近年のレコードブームの再来により、2017年にはアメリカでのレコードの総売上枚数が1991年以来最高を記録した。そして、昨年もその勢いは続いているようだ。
先週木曜日に発表された、アメリカのレコード産業協会の調査によると、2018年のアメリカにおけるレコード音楽市場は音楽ストリーミングサービスのブームの継続もあってか、3年連続の2桁成長を果たしたとのこと。
レコード音楽からの収益は、2017年から2018年にかけて全体で12%増加し、98億ドル(約1兆100億円)に達したと調査書では伝えられており、その内の74億ドル、つまり75%がストリーミングによる収入だそう。この事からもApple MusicやSpotifyなどの有料ストリーミングサービスが現在の音楽業界を牽引していることが見て取れる。協会の会長およびCEOのMitch Glazierは報告書の中で、「アーティスト達による素晴らしい作品は、音楽サービスへの5000万件のサブスクリプションという歴史的な節目を迎えることを後押しし、それが今度は(レコード音楽業界の)2年連続の2桁成長という結果をもたらした」とアーティスト達に感謝を述べるとともに喜びを露わにしている。
その一方で、昨年のCDの売上高は32年ぶりの最低を記録した。2018年のフィジカル音源からの収益は11億5000万ドル(約1300億円)で、2017年からは23%減少したとのこと。特にCDの売上高は6億9800万ドル(約780億円)となり、1986年以来、10億ドルを下回ったのは初めてのことだそう。日本でも年々、CDが売れなくなっている現状があるがそれはアメリカでも同じことなようだ。しかし、この数値を逆手に取ると残りの4億5200万ドル(約520億円)はレコードの売上であり、アメリカではレコードがフィジカル音源からの収入の内の3分の1を占めているということになる。昨年の調査ではレコードの売上はフィジカル音源全体の14%だったので、驚異的な成長といえるだろう。
日本でも昨今、レコードブームが囁かれているがアメリカに続いて成長を遂げることは出来るだろうか。