“Old Town Road”が史上最も長く全米シングルチャート1位を記録した楽曲となり歴史に名を残したLil Nas X。そんな彼はラッパーになる以前からTwitter上で人気のアカウントを運営していたことが知られているが、その時期の活動についてインタビューで語っている。
XXLによると、Lil Nas XはPaperのインタビューに対しTwitter上でホットなトピックやミームを紹介するアカウント@NasMirajを運営していたことについて明かしている。そこで「俺はネットではポジティブでいようとしている。何年も前にやってたことの多くは行き過ぎていたと思うよ。今はプラットフォームを持ってるから、人を傷つけたりクレイジーになりすぎることをしないようにしなきゃね」と語り、以前はネットで人を傷つけてしまうような言動をとっていたことを認める姿勢を見せた。
@NasMirajアカウントはイスラム教徒や同性愛者を差別するような発言をしばしば行なっていたため現在は凍結されており、その時代を知る物たちの間でLil Nas Xの楽曲を聴かないようにする#LilNasXIsOverPartyという運動が盛り上がったこともあった。彼自身も同性愛をカミングアウトしたことで批判を浴びた際に「もう批判は受けてるよ。何年もインターネットをやってきた中で、俺もああいうネガティブな人間だった。だから怒ってないし、彼らがあんなリアクションをすることも理解できる。ただ、俺もジョークで返すよ」として自身の言動を省みていたが、現在の彼がヒップホップコミュニティのマッチョイズムを批判しゲイを受け入れるよう呼びかけているのも、そのような時期から彼が人間的な成長を遂げたことを表しているのだろう。
自身がゲイであることを批判する人々についてLil Nas Xは「俺が意地悪な人たちとやり合えるのは、俺自身が彼らのことを理解してるからだ。俺も理由なく意地悪なことを言うことがあった。人がそういうことを言うのは、その日のことしか考えてないからだ。俺もその後のことを気にしてなかった。でも、そこから何が得られる?」としている。自らの失敗を認識することで人は前に進めるのかもしれない。
ヘイトや差別は決して許されるものではないが、ネットでは今日もそのような言動を考えなしに行なっている人が多く存在する。それらが無意味であることを理解し成長したLil Nas Xのように、全員が自分自身の言葉について改めて考えることが必要なのではないだろうか。