今年もいよいよ幕を開けたグラミー賞の授賞式。以前よりそのノミネーションが批判の対象となり、The weekndがボイコットを表明するなど例年と比べ波乱の展開を見せた今年のグラミー賞だが、その受賞者が発表となった。
最優秀レコード賞はBillie Eilishの“everything i wanted”が受賞。昨年主要4部門全てを独占した彼女が、二連覇を果たした形となる。最優秀アルバム賞はTaylor Swiftの『folklore』、最優秀楽曲賞はH.E.R.の“I Can’t Breathe”、最優秀新人賞はMegan Thee Stallionが受賞している。
また最優秀ラップアルバム賞はNasの『King’s Disease』が受賞。さらにMegan Thee StallionとBeyoncéの“Savage (Remix)”が最優秀ラップ楽曲賞と最優秀ラップパフォーマンス賞の2部門に選出された。
例年グラミーはラップやR&Bといったジャンルからのノミネートが少ないことが大きな批判を受けていたが、今年は特に、昨年最大のヒット作となったアルバム『After Hours』を発表したThe Weekndがノミネートされていないことを筆頭に、賞自体の権威や在り方を疑問視する声が多く見られた。他にもブルックリンドリルの代表曲であり昨年のBLMムーブメントにおいても小さくない役割を果たした故Pop Smokeの“Dior”が最優秀ラップパフォーマンス賞にノミネートされるのみに留まったことも、彼のレーベルオーナーであったSteven Victorや、多くのラップファンから批判されていた。
ちなみに、昨年グラミー賞を批判しトロフィーに放尿する動画を投稿して大きな話題を呼んだKanye Westは、今年もアルバム『JESUS IS KING』で最優秀コンテンポラリークリスチャン音楽アルバム賞を受賞するに至っている。
賛否が大きく分かれた今年のグラミー。ブラックミュージック軽視の傾向が依然として続く中、今回の受賞式を巡る意見や動向に引き続き注目すべきだろう。