、その正しさを確信させてくれる。そしてこれも本当なんだけど、今もずっといい時代が続いてるんだ。